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 解決させるとは、どういう事だろうかと小首をかしげたけれど金髪の国王陛下はそれ以上、説明しようとは思わなかったようで、皿の上にあったくるみとレーズンのはちみつケーキを全て平らげると、白磁器のティーカップを傾けてノドを潤し満足そうにしていた。


 私が、女王の部屋を出たいと言っても警備面から陛下が許可を下さらないし、解決させるという陛下のお言葉を信じるしか出来ないようだ。その夜はいつものようにレオン陛下と晩餐の席を共にした私は結局、女王の部屋で過ごして寝室で眠った。そして翌日、やはり陛下と朝食の席を共にする。そんな日々が数日続いた。



 そしてある朝、その日は窓から空を見上げるとやや曇り気味で雨が降りそうな空模様だった。もっとも、王宮で生活していれば室内にいる限り、雨でもあまり関係は無い。


 いつものように陛下と共に朝食の席に着く。レオン陛下の横で長髪を後ろで一括りにしたトーランスという名前の切れ長の目をした侍従が、今日の公務について予定が書かれた紙を読み上げるのを聞きながら、白磁器のカップになみなみと注がれたブイヨンのスープを飲む。


 じっくり煮込まれた野菜や肉の味わいが口の中に広がり温かなスープが空っぽの胃袋を満たして私はホッと息を吐いた。そして、新鮮な緑色の葉野菜の上にスライスした牛肉が盛られ、美味しそうなソースがかかっている皿を前にした陛下が、銀のカトラリーを手にした瞬間だった。


 金髪の国王陛下が右手に取ったカトラリーは、するりと陛下の手から落ちてテーブルの角で高い音を立てて跳ねた後、白大理石の床に落ちて、くるくると円を描くように回った。


 控えていた召使いが、すかさず陛下の落としたカトラリーを拾ったが、金髪の国王陛下は不思議そうに自身の右手を見つめていた。


「レオン陛下?」


「ああ、すまん。どうやら疲れているようだな……」


「連日、ご公務でお忙しいですもの。無理もないですわ」


「そうだな……」


 私の言葉に頷いた陛下は、気を取りなおして別のカトラリーを左手で持つと葉野菜の上に盛られている肉を胃袋におさめていった。その様子を見て、気になりながらも私は朝食のパンとチーズを頂いた。


 そして、食事が終わり金髪の国王陛下が椅子から立ち上がって歩き出したと思った瞬間、レオン陛下は足元がフラつきヒザから崩れ落ちた。


「陛下!?」


「どうなさったのですか?」


 私や侍従が白大理石の床に倒れ込んだレオン陛下に、何事かと駆け寄ると金髪の国王陛下は唖然とした様子で自分の脚を見つめている。


「脚が……。動かぬ」


「えっ!?」


「医師を呼べ! 早く!」


 侍従が声を上げ、召使いが医師を呼びに行くと共に念の為、国王が倒れた現場はそのままの状態にされ、金髪の国王陛下は寝室へと運ばれた。

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