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ミナミのおばちゃん、異世界で心の影を救います  作者: ぽそまる


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202/211

第202話:『おばちゃん、“水の守人と出会う”』

水鏡の湖の底へ沈んでいくと、

世界は静寂に包まれた。


水は冷たく、

しかし痛みはなく、

まるで心そのものに触れてくるようだった。


ユウトは胸を押さえた。


「……おばちゃん……

 ここ……

 息できる……?

 水の中やのに……

 苦しくない……」


トモエは周囲を見渡しながら言った。


「せやな……

 ここは“心の世界”や。

 身体やなくて……

 心で潜っとるんやろな」


水の精霊ミラの声が、

水の中に響いた。


『……ここは……

 “水の底”……

 心の深層……

 そなたらの心が揺れれば……

 水は濁る……

 揺れなければ……

 道は開かれる……』


リリアは震えた声で言った。


「なんか……

 怖い……

 水が……

 心に触れてくる……」


カイルは水の流れを観察しながら言った。


「これは……

 “心の波紋”……

 私たちの感情が……

 そのまま水に反映されている……!」


セイルは静かに言った。


「心が揺れれば……

 水も揺れる。

 心が沈めば……

 水も沈む。

 ここでは……

 心がすべてだ」


エルミナは祈るように言った。


「……どうか……

 心が乱れませんように……

 水は……

 揺れを増幅させます……」


シアは前方を見つめた。


「来るよ……

 “水の守人”が」


その瞬間──

水が渦を巻き、

湖の底に“影”が立ち上がった。


---


◆ ◆ ◆


◆ 水の守人、現る


水の影は、

人の形をしていた。


だが、

その輪郭は揺れ、

水そのものが形を保っているようだった。


ユウトは息を呑んだ。


「おばちゃん……

 あれ……

 人みたいやけど……

 水でできとる……」


ミラは静かに言った。


『……あれは……

 “水の守人”……

 水の道標を守る存在……

 心の深層に触れた者だけが……

 対峙できる……』


リリアは震えた。


「じゃあ……

 あれを倒さないと……

 道標は手に入らないの……?」


カザミは首を振った。


「倒すんじゃないよ。

 “心を見せる”んだ。

 水の守人は……

 心の深さを試す存在だから」


カイルは驚いた。


「戦うのではなく……

 心を見せる……?」


セイルは頷いた。


「水は……

 “心の真実”を求める。

 偽りがあれば……

 水は濁る。

 真実なら……

 水は澄む」


エルミナは祈るように言った。


「……どうか……

 心が揺れませんように……」


シアはトモエに向き直った。


「トモエ。

 あなたの影……

 “守護の影”は水に弱い。

 でも……

 あなたの心は強い。

 それを見せるんだ」


トモエは深呼吸した。


「よし……

 行くで」


---


◆ ◆ ◆


◆ 水の守人との対峙


水の守人は、

ゆっくりとトモエに近づいた。


その動きは静かで、

しかし圧倒的な存在感があった。


ユウトは叫んだ。


「おばちゃん!!

 気ぃつけて!!

 あいつ……

 なんか……

 怖い……!」


トモエは手を上げてユウトを制した。


「大丈夫や。

 これは……

 戦いやない。

 心の勝負や」


水の守人は、

透き通った声で言った。


『……心を……

 見せよ……』


トモエは胸に手を当てた。


「うちは……

 誰かを守りたい。

 でも……

 守れへんかもしれんって……

 怖いんや……

 それでも……

 守りたいんや……

 それが……

 うちの心や」


水の守人は揺れた。


『……恐れ……

 優しさ……

 深さ……

 揺れ……

 すべて……

 見えた……』


湖の水が静まり返る。


リリアは息を呑んだ。


「水が……

 澄んでいく……!」


カイルは驚いた。


「これは……

 “心が認められた”証……!」


セイルは静かに言った。


「トモエの心は……

 揺れながらも……

 深く澄んでいる」


エルミナは涙をこぼした。


「……なんて……

 美しい心……」


シアは微笑んだ。


「トモエ。

 あなたは……

 水に認められた」


水の守人は、

ゆっくりと手を差し出した。


その手の中には──

青く輝く小さな宝珠。


ミラが言った。


『……それが……

 “水の道標”……

 心の深さを示す証……』


トモエは宝珠を受け取った。


「ありがとう……

 水の守人……」


水の守人は静かに消えていった。


---


◆ ◆ ◆


◆ 湖の底からの帰還


湖の水が光り、

一行の身体が浮かび上がっていく。


ユウトは胸に手を当てた。


「おばちゃん……

 うち……

 なんか……

 心が軽くなった気がする……」


トモエは微笑んだ。


「うちもや。

 水に心を見せたからな」


ミラは静かに言った。


『……水の試練は終わった……

 そなたらは……

 心の深さを示した……

 次の道へ進むがよい……』


湖面が開き、

一行は水鏡の湖の岸へ戻った。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。


第202話では、水鏡の湖の底で“水の守人”との対峙が描かれました。


今回のポイントは、


• 水の守人は“戦う相手”ではなく“心を試す存在”

• トモエの心の深さが認められ、水の道標を獲得

• 一行が水鏡の湖の底から帰還し、次の章へ進む準備が整う



という、水鏡の湖編の核心となる重要な回でした。


次回、第203話では

水鏡の湖を後にし、次の道標の手がかりを求めて新たな土地へ向かう回

が描かれます。


これからも、おばちゃんとユウトの物語を

どうぞよろしくお願いいたします。

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