第0話 織田信長に転生します
初めまして、初投稿です。
小説になろうで初めてのオリジナル小説を(今まで二次小説を書いていたので)書きます。完走できるよう頑張ります。
それでは人生初のオリジナル小説をご堪能あれ
俺の名前は佐藤春馬。何処にでも居るような高校2年生の男子である。頭はそれなりに良いのだが、歴史オタクのせいで友達は0。両親は俺が幼い頃に事故で亡くなり親戚に引き取られても厄介者扱いをされた俺は高校生になってすぐ家出するような形で一人暮らしを始めた。そんな経緯もあってか俺は人を信用出来ず(所謂人間不信症)であり学校でも誰とも関わろうとせず本ばっかり読んでいる陰キャだった。そんな俺が学校と家を毎日往復する日々を過ごしていたある日の事だった。
結論から言わせて貰おう。死にました。…死にました。大事な事なので2回言いました。
「うん。どういう事ですか?」
「ですから貴方は死んだんです。轢かれそうになっていた子供を庇って」
と目の前にいる頭の上に輪っかがあって背中に翼が生えた誰もが天使と思い浮かべるような女性が言った。とてもじゃないがそんな実在するかも怪しい・・・いや、実在しない人に言われても信じる事なんて出来やしない。
「これが実は夢かドッキリ企画で貴方が完成度の高い天使のコスプレをしているだけであって本当は俺が生きている可能性は?」
「ドッキリ?とコスプレ?はなんの事か分かりませんが、これは夢では無いですし、私は正真正銘天使です。此処に来た以上貴方は生死の境を彷徨っているとかではなく本当に死んだのです」
そこまで言われたら信じるしかない。信じたくなかったが本当は心の何処かで分かってたんだ。俺は死んだんだって。確か俺は学校からいつものように帰ってる最中に小さい子供が曲がってくるトラックに気づかずに飛び出していったのを見てその子を庇ってトラックに轢かれて・・・・それから思い出せない。気づいた時には既に此処に居たのだ。
「そうだった!庇った子って大丈夫ですか!?」「軽傷を負いましたが無事ですよ。貴方の勇気ある行動のお陰です」
「そうですか。無事で良かった・・・」
「さてこれからの事を話しましょう。1つ目はこの時代に生まれ変わり新しい人生を歩むこと。2つ目はこのまま生まれ変わらず審判の門に向かうこと。そこに居る閻魔大王が天国に行くか地獄に行くか決めますが貴方の場合は地獄に行く可能性は殆ど無いでしょう。最後に3つ目ですが異世界もしくは別の時代に転生すること」
そこまで言うと何故か女性天使さんは言葉を詰まらせ黙ってしまった。何か言いづらい事でもあるのだろうか?
「本来なら貴方にはこの3つから選んで貰うのですが貴方には出来れば転生して貰いたいと思っています。本来ならランダムで選ばれる転生先を指定する程にです」
あ、やっぱ転生先って普通はランダムなんだね。でも何故に俺は指定なの?俺なんか凄い事でもしたっけ?歴史が好き過ぎて全統模試で日本史が全国1位だった事ぐらいしか自慢出来ないんだけど・・・。
「因みに何処で誰に転生するんですか?」
「14世紀の尾張・・・いえ、貴方には天文3年(1534年)5月の尾張で生まれる人物に転生して貰います。ここまで言えば歴史オタクの貴方なら分かる筈です」
ちょっと待て。天文3年(1534年)って言ったか?もしそれなら歴史オタクの俺が真っ先に思い浮かんだ人物なんて1人しかいない。
「もしかして信長に転生するんですか!?」
「その通りです。流石歴史オタクですね。これだけで信長に結び付けれる人は中々居ないですよ」
女性天使さんはそんな事を言っていたが俺の耳には全く入っていなかった。
信長。織田信長。歴史オタクでなくとも1度は聞いた事があるだろう。戦国大名の中で最初に全国統一に乗り出した人物で、独裁的な政治手法と機敏的で強大な軍事力で次々と戦国大名を打ち倒し、全国統一を後一歩の所まで完成させた偉人である。
「どうして俺は転生先が決まっいてそれが信長なんですか?」
「私の上司が貴方と同じような歴史オタクでしてね。数年前から織田信長が全国統一した世界を見てみたいと言い出しましてね。それで全国統一出来るような資質を持った人物を探していました。そこで貴方に目を付けたのです」
そんな事を言われたってピンと来ないのだが、その上司の気持ちは分からない事では無かった。歴史のifを想像するのは確かに面白いし自分もよく想像している。だからって実際にその人物に転生させて全国統一させようとするのはどうかと思うが。
「勿論貴方の運命を操作して今日死んだ訳では無いです。貴方には目を付けていただけであって今この場にいるのは私も驚いています。ですが貴方は今幸か不幸かこの場にいます。だから頼みたいんです。
『信長の○望』全シリーズ最速クリアを成し遂げた貴方に」
「確かにそんな事もやりましたけどそれが全国統一出来る資質になるんですか?」
「何言ってるんですか!貴方が叩き出したクリアタイムは未だに全部破られて無いんですよ!?しかもそれが全シリーズときたら貴方はそれだけの資質を持っていると言っているようなものです」
ここまで聞いても俺には実感も何も無いのだが、面白そうだとは素直に思った。自分のゲームで得た経験と歴史オタクとしての知識がどこまで通用するか気になったからだ。それに日本史を知っているのは向こうではは未来を知っているのと同じなのでこのアドバンテージを活かせば全国統一は決して不可能な事では無い。
「決めました。俺、信長に転生します」
「ありがとうございます。では早速転生の準備を始めますね」
女性天使が俺の方に手を伸ばすと俺の足元に魔法陣のようなものが俺を囲むように展開され青白い光を放ち始めた。程なくして俺の体も魔法陣のようなものと同じ青白い光を放ち始める。
「あ、言い忘れていましたが転生すると転生前の記憶と知識は引き継げないので」
・・・へ?転生前の記憶と知識引き継げないの?
「さらに付け加えますと、転生ものに良くある特典などは付いてこないので。自分の力で頑張って下さいね。それでは良き人生を」
ちょ、ちょっと待て特典も何もなく前世の記憶や知識が無い状態で全国統一しろと。しかも信長の幼少期の織田家なんて尾張を統一してないくらい貧弱だし、お隣は全盛期の今川だぞ。よしんば桶狭間の戦い起こして切り抜けたとしても今度は武田やら浅井やら朝倉やら有名な大名がわんさか居る上に史実通り信長包囲網作られたらそれらの大名と一斉に戦う羽目になるしはっきり言ってこれ無理ゲーなんじゃ・・・
それが佐藤春馬の最後の思考となり俺の視界は青白い光一色に染まって五感や意識が消え失せたのであった。
・佐藤春馬
開始早々死んじゃった主人公。
頭はそれなりに良い(日本史は別格)だが歴史オタクのせいで友達0、両親は幼い頃に他界、親戚に引き取られたものの厄介者扱いされるなど不幸な経歴の持ち主。
女性天使から勧められて信長に転生するのを決めるが、転生直前になって転生前の記憶と知識の引き継ぎなし、転生の特典なしというのを聞かされるなどもはや不幸イベントまみれである。
信長の○望全シリーズを未だに破られない最速クリアするなどストラテジーゲームにおいては天才。
これが転生後にも引き継がられているのを祈るばかりである。
・女性天使
転生前の記憶と知識の引き継ぎなし、転生の特典なしという事を直前になって言い出すという大ポカをやらかした天使。
本人曰く本気で伝えるのを忘れていた模様。ここまで来ると不安になるが上司からは一番信頼されているとのこと。
つまり天使の中で一番仕事が出来ているという事になる。
上司よ。信長の全国統一した世界見たいとか言い出す前に早く優秀な天使を雇用しろ。




