24話
あけましておめでとうございます
これからも無欠外道を宜しくお願い致します
副会長か学祭あるからねー、と言われて半月が過ぎた頃
学園祭の準備が始まり学園内はそれなりにいい意味で騒がしくなり、ワイワイと全校生徒は楽しんでいた
勿論うちのクラスも参加する訳で、俺も準備を楽しんでるうちの一人である
キャラでもないって?余計なお世話だ
俺だってなぁ、やる時はやるんだよ
喫茶店をやるっていうから試食に付き合ってるんだよ、決して食べることが目的じゃあ無いんだぜ?
おい何だよその目は
勿論ほかの準備だって手伝ってるさ
そんな訳で今日も意気揚々と教室へ向かう、扉を開けて中へ……と、教室の中で知らない女の人が転がっていた
「おい、誰かあの人知ってる奴いないのか?」
「知らねえよ、俺だって初めて見たよ」
教室の入口から見ていると後ろからそんな声が聞こえた
周りにいた三年生たちも誰だか分からない様子だな、泥棒か不審者か何か?でもそしたら速攻でオーヴェンさん辺りに駆逐されると思うんだが
と、委員長が来た
「どうしたお前ら、教室を覗き込んで」
「ああいい所に来ましたね委員長、何か知らない人がいるんですが」
「ん?何処だ?」
委員長ご見えるように入口から捌ける、そして教室を覗き込む委員長
すると少し嫌そうな顔をしてから
「………何故貴女がここに居るんですかね、ウェルス先輩」
あれから時間か少し経ち、ホームルームになった
ツツジ先生も到着
「あー実は…というかもう既に知ってるだろうが、今日このクラスにOBの来客がいる…ほれ、自己紹介」
「はーい、私はウェルスっていいまーす…えーと、まあ趣味とかは伏せておいて…みんな気軽に話しかけてね」
黒っぽい紫色の髪を腰辺りまで伸ばしている、背は割と高め…そしてソフィアさんに引けを取らないくらいに綺麗な人だな
あと何その趣味を伏せるって、めっちゃ気になるんだけど
まあいいや、今度聞いてみようかな
「一応、儂の教え子なんだが……何しに来たんだ全く、仕事はどうした?」
「そんな嫌そうな顔しないでよ先生ー、一段落ついて暇になったから可愛い後輩達の顔を見に来たんだよ」
パチッと可愛らしくウィンクをする
わーすっごーい、あんなあざとい人初めて見たよ
「はぁ、そうか……来たからにはある程度手伝ってもらうぞ」
「もっちろーん!」
「ああ、あと一つお前らに連絡だ…諸事情で今日は実技を午前にする事となったから、準備して実技室へ向かえ」
それをもってホームルームは終了した
初っ端から実技だから移動しないとなぁ、そんなことを思いながらバカップルと駄弁していると…OBさんが俺の方へやって来た
あれ?この人と面識は全く無いんだけどなぁ
「ねえねえ、もしかして君がディラン君?」
「え、あ…まあそうですが、何故俺のことを?」
「やっぱりそうなんだ!実はねー、私がやってる仕事で何度か君のお父さんにお世話になってね…度々君の事を聞かせてもらってたんだよ」
へぇ、あの親父と仕事を……それは何ともまあ面白い人だ
一瞬でこの人への好感度が急激に上がったな
理由?そりゃあ、あの親父と同じ事をしてるって事はさぁ……まあ、また今度話すよ
「それはそれは、寧ろうちの親父が何かご迷惑を掛けてませんか?」
「全然無いよ!」
それからは移動の時間ギリギリまで親父の話を聞かせてもらった、まあ…何か元気にやってるっぽいから良かったわ
そしてOBさん、基ウェルスさんに模擬戦をしないかと誘われた
勿論即答でOKを出した
という事で移動しました、最近出番の無かった皆大好き仮想空間ですよ
ソフィアさんの時とは違い周りに人がいる仮想空間で模擬戦をする
まあ、前とは違って俺が扱きまくった奴らだから避難する必要はないと思うし…問題ないよな
「ディラン君準備できたー?」
「いつでも大丈夫ですよ」
「よーし、じゃあ先輩の力見せちゃうよー」
てな訳で先手必勝
「久方振りの『重力転換・重力蹴り』」
「ほほー、重力を操るのね…じゃあこれでどうかな」
「おう?……どういう事だこれ」
重力を思いっ切りウェルスさんへかけているにも関わらず、俺の体は空中で静止したままなのだ
この人…どんな異能を持ってやがる
「ふふーん、その顔は私の異能がどんなのか知りたい顔だねー?」
「当たりです…それで、教えてくれるんですか?」
「勿論いいよ、私の異能は『粒子固定化』…名前の通り、粒子をその場に固定する能力さ」
「詰まり俺は今、空気に糊付けされてるってことですか」
「まあ簡単に言えばそうだね、難しく言うなら空気の粒子と君を1列として固定したってところだね」
「そりゃ凄い、じゃあ次はこれだな…『重力弾』」
当たると弾ける重力爆弾を飛ばす、俺が動けなくても重力は動かせるんでな
まあ軽々とジャンプで避けられましたがね、そのお陰か身体の拘束が解けた
「成程、そんな使い方もあるのね」
「モノは考え様、思考や想像力とは武器になる…考えを放棄した者から喰われていく…と、親父に教わりまして」
「ふふ、やっぱり君も中々面白いね!」
「そいつはどうも」
と、地面を殴り瓦礫を浮かす……いや貴女、華奢な体のどこにそんな馬鹿力秘めてるの?怖いんだけど
浮かせた瓦礫を剣のような形に固定する
「『粒子固定剣』、じゃあ私もその教えに習うとしようかな」
「それよか、地面を殴って抉るところに驚いてるんですが…」
「異能者たる者、己の能力だけに頼るな…じゃなかったかな?」
「ははっ、さっきのお返しですかな」
「まあそんなところかな、じゃあいくよ」
剣を横に一薙、拳で殴るが砕ける様子がない
岩の粒子も固定してこの世で最も硬い物体を作ったのか、こいつはスゲェや
てバックステッで一旦距離を取ってから…
「『重力転換・加速』」
「うわ速っ!」
直角的な切り返しで位置を特定されないように超高速でウェルスさんへ近づく
恐らく粒子の固定化は己が認識したところにだけ発動する、ならば捉えられないようなスピードで移動すれば俺が拘束されることはない
「発動条件に気付いた様だけど、まだまだ読みが甘いよー?」
「へ?…痛っ!?」
何か物凄くえげつない程硬い壁に当たった感触がした…成程、そう言うことか
「気付いた?空気の粒子を列として固定、絶対無敵の防御壁の完成さ…名付けて『粒子の盾』」
「こいつは、また凄いものを…」
「さあどうする?これの突破口は君の目に見えてるかな?」
この人が操るのは『粒子の固定化』…対して俺は『重力』、この違いは圧倒的だな
粒子を固定してしまえばそこから動くことは決してない、だから俺の様に重力や物理的に相手を攻撃する異能は完全にこの人が天敵である
重力だろうと何だろうと、結局は粒子を動かしてるに過ぎない…詰まりそれを固定されてしまってはどうしようもない
だが一つ訂正しよう、固定された粒子は……壊れる迄、決して動くことは無いのだ
粒子を消し飛ばしてしまえば列は崩れる、よってそこに穴が出来る…そこを突けばいいのだ
「て事で『重力転換・鋭利化』」
「およ?何をする気なのかな…」
重力を矛先よりも細く、鋭利な物へと形状を変化させえげつない量に飛ばす
どのくらい細いがと言うと、粒子を突き刺せるレベルで細くしてる
そして何度も何度も突き、砕き…粒子を破壊していく
「さあウェルスさん、覚悟してもらいますよ」
「は、はは…まさか…いやそんな、まさか」
「俺が何をしているか……理解出来ましたか?」
「ま、まさかとは思うけど……粒子を跡形も無く壊してる?」
「ご名答、大正解です」
「う、嘘でしょ…」
「ほら、穴が開きましたよ」
その言葉と同時に一瞬の隙を見逃さずに穴へ潜り込む、そしてトップスピードで高速接近からの…
「『重力転換・重力蹴り』」
「ぐ!?」
鳩尾へ蹴りをブチかますと物凄い勢いで後方へとぶっ飛んでいくウェルスさん、まあ少し手加減したし…ここ仮想空間だし大丈夫だよね
てかよくよく周り見てみると被害すごいな、皆端の方に避けちゃってるよ
おっと、ウェルスさんが起き上がりこちらへ来た
「く〜負けた!強いねディラン君」
「まあ伊達にあの親父に扱かれてませんからね、というかウェルスさんの異能中々に興味が湧きます」
「お、そう思うかい?これを使うと固定してる相手にやりたい放題なんだよ」
「それは実に興味深い、確かにやりたい放題ですね」
「固定道具要らずで何処でも尋問&拷問が簡単お手軽に出来ちゃうのさ」
「え、何ですかそれ滅茶苦茶羨ましいんですがその異能」
「君だってやろうと思えばできるだろ?重力で固定」
「出来ますが集中しなきゃいけないので、相手の表情や悲鳴に集中出来ないんですよ」
「あーそれは大分問題だね、そうなると私の異能が便利か…」
「コホン…そろそろいいですか?」
おっと、怖い先輩にストップをかけられてしまった
ここら辺で退散するとしますか
模擬戦の後、ウェルスさんに呼ばれたので学園長室へ向かった
中には勿論の事ながらオーヴェンさんとウェルスさんが待っていた
「やっほーディラン君」
「早速君達は仲良くなったのか、まあそんな事だろうとは思ったけどね」
「色々噛み合う話があったんだよねー、そう言うオーヴェンさんだってそうでしょ?」
「まあ、そうだけどね」
「そう言えばウェルスさんの仕事って何なんですか?」
「あー、私の仕事はね…簡単に言えばハンター的なものだよ」
大方予想はついてたけどね、先ず親父に世話になった…って、時点でそういう関係の仕事だろうと考えはつく
そしてこの職業をしている者の殆どは…
「魔物でも人でも何でもござれの何でも狩屋だよ、特に人が相手の時が一番楽しいけどね」
皆ドSと認識してもらって構わない
「確か親父はその職業、『狩人』とか言ってましたよ」
「大体はその名称で呼ばれるけど、ちゃんとしたモノって無いんだよねー」
『狩人』…この名称はうちの親父が勝手に命名し、いつの間にか広まっていたものである
本当の名称など無く、唯単に組織だけが存在している
主な仕事内容はウェルスさんの言った通り、魔物だろうが人間だろうが依頼があれば速攻で片付ける言わば掃除屋である
ちなみにうちの親父はここのお偉いさんらしい
それから少しウェルスさん達と喋りーの
「あ、俺はそろそろクラスの方で仕事があるんで」
「そうかい、じゃあまた今度だね…学園祭は楽しみにしてるよ」
「私も一緒に行くね」
という事で二人揃って教室へ行きました




