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次の日

ミニトマト消失事件の翌日、僕はまた例の公園にいた。もはやそこは安らぎの地ではなくなっていたが、新たな目的が出来てしまったのだ。

改めて公園を見渡す。遊具などは無く、ただ緑と道路がある。

もしあの大穴に人間が落ちたらどうなってしまうのだろう。そう考えると、この公園に魅力が無く、人があまり来ないことがとても救いに思えた。

僕は広場の中央に近づいてみようと思った。それはとても恐ろしい事であったが、この怪奇現象を何とかするためにはそれすら厭わない覚悟を持っている。僕は穴が空いたらすぐに駆け出せるように、もっとも気休め程度にしかならないだろうけど、後ろに重心を預けながらそこへ向かった。


結論から言えば、特に何もなかった。強いて言えば、あるのは芝生、その下に土。それだけだった。

完全に行き詰まってしまった。そもそもあんな物理法則すら無視した怪奇現象に手がかりを求める方が難しいのだ。

僕は完全に手も足も出なくなってしまって、野菜ジュースを飲みながらぼーっとしていた。すると、

「あなた、もしかして大穴について調べているの?」

と突然声をかけられた。振り向くと、大学生らしき女の子がいた。インドかフィリピン系の顔付きだった。

「そうだけど、もしかして……」

「ええ。私も、大穴について調べているのよ」彼女もまた、大穴に因縁のある人間らしい。

「大穴について何か知ってるの?」

もし知っているとすれば、大穴に近づくことができるかもしれない。

「私は大穴についてかなり多くを知っているわ。どう?話を聞く気はある?」

僕は即座に頷いた。



僕たちはファミレスに入った。とりあえずドリンクバーを注文して、飲み物をとってきた。僕はオレンジジュースで、彼女はコーヒーだった。

「あの大穴が現れるようになったのは6年前。以降6日周期で大穴は世界各地に現れてきた。一見不作為に場所が選ばれているように思われていたけれど、実は違ったの」

彼女が話し始めて、僕は呆気にとられてしまった。彼女は一体どうやってこの情報を集めてきたのだろう。

「これを見て」彼女は古びた羊皮紙の束を取り出した。

「これは?」

「世界中の、12世紀頃の遺跡から発掘された文献よ。これらの中には大穴と思しき記述があるの。それによると、大穴は当時も発生が相次いで起きていたらしいの」

「でも、さっき6年前からって……」

「ええ、そうなの。それが、私があの公園で大穴が発生したことを予測できた理由にもつながるわ」彼女は勿体ぶるようにコーヒーを啜った。「大穴は、かつての発生場所を辿るように出現している」

僕は喉の渇きを癒すためにコップに手を伸ばした。彼女の言ったことはつまり、大穴という怪奇現象が学術的に認められるということであり、概念の消失という恐ろしいことが現実に起こっているということなのだ。


「……それで、どうしたらそれを止められる?そもそも、どうして大穴の発生は一時的に止まったんだろう?」長い沈黙を破った声は少し震えていた。

「それに関する記述はない。」彼女は至って冷静だった。

「そんな!」

「でも、それが逆に手がかりなのかもしれない」

「どういうことだ?」

彼女の癖なのか、無駄に勿体ぶるような話し方に僕は心底苛ついた。

「これは推測なんだけど。大穴を止めるには、何かを入れる必要があるのよ」

「……!入れたものの概念は消失する……!」

「そう。だって、大穴を止めたものは必ず書き留めておくはずでしょ?それが無いということは概念が消失したことを表しているはず。つまり私たちは、過去に大穴を止めたものでは無くて、何か大穴を止められ得るものを探し当てる必要がある」

彼女の言うことはとても真実味があったが、僕はそんなことが出来るのだろうかと既に諦めかけていた。

寝る前に一文ごとに思いつきで書いているため展開が読めない。

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