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 こういう、デコレーションケーキを見たことがない人たちにとっては、インパクトが大きいだろうから、お店をやる上でこれも一つの『売り』になるだろうなと、双子の反応を見ながら口元がゆるんだ。



「デコレーションが好評で良かったわ。味はどうかしら?」


「おいしいですっ!」


「見た目だけじゃなくて、味もばつぐんです!」



 試食してくれた双子には好評だし、自分で食べても納得できる味と見た目だと思ったので、販売する商品については問題ないだろう。こうなると後は具体的に店舗運営をするに当たって、従業員の質が求められる。



「ルル、ララ」


「はい!」


「なんでしょうか。セリナお嬢様?」


「お店を始めると、私は基本的に厨房でケーキを作るから、二人には店頭で接客や販売を担当してもらいたいんだけど……」


「はい! もちろんです!」


「接客や販売、がんばります!」


 ルルとララは当然といった顔で、すでに店舗の接客販売に取り組む気、満々だったようだ。


「ありがとう。助かるわ……。私もケーキ作りが一段落したら極力、店頭に出るようにしたいと思うけど、ずっと店頭にいられる訳じゃないと思うし、どうしても二人の力が必要になると思うから……」


「だいじょうぶです!」


「おまかせ下さい! セリナお嬢様!」


「本当にありがとうね……。所でルルとララが店頭で接客するとなると、基本的な接客対応を覚えておいて欲しいの」


「接客対応?」


「まぁ、二人はメイドとして仕事をしてる訳だし……。お客様に対して失礼な事とかは、まず無いとは思うんだけど……。販売員の心得みたいなのを、ふまえた上で接客に当たってほしいの」


「はい!」


「わかりました!」


 猫耳をピンと立てて、元気よく答える双子に微笑しながら、私は深くうなずいた。


「うん。じゃあ、販売員として働くにあたって大事なことって何だと思う?」


「えーと……」


「笑顔で接客することですか?」


 薄紅色の小さなくちびるに指を当てて考え込み、答えを出したララにやわらかく目を細める。


「そうね。笑顔で接客することは大事だわ」


「やっぱり!」


「そうですよね!」


 正解の答えを言えたと双子は無邪気に喜んでいる。しかし、そこで満足してもらってはいけない。


「そういう基本的なことはね……。ルルとララなら今までメイドとして、やってきたんだから問題なくできると思うの。だから、もう一段、上の接客をしてほしいの」


「もう一段……」


「上の接客?」

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