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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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203/211

第203話:『おばちゃん、“次の道へ歩き出す”』

水鏡の湖の岸に戻った一行は、

しばらくその場で静かに風を感じていた。


湖面は相変わらず鏡のように澄み、

空も木々も、

自分たちの姿さえも映し出している。


ユウトは胸に手を当て、

深く息を吸った。


「……おばちゃん……

 なんか……

 心の奥が軽い……

 水の試練で……

 うちの“底”が洗われたみたいや……」


トモエは笑った。


「そらそうや。

 あんたは自分の心と向き合ったんや。

 それは簡単なことやない。

 胸張ってええんやで」


ユウトは照れくさそうに笑った。


「おばちゃんのおかげやで。

 うちひとりやったら……

 絶対沈んどった」


トモエは首を振った。


「ちゃう。

 あんたは自分で浮かび上がったんや。

 うちはただ……

 手ぇ握っとっただけや」


水の精霊ミラが、

湖面から静かに姿を現した。


『……水の試練を越えし者たちよ……

 そなたらは“心の深さ”を示した……

 次の道へ進む資格を得た……』


リリアは目を輝かせた。


「ミラさん……

 本当にありがとうございました……!」


カイルは深く頭を下げた。


「水鏡の湖の仕組み……

 とても興味深かったです……

 また研究させてください……!」


セイルは静かに言った。


「水は……

 心を映す。

 あなたの試練は……

 私たちにとって大きな学びだった」


エルミナは祈るように言った。


「……水の祝福が……

 あなた方と共にありますように……」


シアはミラに向かって言った。


「ミラ。

 次の道標は……

 どこにあるの?」


ミラは湖面に手をかざし、

水の地図を浮かび上がらせた。


『……次の道標は……

 “炎の大地”にある……

 火の精霊が守る場所……

 そこへ向かうには……

 “赤の峡谷”を越えねばならぬ……』


ユウトは目を丸くした。


「炎……!?

 次は火なんか……!」


トモエは苦笑した。


「風、水の次は火かいな……

 忙しいこっちゃな」


カザミは真剣な表情で言った。


「炎の大地は……

 風の谷や水鏡の湖とは違う。

 “心の熱”を試される場所。

 怒り、情熱、迷い……

 そういう感情が揺さぶられる」


リリアは不安そうに言った。


「怒り……

 情熱……

 なんか……

 怖い……」


カイルは地図を見ながら言った。


「赤の峡谷までは……

 ここから三日の道のりです。

 途中に“乾いた森”がありますが……

 そこは火の気配が強い場所……

 注意が必要です……!」


セイルは静かに言った。


「火は……

 心の“熱”を映す。

 風や水とは違う危険がある」


エルミナは祈るように言った。


「……どうか……

 炎があなた方を拒みませんように……」


シアはトモエに向き直った。


「トモエ。

 あなたの影……

 “守護の影”は火に強い。

 守る力は……

 熱に負けない」


トモエは頷いた。


「ほな……

 次は火の試練か。

 行ったろやないか」


ユウトは拳を握った。


「うちも一緒に行くで!」


---


◆ ◆ ◆


◆ 水鏡の湖との別れ


ミラは湖面に手をかざし、

水の道標を包むように光を送った。


『……水の道標は……

 そなたらの心を守る……

 深さを忘れぬよう……

 胸に抱け……』


トモエは宝珠を胸に当てた。


「ありがとう、ミラ。

 うちら……

 必ず次の道標も手に入れるで」


ミラは静かに微笑んだ。


『……そなたらならば……

 必ずや……

 光の塔へ辿り着く……』


湖面が静かに揺れ、

ミラの姿は水へと溶けていった。


リリアは涙を拭った。


「ミラさん……

 また会えるかな……」


カザミは優しく言った。


「水はどこにでもある。

 心が澄んでいれば……

 いつでも会えるよ」


ユウトは湖に向かって手を振った。


「ありがとう!!

 うち……

 もっと強くなるで!!」


トモエはユウトの頭を撫でた。


「ほな、行こか。

 次の冒険へ」


---


◆ ◆ ◆


◆ 炎の大地へ向けて


湖を離れ、

一行は南へ向かって歩き出した。


空気は徐々に乾き、

風は熱を帯び、

遠くには赤い岩山が見え始めている。


カイルは地図を確認しながら言った。


「赤の峡谷までは……

 あと二日ほどです。

 途中に“乾いた森”がありますが……

 そこは火の気配が強い場所……

 注意が必要です……!」


リリアは不安そうに言った。


「乾いた森……

 なんか……

 燃えそう……」


カザミは頷いた。


「火の精霊は気まぐれだからね。

 風や水とは違う危険がある」


セイルは静かに言った。


「火は……

 心の“熱”を映す。

 怒り、情熱、迷い……

 それらが試される」


エルミナは祈るように言った。


「……どうか……

 炎があなた方を拒みませんように……」


シアはトモエに向き直った。


「トモエ。

 あなたの影……

 “守護の影”は火に強い。

 守る力は……

 熱に負けない」


トモエは頷いた。


「ほな……

 次は火の試練か。

 行ったろやないか」


ユウトは拳を握った。


「うちも一緒に行くで!」


炎の大地へ向かう道は、

すでに始まっていた。


ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第203話では、水鏡の湖を後にし、

次の道標“火の試練”へ向かう準備が描かれました。


今回のポイントは、


• 水の試練を越え、一行が心の深さを得たこと

• 次の目的地“炎の大地”と“赤の峡谷”が明かされる

• 火の試練は“心の熱”を試すものであると示唆

• 新章への移行回として、旅の再出発が描かれる



という、次の大きな山場へ向けた重要な回になりました。


次回、第204話では

“乾いた森”で火の気配に触れ、

火の試練の前兆が現れる回

が描かれます。


これからも、おばちゃんとユウトの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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