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異世界計画  作者: 神島 葵
11/18

11 再会

 スグルは目を瞑った。

 ピチャ・・・・・・ピチャ・・・・・・。

 滴が垂れる音がする。

 スグルはさっきの攻撃のときの出血だと思った。

 目を開けた。


「どこだここ・・・・・・」


 少し歩いてみた。

 バシャバシャ。

 くるぶしくらいまで水が張っている。

 周りは木の幹のようなものに囲まれていて出口はない。

 この空間の真ん中に小さな丘がありそこに一本満開の桜の木が立っていた。

 そして、上空からは月の光が差し込んでいる。

 辺りは静まり返っていた。

 レーヌもアンもいない。もちろん、ベラハートも。

 傷すらもない。


「桜か」


 ズキン!!


「うっ!!」


 なにか頭の中をよぎった。


「なんだこれ・・・・・・」


 ズキン!ズキン!

 痛みは止まらない。

 だが、これでスグルは確信した。


「天国じゃ、なさそうだな」


 ズキン!ズキン!ズキン!

 頭の中に映像が流れ込んできている。


 桜、そしてその近くに立つ一人の女性。いや、赤ん坊を抱いている。

 場所はスグルが今いる場所のようだ。

 女性には天使の羽みたいなのが生えている。真っ白の翼だ。

 赤ん坊にもチョコンと羽が生えている。この翼は金色の光を放っていた。

 額には二カ所たんこぶのように少し膨れているところがあった。

 誰かを待っているようだ。

 空から誰か飛んできた。

 今度は翼の黒い男性だ。

 額の上の方に角が二本付いている。

 どうやら赤ん坊の父親と母親のようだ。

 何か話し合っている。

 声は聞こえないが男性の発した言葉に女性が一生懸命言い返している。

 女性は泣いていた。赤ん坊を抱きしめる力が強くなる。

 男性の方もホントはそうしたくないがそれしか方法がないって感じだ。

 女性は座り込んで泣き止まない。

 男性は空を見上げている。

 月の光で目の辺りが光っていた。

 スグルも心がザワッときた。

 女性は落ち着いてきて男性としっかり話している。

 そして、少し話していたかと思えば今度は赤ん坊に話かけ始めた。

 男性は赤ん坊の身体に触れた。

 一瞬光ったと思ったら赤ん坊から金色の翼とたんこぶが消えていた。

 見た目はどう見ても人間の赤ん坊になった。

 女性が話終わり、男性の方も少し言葉をかけると二人は赤ん坊の額に人差し指を近づけた。

 二人同時に口を開いたかと思ったら目の眩むような光を放った。

 赤ん坊はもうその場にはいなかった。


 しばらくすると男性と同じような黒い翼を持つ100人ほどの軍隊がやってきた。

 上空は黒い翼で真っ黒だ。

 男性はその軍隊に話しかける。

 しかし、軍隊は攻撃の構えをした。

 一斉に攻撃が放たれた。

 攻撃先は女性だ。

 しかし、男性が覆いかぶさるように庇った。

 男性はボロボロになりながらも女性の前に立ち守ろうとしていた。

 女性は涙を流しながら叫んでいる。

 軍隊はさっきよりも威力の大きな攻撃を放った。

 二人の姿はなかった。

 軍隊は引き返していった。


 誰もいなくなると、桜の陰から二人は現れた。

 しかし、先ほどの攻撃は直撃していたらしくボロボロだ。

 命の灯に一生懸命抗っているようだ。

 最後の力で何か話している。

 そして、しばらくして二人の命の灯は消えた。


 映像はここで終わった。


「なんなんだ、今のは」


 桜の木に手で触れた。

 辺りを見回そうとしたとき一枚の羽が落ちてきた。白い羽だ。

 気配を感じて振り向く。


 女性が立っている。

 あの映像に出てきた女性だ。


「久しぶりね、スグル」


 女性は目に涙を浮かべながら口を開いた。


「え?えっとー」


 スグルはいまいち理解ができなかった。


「・・・・・・」

「・・・・・・」


「さっきあんたは何見たのよ!!」


 いきなり怒られた。


「なんなんだよあんたわ!」


 言い返す。


「わからない?」

「・・・・・・」


 スグルはありえないが一つの答えに辿り着いていた。


「か、母さん?」


 涙を流しながら頷く。


「いかにも!私はヘレナ、あんたの母親よ」


 涙を流しながらまぶしいくらいの笑顔をしてそういった。

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