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「じゃあ、私はお茶の用意をします!」
「私はお皿を運びますね!」
ダイニングテーブルの上が片づけられ木製テーブルの表面をぬれた布巾で噴いた後、ルルは白磁器のティーカップにお茶を入れ、ララは調理場からパンケーキ・プレートを運んでくれた。
「セリナ様、他に必要な物はありますか?」
「ああ、じゃあパンケーキはジャムかハチミツをお好みで付けて欲しいから、ジャムとハチミツも出してくれる?」
「了解です!」
こうして木製テーブルの上にキツネ色に焼けたパンケーキとウィンナー、スクランブルエッグが乗った白磁器の皿と熱い湯気を立てるティーカップ。そして自家製のブルーベリージャムやハチミツの入ったガラスビンなどが並べられた。
「うわぁ! 美味しそうですね!」
「じゃあ、準備できたから遠慮なく召し上がって」
「いただきまーす!」
双子がそろって声を上げたのを皮切りに、レイチェルが銀色に光るカトラリーを手に取った。両手に持ったフォークとナイフで、キツネ色のパンケーキを一口大に切り分けようとナイフの切っ先をパンケーキに刺し入れれば、その柔らかさにレイチェルは目を見開いた。
そして、黄金色の溶かしバターがたっぷりとかかったパンケーキを口に運んでレイチェルはまぶたを閉じる。幸せそうな表情でパンケーキを味わったと思った次の瞬間、再び瞳を見開いた。
「すごい! ふわふわのパンケーキが口の中で溶けました!」
「うん。ふわふわパンケーキを作ったから。これは出来たてじゃないといけないから、ケーキみたいに店頭には置けないのよねぇ」
「セリナさん! 一体どうやってこんな、ふわっふわのパンケーキを作ったんですか!? しかも、片手がふさがってる状態で作ったんですよね!?」
レイチェルは食い気味に尋ねてきたが、作り方と言っても材料はそれほど変わったものを使用してるわけじゃない。強いて言えば混ぜるときに風魔法を使って思い切りメレンゲ状にした生地を焼いてるくらいだ。しかし、思えば双子にすら説明していないことをレイチェルに話すことはためらわれた。
「うーん。まぁ、企業秘密ってことで……」
「あ、そうですよね……。セリナさんは人気のパティスリーを経営してるんだから、これはとっておきのレシピで作ったんですね。それにしても、やっぱり一流の職人さんの作る料理は違いますね!」
「あはは、ありがとう。気に入ってもらえて良かったわ。レイチェル、パンケーキは甘くするならハチミツかジャムをつけると良いわよ。もちろん、付け合わせのウィンナーやスクランブルエッグと一緒に食べても良いけど」
「わぁ! 迷いますね!」
どちらかと言えばひかえめなタイプという印象のレイチェルだったが、ほおを上気させて瞳を輝かせながら興奮気味に視線をさ迷わせている。結局、レイチェルはジャムもハチミツも両方試してパンケーキ・プレートをぺろりと平らげた。




