女の戦い
古文の授業が終わった直後でした、突然最後列のチカがお腹押さえて言いました
「ヤバイ、来ちゃった! 3日前だから油断して持ってきてない!」
すぐに委員長が言いました
「保健室行って借りてきなよ」
ところがチカは首を振りました
「学校のやつ、ロングの羽つきじゃん、嫌いなのよアレ」
あたしは、カバンに手を入れ、それを取り出しチカに投げつけました
「これ使って!」
しかし、ほぼ同時に奈々と陽子も投げてました
そして、コントロール抜群の陽子の投げた代物に、あたしの投げたのが弾かれ、久美子の頭に当たりました
「ちょっと!なにするのよ!」
久美子は自分の机の中からアレを取り出し、あたしめがけて投げてきました
「させるか!」
あたしが咄嗟によけると、それは美奈の背中に当たり…
「もう!仕返しよ!」
いつのまにか、チカの事を忘れ、みんなで投げ合いになったのですが…
「あなたたち、なにやってるんですか!」
教室の入り口に担任が現れ怒鳴りました
翌日、教室の後ろの壁に張り紙がされました
「教室内での座布団投げ禁止」
これを見てあたし達は肩をすくめたのですが、何故か何人かの子は、ニヤリとしました
「なら、こっちは問題ないわけね」
そう言って翔子が、紐付きのアレをぶら下げて、いきなりそれを投げつけました
「ちょ、ちょっと!」
あたし達は止めたのですが、キャアキャア言いながら何人かが、問題のものをキャッチボールみたいに投げて騒ぎました
翌日、なにがどうなったのか張り紙にこう書き足されていました
「ダイナマイト投げも禁止します」
あたし達は顔を見合わせ、吹き出しました
「他に書きようなかったのかね先生」
「どうしても、ナプキンとかタンポンて書きたくなかったんでしょ」
箸が転げても笑っちゃうあたし達は、五分以上笑い転げたのでした