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秘密の聖女(?)異世界でパティスリーを始めます!  作者: 中野莉央
グレイ不動産とリフォームについて
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 私は感心したが、グレイさんは何故か言いづらそうに若干、視線を泳がせた。


「ただ、何というか。気むずかしい所がある人なのです」


「ああ……。職人さんってそういう人、多いらしいですよね」


 腕の良い職人さんで妙なこだわりがあったり、独自の美学があったりして気むずかしい人がいるというのは、私も何となく分かった。


「まぁ、ラッセル老とは特にトラブルも無く、上手くやっていたようですから、大丈夫だとは思うんですが……」


「分かりました。リフォーム工事前は必ず、魔道具屋さんのご主人に挨拶しておきます」


 職人気質のへんくつな、おじいさんを想像しながらグレイさんに答える。まぁ、そういう職人さんなら、ちゃんと礼儀正しく接していれば特に問題も無いだろうと考えた。



「ところでウチの邸宅の間取り、こちらの店頭で貼り出して下さってるんですね」


「ええ、午前中も興味を持った方が聞きにきて下さいましたよ」


「もしかして売れそうですか!?」


 期待に胸をおどらせ思わず、やや前のめりになって尋ねたが、グレイさんは申し訳なさそうに頭を振った。


「いえ。残念ながら、その方は即時入居を希望しておられましたので……」


「そうですか……。やっぱり、こういう不動産物件は入居者がいない方が売りやすいですか?」


「不動産屋としては入居者がいらっしゃらない方が、勧めやすい面はありますね……。購入希望のお客様が邸宅の見学をしたい場合に即、中を見ることも可能ですし」


「やっぱり、そうですよね」


 祖父母が残した邸宅を本気で売りに出したいなら、やはり今住んでいる私たちが退去した方が良いに決まっている。


 実際、私も空き店舗を二度、見学してから買い取り前提の賃貸契約を結んだのだから、顧客側の気持ちはよく理解できた。


「セレニテス様は邸宅の売却が決定してから、新居に移られるご予定ですか?」


「いえ、空き店舗のリフォームが終わり次第、そちらに移ろうと思います」


「ああ。確か、あの空き店舗物件は二階もありましたからね」


「はい。リフォームで居住可能にしたいと考えています」


「なるほど。リフォームが終わり次第、転居を考えてらっしゃるのでしたら、こちらとしても邸宅が即時入居可能な物件になりますので購入希望の方に勧めやすくなります」


 

 こうして私はグレイさんと話をした後、紙にリフォーム業者の名前と住所を書いてもらい、業者を紹介してもらった。


「この近辺で店舗のリフォームが出来る業者は三件です。その中でウチが利用している所は一番最初に書いた、ここです」


「ありがとうございます! 助かります!」


「リフォーム業者も見積もりだけならタダですから、三店舗で簡単に見積もりしてもらってから、どこに頼むか決めても良いかと思います」

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