第36話 タライ使いの勝負
夕暮れ空。紅蓮に燃える空に青い光。
「シャイニングヴァッサー」
私は全力でタライの中に水を立て光魔法を通した。相手の顔面に向かって飛んでいく。
同じ頃、相手方も水に光を通していた。
「グローイングミズ」
向こう側の技名だ。うん。まだ、私のセンスの方がマシ。ヴァッサーもミズも意味は同じだけど、語感が違う。
やはり、相手も物理攻撃力を上げているようだ。しかし、こちらは物理攻撃力1千万倍だ。圧倒的な水圧で相手を飲み込んでいく。
「タライグラビティ」
私はタライを相手の頭上から落とす魔法を唱えた。
さすがに一千万倍の物理攻撃力を耐えるなんてことは無理だ。しかも、威力を間違えてしまった私のタライは地割れを起こしてしまった。
私は急いで回復魔法で地割れを直した。久しぶりだなぁ。地面を回復魔法で直すの。あれ、一年前だっけ?地面を割ってしまった私が地面に回復魔法かけたの。
「参りました」
サクラが言った。
「ありがとうございました。またお手合わせしましょう」
私が言った。あれ?タライ使いっているんだなぁ、っと私は思った。今更じゃん。
「あ、はい。喜んで」
サクラはそう言った。凄く嬉しそうだ。
星達が私たちを祝福しているようだ。
さて、帰ってきて食べた飯は美味しかった。やっぱり筑前煮は美味しいよ。あと、白菜の付け合わせとトンカツ。美味しいわ。
疲れた体にドスンと来るこのご飯。良いね。どっしり食べたかったんだ。今、ガッツリだと思ったでしょ。ガッツリでは足りないときもあるんだよ。
そして、布団に入ると、異次元に吸い込まれるように眠った。体がどこまでも沈んでいくようだった。




