リメイク第二章 第一の解放作戦は新たな秘密を知る罠
ポンサン・ミィ・・・
ちょい待て突っ込ませろ。何だその名前、ボンが名前?さんって何?
「そうか、お前がリーダーか・・・ポンサン」
サムさんは基本名前はフルで呼ぶから、ポンサンまでが名前か。んで、確かミィってのは魔法族って奴の苗字だよな。ミィは確か・・・土?だったっけ。
「あぁ、意外だったか?サム、まぁ我はワンコと違ってそこまでミカミ陛下に忠実には見えなかったろうからな。だが、正直言うと陛下はワンコ以上に我を信用している・・・」
名前はまたふざけてるけど、力は強そうだ。年齢は40代半ばに見えるが、そこら辺のサラリーマンよりもガタイも良いし、貫禄がある。
「シィズさん、あいつって」
「ポンサン・ミィ、王国軍の土竜部隊の隊長。土の魔法を扱うわね、この間のワンコっていたじゃない?ワンコ、ニャンタ、ポンサン。この三人は昔から一緒に行動しててね、もっぱら犬猫狸トリオだなんて呼ばれてるわ。彼はそのトリオの纏め役ってとこね」
狸か・・・で、ポンサンね。しかし、前に言ってたニャンタも相当な実力者って聞いたけど、それの纏め役か。気、引き締めるか。
「ほぅ、中々良い目をしているな。サクラ君よ、王の話ではまだ彼はへなちょこだから引っ叩いてやれと聞いたんだがな?」
「そりゃどーもッスね」
「成る程、煽っても隙は見せないか・・・だが、我も同じだ。勝ちたければ、我の隙を見つける事だ」
その隙をさっきから見ようとしてるんだ。んで、イメージしてみてる。あいつがどの程度の実力かは分からないけど、攻撃を与えられるイメージが全く浮かばない。
「サクラ君、君らがここへ来たと言う事は恐らく貨物を使ったな?という事は細かなルールはまだ知らないと言う事だな?」
「だったら?」
「ちょうど良いと思ってな、我に勝利すればそのルール、細かく教えてやろう。君らは我らと違ってリーダーを殺す必要は無い、勝利条件がある。それを見破れ」
殺さなくて良いか、確かあの店の人は俺たちを殺せと言うルールに対してリーダーに関しては倒せって、殺せとは言ってない。少し引っかかってたけど、そういう事か。
けど、どうやれば勝利になるんだ・・・
「なら良いか?そろそろ行くぞ・・・」
ポケモンは、手にグローブをはめた。少しだけ手の甲に金具が付いてるだけのものだ。
「『土竜叩き』」
そしてポンサンは、何もない地面に拳を突き出した。
「っ!うおっ!?」
すると俺の地面が突然迫り上がった。
「もう終わりか?」
そして上に押し上げられた俺は、それこそモグラ叩きみたいに上空へ飛び出した。そこへすかさず飛び上がったポンサンの拳が飛んでくる。
「んぎっ!!」
俺は前方に銃を発射して横に飛び出した。かろうじて避けたは良いけどその飛び出した地面にポンサンの拳がぶつかった。すると地面は一気に崩れた、あんなのを喰らったらヤバイな。
「ポンサンだったッスか?こんなのやったら祭りどころじゃなくなるッスよ?」
「我を甘く見るなよ?通常の土の力の魔法は畑を耕したり、軽い水路を掘ると言ったのが主な使い道だ。しかし、我程の実力になればあらゆる地形を瞬時に作り出せる。例えここの土地がボロボロになろうとも、我ならば即座に直せるのさ」
なんだそりゃ、またチートみたいな力だな。常に地の利はポンサンが握っているって事か。隠れても無駄になる訳だ・・・なら!!
「そうッスか、でもあまり長引けばあんたが大変だろ。真正面から受けて立つ!」
俺はポンサンの前に姿を現した。
「同感だ。やり過ぎては私が直すのが大変だ、一気に攻め入ろう」
そして俺たちは真正面に向かい合った。
グレイシアさんとの修行を思い出せ。見極め、そして踏み出せ。勝利条件は殺す必要がないって言ったよな、逆に言えば殺しても勝利にはならない。
何かをすれば勝ち・・・それは何だ?
「行くぞ!」
俺は銃を取り出し、電撃を放った。早撃ちだから威力は弱いけど、防ぐ行動を起こさせるには十分だ。
「聞いてはいたが、それを使ってもその程度・・・魔法の扱いは下手らしいな。だからそれを補う為の近接攻撃か」
俺は撃った直後に走り出した、俺が真価を発揮できるのはゼロ距離、間合いを詰めろ。撃って撃ちまくってあいつに魔法を使わせるな。
「ここだぁっ!!」
俺はポンサンの後ろに何とか懐に入り込み胸元に向かって銃を撃った。けど、
「足の運びはそれなり、素質は悪くはないのかもな。だが
それが軍人に通用すると思うか?」
俺はポンサンに銃身を掴まれ、撃てなくなってしまった。
「かかった!!」
「んっ!?」
俺はそのままポンサンに向かって手を伸ばした。ポンサンは驚いて銃から手を離して俺から距離を取った。
「見えたッスよ、勝利条件!!」
俺の狙いはここにあった、このゲームの勝利条件。それは奴が持ってたんだ。
「その胸ポケットッスか?なんか変なものがあるなと思ったッスけど、ビンゴッスね。その中にあるやつを壊せば良いんだろ?」
「成る程・・・どうやら我は貴様を甘く見過ぎたな。御名答、勝利条件はこいつだ」
ポンサンは胸ポケットの中から何やら携帯電話みたいな装置を取り出した。
「こいつが勝利条件、この装置は陛下に仕込まれた爆弾と繋がっている。これを破壊する事がお前たちの勝利だ」
「これが全部破壊されれば三上は死ぬ。ポンサン、お前は何でそんな事をするあいつに仕えてるんスか?」
俺はポンサンに質問した。こいつは強い、だからこそあいつに仕える理由が分からない。
「さぁな、我にも分からん。だが恐怖故ではないぞ?我は彼に感謝している。そしてかつて彼と戦った時に彼の器の計り知れなさを感じた。だから我は陛下が例えこの世界を滅ぼすのだとしても、我はその命に従う」
確かに器の大きさは計り知れないのは分かる、俺も異常さを感じるからな。その異常に惹かれたって事なのか?分からん。
「それより、いいのか?我から集中を逸らすのは、死を招く」
「っ!!」
ポンサンが踏み込んだ地面から石が弾丸のように飛び出した。
「いけるかっ!?」
俺は無我夢中で地面に向かって撃った。
『ドゴッ!!』
地面は一気に盛り上がって壁になり、石の弾丸を受け止めた。
「ふっ、良い手だが・・・魔法の練度が低い!その壁我が使わせてもらう!!」
ポンサンはそのまま走り、俺の作った壁に拳を突き出した。すると壁は粉々に砕けかけらが弾丸のように再び俺に遅いかかった。
「だから避けた!!くらえっ!!」
俺は横に自らの身体を飛ばしておいた。そしてポンサンの背後を取る。そこへ今出せる全力の電撃を撃った。
「んっっと、中々、今のは痺れたな・・・だが、もうすでに体力が限界では無いのか?魔法は不慣れのまま扱うと二日眠ることもザラにある」
「くっ!!このっ!!」
『パチィンッ!!』
っ、弱・・・俺は隙だらけになったポンサンにもう一度撃ったが、もう相手を縛らせる程の力も残って無かった。
「残念だ、楽しい戦いではあったがこれまでだな・・・」
「あ、」
俺はあるものを見た、そのせいで変な声が出た。
「何だ?我から目を逸らすとは、見損なったぞ?」
「い、いやその・・・ポンサン。お前の負けッスね」
「何?負けはお前だ、サカガミ サク・・・」
『ゴォンッ!!!』
「んごっ!?」
突然ポンサンから鈍い音が鳴り響いた。
どさっ・・・グシャッ。ポンサンは前のめりで倒れ、機械が壊れる音が聞こえた。
「ひ、ひぇっ!!す、すいません!ちゃ、チャンスと思ったのですが!だ、大丈夫ですかぁっ!?」
零羅ちゃんだ、零羅ちゃんがゴッツイ鉄骨を持ってこっそりとポンサンの後ろに回ってた。ポンサンは俺との戦いで後ろに気がついていなかったんだ。
「二、二体一とは・・・無念」
「す、すみません・・・でも、こう言う事で、良かったんですよね?桜蘭さん?」
え?俺?零羅ちゃんはまるで俺の指示みたいに聞いてきた。
「ポンサンの弱点、上手く使ってくれてたから・・・彼は一対一の決闘を好むクセがある。サクラがそれに合わせて動いていた。そしてサクラはレイラがポンサンの視界から外れるように動いていたから」
どうやら、隙を突いたのはグレイシアの案らしい。
「それにしても凄い、ポンサンは完全にレイラを見失っていた。サクラ、凄い・・・」
んで、俺適当に動いてたんだけど・・・どうやら俺のムーブが、零羅ちゃんに背後を取らせる動きになってたらしい。グレイシアさんの珍しい驚き顔がそれを物語ってる。いつのまにこんなに強くって思ってるよこれ。
「あ、あはは・・・」
どう言う顔すれば良いんだ?
「どうした?サクラ」
「い、いや・・・」
「そ、それより大丈夫でしたか?わたくし加減が分からなくて・・・い、生きてますか?」
確かに凄い音したもんな、てか、グレイシアさん零羅ちゃんにやらせるにしてもその鉄骨はやり過ぎだろ。
「あぁ、結構効いたが、そこまで貧弱では無い。まぁ食らう瞬間に防御したが、防ぎきれずに一瞬気を失ってしまった」
ふらふらしてるけど、大丈夫かな?てか防御しても気を失ったって・・・零羅ちゃん、やり過ぎだよ。
「それで、どうやら敗北したらしいな。衝撃で装置は破壊された。ここでの戦闘はもう行う事は出来ない。お前たちの勝ちだ」
ポンサンは負けを宣言した、つまりここ西ボーダーは俺たちが勝ったんだ。二つ目の勝利、大声で喜びの声を上げたいが、今はそんな気力は無いな。
「それにしても、いくら彼が我の目を盗んだとは言え、よくぞ我の背後を取ったものだレイラとやら・・・うむ、お前たちならば、陛下の野望を阻止出来るのかもな」
野望?こいつはまだ何を知ってるんだ?
「陛下の野望だと?ポンサン、お前何を知っている?」
サムさんが問い詰めた。
「言うなれば、細かいルールの続きだ。勝利条件の話はしたな?だが、敗北の条件はまだ知らないだろう。ルール三つ目、期日までに両方が為されなかった場合の結末を」
「確か、この国全ての人間を殺すって言ったわよね。けど、そんな方法はいくらなんでも彼一人では出来ないわ、爆弾でもそこまでの物はない」
「いや、シィズ。方法がある・・・まず我々はミカミの全てを知る訳でも無い。彼の世界の技術の全てがここにある訳じゃないのだ。そのミカミが理解し得ない技術も多くある、
しかし、ここに来て彼は到達した。異世界の諸君らなら聞いた事があるかもしれない。『ゲンバク』と言う爆弾は聞いた事があるか?」
俺はその一言で血の気が引いた。ゲンバク、原爆、原子爆弾だ・・・
「馬鹿だろ、一般人にそんな物作れる訳ないッスよ!!」
俺は反論したが、ポンサンはため息を吐いた。
「その反応は、やはりあるのだな。君たちの世界に、世界を丸々焼き尽くす爆弾。カクバクダンとも呼んでいたな」
「そ、そんな物を・・・彼は」
「原爆、つまり原子爆弾は我が国日本がかつての戦争で落とされた最悪の兵器でござる。広島と長崎、誰であろうも忘れてはならぬ教訓。
その熱線は人を瞬く間に溶かし、残るのは影のみ。その後の爆風はあらゆる建物を吹き飛ばす。そして放出される放射線はその土地生命の存在出来ない土地へと作り替えるのでござる。
それが原爆、そして現在の核ともなれば広島のリトルボーイの何百倍もの威力。そんなものが狂人の手元にあるとすれば、言う通りこの世界の全ての人間、いや生物全てを根絶やしに出来るでござる」
麗沢が小難しく語った。
「ふっ成る程、それがこのゲーム。正に世界の命運を懸けたゲームだな」
笑ってる場合かよ、全く信じられるか?一般人が核を作ったなんて笑い話にもなりゃしねーよ。
『ピーンポーンパーンポーン♪』
その時町内放送見たいな音が鳴り響いた。そして、その直後、そこから奴の声が聞こえた。
「やぁ、まずはおめでとうと言っておこうかな?異世界の勇者たち」




