表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/40

決闘

 以前通された訓練場の場所へと向かうと、すでに何人かの人が野次馬として集まっているようだ。



「うわぁ…け、結構居ますね」

「こないだの騒ぎは動揺が伝わらぬように国民には知らせていないが、緊張感を持たせるために城内の者には伝えておるからのう。それにジョブは知らせておらぬ為に少し変えた情報ではあるが、そなたが救援に駆けつけたおかげでセルペンテネグロを15人で討伐できた。という報を回しておるからな。」

「なるほど…」

「うちの近衛騎士団はほとんどが実力上がりでな、言ってしまえばワシと同じように戦闘狂じゃからのう…、楽しみにしておるぞ?」

「ふふ…是非とも期待に応えて見せますよ」


 そう微笑み、急遽作られた簡易的なアリーナへと向かっていく。

すると、すでにオスカルは準備を終えていたようで凛とした顔付きで剣の先端を地面にさし、柄の先端を両手で持った姿で集中力を高めているようだ。


「今日はよろしくお願いしますね?」

「うむ、よろしく頼む。」

「始める前にそなたの使っている剣を貸してくれぬか?」


 言われた通りに鞘を服から外し、愛用の聖剣を渡す。


「ほぉ…抜いてもよいか?」

「えぇ、大丈夫ですよ」

「これは…素晴らしい剣だな、ワシの持つ魔剣と同等…いやそれ以上か?まぁ、いまはよいか…」


 そう呟き、すでに皇帝が持っていた剣をソフィの剣と合わせる。すると形が見る間に変わっていき、ソフィの持つ剣と同じ形を模っていく。


「それは…?」


 驚いたイーリスが思わず。といった様子で皇帝に聞く


「やはり最初に見るものは皆驚くものだな。これはマネマネの剣といってな、その名の通り剣限定で形や重さのみではあるが、そっくりそのまま対象を真似る変わった魔道具じゃ。勿論見た目のみで性能は全く模倣できぬ上に非常に高価な剣でな。特別な闘技大会でもないと使われぬ剣ではあるな。」

「そんな剣が…」

「うむ、しかしとてもよい剣だな。いい物を見させてもらって感謝する。」

「ありがとうございます!」


 こうして剣を受け取り、元の位置へと戻す。


「両者、向き合ったな?それではルールを説明するぞ。使用する剣は訓練用の特殊な剣だ。これは相手に致命傷に値する傷を負わせると自動的に負わせた側の剣が元の形に戻るという代物だ。そのためこの場合は戻したほうが勝ちとする。次に高い殺傷力を誇るような大きなスキル、魔法の使用は禁ずる。頑丈に作っているとはいえ、最高位ジョブの攻撃に耐えられる造りをしているわけではないし、魔法の模倣はマネマネの剣ではできないからだ。質問は?…ないな。それでは『はじめ!』の合図で開始とする。」

「最高位ジョブ…?もしやオスカルさんも?」

「勿論、守護騎士ガーディアンだ。」

「なるほど…一筋縄ではいかないってことですね」


 守護騎士ガーディアンは全ジョブ中最高の防御力を誇る。いわゆるタンク役としてアディでは人気なジョブであった。

 相手のヘイト(敵のターゲットを自分に集める)を稼ぎ、自身やPTの防御力の底上げなどをする前線にはなくてはならない存在だ。

しかし、その代わり攻撃力に若干の不安を残す職ではある。


守護騎士ガーディアンになるには140lvにしないといけないはず…140まではだいたい400時間もあればいけるけど…それは現実世界での時間だから、恐らく相当の年月を費やしているんだろう…だが、それでも負けるつもりはないぞ?)


「準備はいいな?…よし、それでは…はじめ!」


 ピンと張り詰めた空気の訓練場内に響き渡る掛け声と共に駆け出す両者、そして剣と剣が激しくぶつかる寸前に、ゾッとする悪寒を感じ取りその直感のままに身を捩り剣を回避し、そのまま駆け抜けて距離をとる。


「おいおい、イーリスさん…今何しようとしたんだ?」

「…秘密です!」


 再び、こちらへと距離を詰めてくるイーリスに対し…


「(恐らく何かカウンター系のスキルによるもの…少し距離を取って様子見をするか!)汝を封じ込み、我を守れ!タイトフィールド!」


 その瞬間、イーリスの周辺に黄色い壁のようなものが突如として浮かび上がり結界のように完全に閉じ込める。

(くっ…これは…対象を15秒間閉じ込め、身動きを取れなくするスキルのはず…ということは…マズい!)


「エアスラッシュ!!」


 イーリスから離れた場所で大きく振りかぶると、青白い剣筋が現れた瞬間イーリスに向かって飛び出し、壁に当たる直前に解除され、イーリスを切りつけんとするが…バシィッッ!!という音と共にその剣戟は体に当たる手前で弾かれる。


「…やっぱりカウンター系の技か。」

「さ、さて。どうですかね…でも、今のタイトフィールドは連続使用ができる技ではないですね?次はこっちから行きますよ!」

「あれが奥の手だと思われては困るな!」


 そう叫び、再び剣筋を飛ばしてくるがイーリスも負けじとその全てを剣で受け止める。


(チッ!ならこっちも手数でけん制だ!)


 すぐさま魔法レイアウトを思い浮かべ、ホーリーアロウを選択する。


「無詠唱魔法か!これは驚いたな!」

「お褒めに預かり光栄ですッ…よッ!」


 お互い遠距離系の攻撃で攻めあうが、手数の差から徐々にオスカルは追い詰められていく。


「(このままじゃやられるのは時間の問題だな。ギリギリだがもう一度閉じ込めてから一気に近づくか…先ほどのカウンター系スキルは一度しか効かないようだし、近づく直前でエアスラッシュを叩き込んでやる!)これで決めるぞ!………タイトフィールド!」


 再びイーリスの周辺に瞬時に壁が現れ閉じ込められてしまう。


(もうクールタイムが終わったのか!けん制に気をとられて時間をみてなかっ…来るッ!)


 一気に距離をつめてイーリスの目前に迫る寸前に再び剣筋が飛び出し、構えていたカウンター系スキルが発動される


「うおおおおおッッ!!」


 作戦通りの攻撃が通じ、そのまま一気に剣を振り下ろそうとしたその瞬間…イーリスの姿が掻き消える。


「なっ!?ぐああッッ!!」


 突如背中から激しい衝撃を受けて吹き飛ばされるオスカル。

そしてその背後からの攻撃をした人物は…元に戻った剣を持つイーリスであった。


「そこまで!!この試合、イーリスの勝利とする!」

「「「うおおおおおおお!!!」」」


 短い間に交わされた見たことのない最高位ジョブによる剣戟を魅せられた周りは一斉に歓声をあげるのだった。



―――――――――――――――



「いやぁ、負けてしまったか…無詠唱魔法を扱ううえにその剣技。完全に不意を突かれたよ…それにしてもいつの間に後ろに…」

「修練の賜物ですよ、正直初手のカウンターで決めるつもりだったのに避けられて本当にビックリしましたよ。」

「そなたがオスカルの背後に一瞬にして回った技はやはり聖騎士パラディンのスキルか?」

「えぇ、インビジブルインパクトって言います。相手の間合いに入った瞬間に消えるように相手の背後に回る技です。PvP…じゃなくて対人戦ではよく使うスキルですよ」

「ほぉ…聖騎士パラディンという名なのに随分と恐ろしい技を使うんじゃな。まぁ、戦場では勝った者が正義だ、悪いとは言わぬが実際には会いたくないスキルではあるのぅ。」

「そんな技が…聞いた事もないスキルだが、最高位ジョブの中でも上位に位置するスキルか?」

「まぁ、そんな所ですね。」

「オスカルはまだ守護騎士ガーディアンになったばかりであろう?この負けをバネにこれからもっと修練に励めば、お主ももしかしたらこの国の王となりえるかもしれぬぞ?期待しておるからな?」

「はっ!ありがたきお言葉…!」


その後も騎士団長に影響を受けたか、次々とイーリスに挑んでは敗れるが、満足げな表情で大の字になるものや、握手を求める者達で訓練場は溢れかえるのだった。


「う~~~む…いかんいかん。これ以上見ていては我慢ができなくなってしまう…惜しいがワシは執務に戻らせてもらうぞ。」

「…アルベルト様。倉庫からマネマネの剣を持ってきませんよね?もし、本当に執務にお戻りになるのでしたら、私もお手伝い致します。」

「くっ…お見通しか…わ、わかったわかった。それじゃあ本当に執務に戻るから頼むぞ。イーリスよ、終わった後何かワシに用があればヴィヴィアンに言うとよい、それではな。」

「わかりました。」


 そして戦闘狂達が熱のあがりすぎや、その美貌に見惚れてか、何故か自分が勝ったらイーリスへの告白権をかけて勝手に戦いをはじめようとするが、戸惑っていたイーリスの様子を汲んだヴィヴィアンによって止めにはいることでようやく開放されるイーリスであった。

え?名づけが直接的すぎる?ネ、ネーミングセンスはもうホント勘弁してください…自分が一番わかってます…


それと前に書いたときも思ってましたが戦闘描写難し過ぎです…

どう頑張っても薄っぺらい戦闘描写しか書けない…頑張って修行します…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ