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首都アントンへ向けて

1日遅れなうえに短いです…次回もまた遅れると思います…

 無事にダーフィルを無力化した彼女は埋まっている下半身を地面ごと掘り起こして、そのまま拘束具として利用する。


「クソ…クソッ…お前本当に何者なんだ?俺ですら全くわからなくらいの隠密スキルに一人で80人を無力化するなんて…Dランク相当の強さを持つ奴もいたはずだぞ?なんて名前だ?」

「貴方に教える理由がないので、その答えは冷たい牢屋でゆっくりと考えていてください。」

「チッ…(見たことない極上の上玉なうえにバケモンみてえな隠蔽スキルの高さ…これで有名にならないはずねえ…どういう事だ…)」

「さて、それじゃあ一度アジトへと戻りましょう。」


 ダーフィルを引き摺りながらアジトへと戻った後は気絶させて無力化させた盗賊達を全員洞窟の外に出してから、四つん這いにさせて手足を沈めることで天然の拘束道具へと変えていく。

ついでに、フードを取ったままだったのでこの状況にも関わらず気色悪い視線を向けてくる盗賊達には全員目隠しをしたうえで、更に捕まっていた女性達による制裁がくだされていく。


「ア"ア"ア"ア"…ア"ア"…」

「カ…カヒュッ…」

「ハ、ハヒッ…フヒヒッ…」


 どこを主に制裁されたのかは正確には言えないほどに悲惨な目に遭い悶絶している彼らだが、自業自得なので仕方のないことだろう。


「(うっわぁ…ちょっと同情しちゃうぜ…男性のままだったらあれがヒュンってなってたな…)さ、さて、本当は貴方たちも連れていって犯罪奴隷として引き渡すつもりだったんですが、数が数なのでここに放置です。後で回収してもらうつもりなので食料は目の前に置いておきます。考えて食べてくださいね?」

「ま、ま…ウヒッ…待って…くれ…」

「こ、これだけじゃ足りるわけ…!」


 今にも死にそうなほどに弱々しい声をあげる盗賊達


「…貴方達は私に殺されていても文句の言えない事をしています。今の生殺与奪権は私にあるんですよ?それに犯罪奴隷は模範的にこなせば解放されると聞きます。頑張ってくださいね?」


(まぁ、本当は俺の知ってる範囲で死なれたら嫌なだけの自己満足なんだがな。)


「そ、そんな…」

「自業自得です。自分のやってきたことを悔やみながら回収班が一日でも早く来ることをアズラ神にでも祈っていればいいと思いますよ。」

「そうだそうだ!」

「犯罪奴隷としてなら少しは王国に役に立つんだから喜べ!」


 周りも野次を飛ばし始めたので、抑えてからこの先の事を話し出す。


「この山岳地帯を抜けた先で待機している私の仲間が居るので合流します。この2人以外で戦闘のできる人は居ますか?」

「私も戦闘に参加できるわ。」


 名乗りを上げた彼女は先ほどダーフィルに捕まっていたアニーと呼ばれていた冒険者だ。


「…大丈夫ですか?無理しなくてもいいんですよ?」

「平気よ。女としての威厳を失う前に貴女が来てくれたおかげで何もされていないの。だから私も戦えるわ」

「わかりました、装備はありますか?」

「えぇ、さっき装備を取り返しておいたから問題ないわよ。」

「わかりました、他には居ますか?…居ませんね?それじゃあ出発しましょう。陣形は私が前を担当するので後ろを3人でお願いします。この山岳地帯では私の索敵スキルはあまり役に立たないので注意してください。」

「「「了解。」」」



 体を酷使されてしまい体力が残っていなかった女性を即席で作った担架で運びながらなので、やや速度が遅くなりながらも無事に通り抜ける


「よし、なんとか抜けましたね。えっとヴィヴィアンは…あそこですね、行きましょう」


 山岳地帯を抜けると荒野が広がっていたが、その先で野営を行っているのか煙があがっているのがみえる。ヴィヴィアンだろうと予測してそちらへと向かうと、見たことのある馬車を連れたキャラバンが見えてくる。


「ただいま、ヴィヴィアン。」

「おかえりなさいませ。ご無事で何よりです」

「盗賊達は50人も居たのでその場に拘束して放置しています。野営の準備が整ったらアジトをノワールで潰してくるので、また護衛お願いしますね」

「わかりました。お待ちしています」


 野営の準備が完了した後に、キャラバンを離れてノワールを召喚後に先ほどのアジトへと向かっていく。


「よし、それじゃあ後は頼んだよ。あそこの埋まってるのは殺しちゃダメだけどそれ以外は暴れまくってね?」

「グルルゥ!!」


 アジトのあった場所へと急降下して着地、後ろから聞こえる悲鳴を言い付けどおり無視し、アジトに向かってブレスを吐き出すノワールを眼下にヴィヴィアンはキャラバンへと戻っていく。


「20人も増えちゃいましたね…この先どうしましょうか。」


 商人達の馬車は1台が襲撃によって潰され、更にDランク冒険者と幹部クラス数名分によって馬車のスペースはほとんど残されていなかったのだ。

怪我人も居る上に首都まではまだ半分もある。今現在の彼らには首都まで歩ける程の体力はまず残っていないだろうと考え、輸送手段を考える。


「そうですね…この先に農村があります。そこから何とか馬車を借りれないか頼んでみましょう」

「わかりました。馬車代なら私が独断で助けたので責任を持って払うので任せてください」

「お願いします」


 その後、長い間身体を洗えていなかった女性達にはお湯を用意するなど心と身体のケアをしながら一夜を過ごしていく。


 夜が明けた頃になってさっそく出発し、最寄の農村に到着したので、交渉をする。


「馬車って借りられませんか?勿論対価は支払いますよ。」

「馬車だと?繁忙期(はんぼうき)じゃないとしても見ず知らずの奴に貸すバカがどこにいるんだよ」

「それはごもっともですね…自己紹介が遅れました、私はイーリスと言います。ランクはDですよ。」


そういってギルドカードを渡す。


「本物みてーだがDランク一人で信用しろって言っても…」

「ヴィヴィアンと言います。私もDランク冒険者をしております。」

「「俺もだ!」」「私もよ!」


ヴィヴィアンと3人の冒険者達も名前と同様にカードを渡す。


「ふむ…全部本物だな。わかった、それじゃあ馬車を貸してやるよ。3台しか貸せないがいいか?」

「ありがとうございます!」


馬車は2台とも女性のみにし、残りの一台に男性を全員乗せてから盗賊達から奪った食料を対価に再び出発する。


こうして馬車に揺られる事1週間…ようやくアグニス王国が見えてくるのだった。

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