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 国王陛下から鋭い質問を浴びせられた赤髪の伯爵令嬢フローラは一瞬、虚を衝かれた顔をした後、紅玉色の瞳をせわしなく動かした。


「えっ、その……。身内が後宮にいる側女なら、私がレオン様の婚約者になった時点で必ず話す筈ですから、私が聞いていないということは私が実家に居ない間に雇われたメイドだと思ったのです」


「ふむ、そうか」


「ええ」


「念の為に調べさせた所、フルオライト伯爵家は同時期に似た容姿の娘を複数人、メイドとして雇っては短期間で解雇した。そして解雇した直後に全員が不審な死を遂げたそうだが、この件についても心当たりは無いか?」


「……私には全く分かりませんわ」


 完全に表情を消した伯爵令嬢フローラに金髪の国王もこれ以上、追及したところでフローラが何かを話すとは思えなかったのだろう。少しまぶたを閉じて小さく頷いた。


「なるほど。それでは最後にもう一つ……。そこに居る亜麻色の髪の娘は後宮の側女なのだが、寵姫ローザの部屋が火事になった日、寵姫の部屋からフルオライト伯爵令嬢が出て来るのを目撃したそうだ」


「えっ」


「後で寵姫ローザの部屋から火の手が上がったと知り、誰かに話すべきか悩んだそうだが身内である妹がフルオライト伯爵家に雇われたこともあって、今まで誰にも話せなかったそうだ」


「何で今さら! そんな証言は、その側女のでっちあげですわ!」


 激高した赤髪の伯爵令嬢が、亜麻色の髪の側女を非難したが周囲で事の経緯を見ていた重臣たちや伯爵令嬢フローラ寄りと見られていたリオネーラ王太后ですら、フローラの言い分を信用できないようで眉を潜めている。そんなギャラリーたちの雰囲気を見渡した上でレオン国王は、亜麻色の髪の側女に視線を向けた。


「フルオライト伯爵令嬢が寵姫の部屋から出てきた時、伯爵令嬢が手にサファイアの首飾りを持っていたことも目撃したそうだな?」


「はい。伯爵令嬢フローラ様は大粒のサファイアがはめ込まれた首飾りを手に持って慌てて寵妃ローザの部屋から出て行きました。当時は後宮の一角で火事が起こったと聞き、私も現場に行く途中でしたので慌てておりましたが鮮やかな赤い髪は、間違いなく伯爵令嬢フローラ様で」


「ウソよっ! その側女は証言を捏造しているわ!」


 声を荒げる伯爵令嬢を冷たい目で一瞥した金髪の国王は、黒髪の女官長に視線を向けた。


「側女たちには、サファイアの首飾り探索について伏せていたのだったな女官長?」


「はい。寵姫ローザ様が何者かに襲われ、火事に巻き込まれて意識を失っていた時に盗難されたと見られていたサファイアの首飾りは、後宮で私直属の女官や侍女らと探索を始めた直後に伯爵令嬢フローラ様が所持しているのが判明いたしましたし、伯爵令嬢フローラ様は廊下に落ちていた首飾りを拾ったと主張されていました。当時、リオネーラ王太后様に大ごとにしないようにと指示されていたのもありまして、側女たちに首飾りの件は伝えておりません」


「つまり、その側女がサファイアの首飾りの件を捏造することは出来ない。実際に目にしていた事だからこそ話せるのだ」

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