MISSION4 奪還 〜星の瞬く夜に〜
ロングイ達とTEAM JAMは白い壁の外へ向かう
元政府とマフィアの幹部達を縛り上げて連れて行く
タマは兄の前で倒れた、YUIはタマの治療を試みるが死んでる者には出来なかった、悲しい顔をするYUIにロングイがお礼を言ってタマをおんぶをしながら歩く
「おんぶ2度目だね」
「覚えてねぇだろ」
青い顔しながら笑顔でタマが言うとそっけなくロングイが返す、でもロングイの顔は泣きそうな顔をしていた
TEAM JAMは見ないフリをした
トキ王子はロングイの後をオロオロとしながら着いていく
タマが産まれた時、国は動乱の時期だった
元政府の者達が宮殿を狙い攻めて来ている
臨月のナナ王妃は付き人と共に裏手からにげる
パン!パン!
背後の宮殿の方からは乾いた発砲音が止まずに聞こえる 王は裏手からナナ王妃を逃がすためわざと正門前へ出て囮になり戦っていた
大きな声で両手を上げ的になる様に
闇に紛れ宮殿外へ出るとナナ王妃の様子が変わる
足元へジャバジャバと破水しはじめた
付き人は驚きナナ王妃をかかえ様とするがナナ王妃は付き人の身を案じて 自分を置いて逃げる様に指示をする
付き人はそんな事は出来ないと突っぱねるが
自身より国民が傷つく事が1番辛いと必死に説得をする
付き人はナナ王妃の心意気に涙する
腰を落とし立てない状況下で破水した水が足元に貯る
付き人は足早にその場を去った
これで良い 王に嫁いで国を再建するのだからこの身は二の次で良い
申し訳なく思うのはお腹の子、不出来な母で本当に申し訳無いと呟き地へゆっくりと身体を倒した
虚ろに霞む目の前
ぼやける視界に付き人が走って戻って来た
「バカ者…」
ナナ王妃は小さな声で言う
「お願いします、この方を助けてください!」
付き人は宮殿そばにいた人達を連れてきた
5人の男女が現れる
ナナ王妃の状況を見て
「こりゃ急がないと!!」
少し派手な初老の女が上着をナナ王妃へかけた
ナナ王妃は痛みを耐えて気を張っていたが女の上着の暖かさが解るとそのまま気を失った
「ロングイ!そのお嬢さんを運ぶんだ」
細身の老人がロングイの腕を引っ張ってナナ王妃へと向かわせる
「そっとだよ!そっと」
女がロングイへバタバタと言う
「大丈夫だよ!俺を誰だと思ってんだよ!愛の男だぞ!」
ロングイはナナ王妃をおぶると光を放ち背中に甲羅が出て来て体を大きくさせ亀になる
ナナ王妃は大きなベッドに居る形になった
目を丸くして付き人が腰を抜かした
「ホッホホ!少々刺激が強かったかな」
髭老人が付き人が倒れたのに笑う
この出会いは本当に偶然だった
宮殿襲撃の話を聞き様子を見に来ていたのは
グラニーテルファミリーの幹部達
髭の老人は ファーザー青龍
初老の女は 鳳姉
その隣には無口な老人 凰爺
付き人に話しかけられた細身の老人 麒麟爺
そしてロングイ(龍亀)
「亀なのに顔が龍だから驚いたんだろ」
麒麟爺が笑いながら付き人をロングイの背中へ乗せる
「驚いてんのはそこじゃねーよ」
ロングイは小さく突っ込む
ロンが体を伸ばし光の柱の様に黄金色に発光するとロングイの周りをグルリと囲み包む
落下防止と風除けになる
鳳凰夫妻は鳥となりロンを掴み空へと浮かす
最短距離で行ける
そこへ麒麟爺が強靭な脚を使い下からロングイ達を突き上げた
スピードアップだ
この夜、宮殿から光が空へと舞う 澄んだ星空へと向って 星の瞬く夜にナナ王妃とお腹のタマと付き人を連れて戦場を逃れた
旧政府軍は戦いに夢中で光の存在に気付いてない
宮殿まで攻めて来れた事 後少しで国を取れると言う欲に目が眩んでいた
戦いながら王はその光を確認する
「あの光は…」
ニヤリと王は笑った
グラニーテルファミリーと王は面識があった
ナカバナから流れてきたファーザー ロンを快く受け入れたのは王だから
マフィアと言う事だけでは無く正体も知っている、光を見た時ナナ王妃の無事を確信した
王は兵を気遣い、国民を巻き込まぬように野次馬を気にしながら立ち位置を変えて戦っている
欲と愛では格が違う
この差は大きく旧政府軍が宮殿内へ進むことは無かった
王は澄んだ夜空に公私共に勝利した
ーグラニーテル本部ー
「ンギャァ オンギャァ!」
真夜中に産声が響いた
鳳姉が女の子を取り上げた
部屋の外では一段落した王とマフィア達が待機
誰が父親かわからないくら皆いソワソワしていた
産声に笑みを浮かべ手を叩くマフィア達
王は笑顔に涙を浮かべて部屋へと飛び込む
タマの誕生である
ただ、破水し動乱の中で産まれたタマは元気では無かった
その後病院へ移り、タマは病弱ながらも育つ僅かな幸せの日々を過ごすのだ
タマが2歳になる頃、国も王が納め落ち着きシックススーワンの新たなる歴史が始まった
国民の生活も軍事政権時とは違い皆心から笑う時が来た
国を上げての祭りが開催され王族のパレードが始まる
沢山の人混みにグラニーテルファミリーが路地端で王家4人を見て笑顔を浮かべる
「元気そうでなによりじゃ」
鳳姉は目を潤ませナナ王妃に抱かれたタマを観た
「これで良いだろ、行こうぜ」
ロングイは背を向け歩き出す
「本当は嬉しくてもっと見たいくせに」
麒麟爺がイタズラ顔でロングイの背中へ話かける
名残り惜しむ様な鳳姉に凰爺がポンと肩を叩く、5人は王家が前を通る時全員背を向けた
王族とマフィアが繋がっては行けない
だから出しゃばらず隅で見守るのが流儀
そう言ってファーザーロンは幹部達と路地裏へと消えて行く
翌日ー
グラニーテル本部へ来客が来た
決して派手な服は着ていないが、気品を持った綺麗な姿に白服達の鼻の下が伸びる
幹部達を呼びに行く白服も心なし楽しそうだった
幹部5人が会いに行くとそこには ナナ王妃がタマを抱いて付き人と頭を下げていた
王族がマフィアに頭を下げて本部迄来る
国民に知れたら問題になると幹部は隠すように中へ通した
ナナ王妃はちゃんとまだお礼が言えてない事を気にしてやってきた
パレードに5人が来ていたことも見ており、王家2人の命の恩人だと感謝の気持ちを述べる
タマを見てデレデレとする鳳凰夫妻と麒麟爺
しかしタマは泣きそうな顔になる
それをロングイは楽しそうにからかい笑った
タマはロングイのその姿をテレビでも観てるかのように見入っている
ロングイはタマの視線を感じて照れくさそうに視線を反らすとタマは笑いながらロングイへかけよる
つまらなさそうに見る鳳姉を凰爺がなぐさめる
タマはやたらロングイになついていた
子供は苦手だとナナ王妃に返そうとするが離れない
ナナ王妃と幹部に笑みがこぼれた
楽しい時間はあっと言う間に終わる
正門まで見送るグラニーテルファミリー
タマはロングイにおぶさり寝ていた
警戒していたはずなのに、この事が後日事件になる
ニュースペーパー最上部
王族マフィアとの癒着
王妃の娘はマフィアの子!!
メディアが一面のニュースとして取り上げた、これが国中へ広まり他のメディアも取り上げ国は騒然となる
落ち着いたとはいえまだ独裁政権の恐怖は残っているから暴力的な連想を持つ話には敏感だった
国民は王族への不信感がつのる
外交も警戒され始めた
王族の歯車がズレ始めた
ナナ王妃は必死に弁明するも、話が沈下して特ダネがなくなるのを嫌がったメディアはナナ王妃の弁明をニュースにはしなかった
宮殿前には人だかりが出来て
抗議活動が始まった
"偽りの王族" "黒い国家"
プラカードを振って叫んでいる
なかばお祭りの様に国民が騒いでいた
落ち込むナナ王妃に王が笑って言う
「観てみろ!皆国の為に元気ではないか!前の独裁政権では文句も言えず暗かったのが皆イキイキしておるぞ!」
抗議活動を楽しむように見る王に責任を感じていたナナ王妃が少しだけ気持ちを楽にした
"必要悪も有り"なんだと
ロングイは裏で動いていた
記事にした記者を探し訂正を大きく書かせようとしていたのだ
しかし記者は国外へ逃亡
ロングイはやり場の無い怒りに震えた
執念で記事の事を追うロングイが真実を耳にした
絵を描いていたのは元政府と当時勢力を持っていたマフィアだった
ボロボロの新聞社の社長は泣きながら謝罪して訂正を誓った
グラニーテルファミリーは今回の騒動で王族から距離を持つ
これ以上王家の評判を落とさぬようにと誓う
絵を描いていたマフィアをグラニーテルファミリーが1日で潰す
幹部5人が手分けして国中で暴れたのだ
シスアのマフィアとしてその名を上げ王族のニュースを鎮静させたのだ
グラニーテルファミリーは元々ナカバナ共和王国の守護隊だった
王族の統制の為に生まれた神獣達だがナカバナ統制に力を使い過ぎて昔の様な力が無い事を悔やんだ
「お前が死んだ時ファミリーみんな泣いたんだよ、ごめんなもっと力があれば救えたかも知んねぇのに」
過去を思い出し悲しい感情にロングイの歯が震えて音を出す
「十分だよ、死んだ時全部解ったから、本当にありがとう」
かすかな声で応える
「王妃に逢うまでもつか?」
「わかんない…でも…会いたいな…」
ロングイはタマの言葉でコッコへ叫んだ
「頼む!時間が無い!!この娘を母親の所迄連れてってくれ!」
必死な叫び声
勿論TEAMJAMはこれに快く応える
コッコはトクへ最速の乗り物を依頼する
トクの答えは
〈もう、準備して用意してある〉
だった
白い壁の外には エンジンのかかった車がすぐに走れる様になっている
TEAM BiSHがオペレーター マツクワへ連絡していたのだった
傷付いたTEAMBiSHがヨロヨロながらも車を用意してくれたことにコッコ達も感動した
YUIがTEAM BiSHの治療をしながら車は走り始める
3台の車が氷の街を後にした




