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早田音さよの超絶物語  作者: 中二病少女
第一章 私達の出会い
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魔法学校の生徒5

 ――気が付けば放課後になっていた。午後の授業が終わった――魔法の授業が聞いてあきれる。生徒は半分以上いない上に教師のたわいもない話を聞かされた。しかも、残った生徒ほとんどが先生の話を聞かずに雑談している。あげく先生もその生徒達とまじって話し込んでしまっていた。校長も教室はほとんど雑談して終わるとか言ってた気がするな。でも、ほんとに雑談だけして終わるなんて思ってもなかった。

「おい、雛井」

「な、なんですか?」

「毎日こんな感じで終わってるのか?学級崩壊してるようにしか見えないんだが……」

「学級崩壊??えっと、それはよくわからないんですけどいつもこんな感じですよ。一週間しか通っていませんけど」

「そうなのか――魔法ってどこで教えてもらうんだ?学校じゃないのか?」

「普通は中学生のころに教えてもらえるんですけど……。その後はひとりひとり自分で頑張っていくみたいな感じです。高校ではほとんど教えてもらえないと思います」

 そんな適当なのかよ!期待していたから余計にショックだ。

「私は教えてもらっても全然上達しなかったですけど……」

 少し弱気になりながら雛井が呟く。

「雛井さんはこれからだよ」

 気が付けば神奈月が近くに来ていた。こいつは本来どれくらいの魔法が使えるのだろうか?さっきの時間もずっと本読んでたし……あまり魔法うまくないのか?俺達のギルドってまともに魔法が使えるやついないんじゃないか?そんなんで大丈夫なのか……。少し不安になってくる。

「生徒会長も言ってたでしょ?私雛井さんにはすごい素質があると思うの」

 こいつは雛井を元気づけようとしてるのか?それとも本気で雛井がそんな力を持っていると思ってるのだろうか?俺から見たらこいつは優しいだけで才能があるようには見えないけど。

「俺もだぞ。雛井はこんなに優しいんだからきっとすごい魔法使いになるぞ」

「そう言ってくれると嬉しいです」

 雛井は恥ずかしそうにそう言った。

「雛井さん少しいい?ギルド室はもう決めてたりする?」

 ギルド室か。校長がそんなこと言ってたな。部室みたいなものだろうか。

「す、すみません。まだそのあたりのことは全然決めてないです。さっきギルド作るのが決まったばっかりだったので……」

「そう――ならできれば人気のない場所がいいの。それでぴったりの空き教室を見つけたからギルド室はそこにしてほしいの。二人はどこか希望でもある?」

「俺は別にどこでもいいぞ」

「私も大丈夫です」

「ならお願いするわ」



 ――――神奈月が見つけたと言う人気のない部屋に行くことになり俺と雛井と神奈月で校舎の果てのような場所までやってきたのだが……。この学校最初来た時も思ったけど無駄に広いな。本当に広すぎる。そんなに部屋が必要なのか?教室からここまでかなり時間がかかったぞ。それよりも――

「本当にこんな部屋にするのか?」

 思わず聞き返してしまう。見渡せば確かに人気はないがそれを通り越して最近人が通った気配すら感じれない。

「私はこれくらいがちょうどいいと思う」

「私も人がたくさん集まる場所よりはいいですが……」

 さすがの雛井も少し困っている様子だ。

「ここは誰も使ってなさそうだし、読書にも最適そう」

 まさかこいつ静かに読書できるからってここを選んだんじゃないだろうな?

「神奈月さんがいいなら私もここでいいと思います……」

 あんまり乗り気ではないが雛井も賛成する。雛井は頼まれたら断れないからな……。



 部屋に入ると予想とは違い部屋はそこそこ整理されていた。教室よりはかなり小さいが三人しかいない俺達にとっては十分すぎる広さだ。会議とかに使われているような長い机やイス。空っぽの本棚に校長室には負けるが座り心地の良さそうなソファー。これくらいならほこりを掃除すれば普通に使えそうだ。

「なかなか片付いてるわね。もっと汚れてるかと思ってたけど使えそうね」

「そうですね。私ももっと散らかってるのかと思ってました。ほこりをどうにかすれば普通に使えそうですね」

「なら俺らのギルド室はここで決定でオッケーってことでいいな?」

「はい!」

「悪いけど掃除は二人に任せるわ。私はちょっと用事があるからそっちに行ってくるわ。今日はもう帰ってこないと思うからここに鍵を置いとくから。それじゃまた明日」

 何言ってるんだこいつ?神奈月はそう言い残して返事を待たずにすぐさま部屋を出て行ってしまった。そして取り残されてしまった俺達。

 出合って間もないのに他人にこんな態度でいれるなんて――俺には絶対そんなことできないな。あいつ絶対に友達いないだろ。てか、友達にもそんな態度取れないぞ。

「じゃあ私たちだけで掃除しましょう」

「お、おう」

 雛井は神奈月の行動に特に疑問を持っていなさそうだ。そして、俺たちは掃除道具入れからお互い道具を取り出し掃除を開始し始めた。



 それからどれほど時間がたったのか。お互い無言で掃除をしていた。さっきまで普通に話せていたのに……。正直この空気は辛い。何か話さないといけないと思っても何を話せばいいか全然わからない。そもそも密室に男女が二人きりって――今までも二人きりだったが冷静になって考えてみると緊張してくる。

「ねぇ、神山君」

 いろいろ考えていると雛井が話しかけてくる。無言だったので気を使ってくれたのだろうか。まあ、こいつがそんな気を使えるわけがないか。

「なんだ?」

「その神山君は今ってどう思っていますか?」

「今って?」

 突然よくわからない質問をされ思わず質問に質問で返してしまう。

「ごなんなさい、変なこと聞いて。その、今この三人でギルドを作ろうとしてることについてです。私はその……とっても楽しいですよ。神山君がギルドに誘ってくれて。恥ずかしながら私は友達と呼べる人なんて多くなくて……みんなでこうやってするのがともっても楽しいです。今は二人っきりですが……。神山君はどうですか?」

 少し照れながらそう答える。

「俺は……」

 答えに悩んでしまう。はっきりいって俺はこの世界に来てからずっと帰りたいと思ってる。だけど、別にこの今の生活が楽しくないわけじゃない。授業はつまらないが雛井と一緒にいるのは楽しいし、今ではもっと一緒に居てやりたいと思う。直也は馴れ馴れしいやつだと思ってたけど結構いいやつだったし、神奈月ってやつも勘だけどいいやつだと思う。最初来た時は今すぐにでも帰りたい思っていた。でも、今はそうでもない。ずっとではないが少しくらいならここにいても思い始めている。

 それに校長の話を聞いて俺は自分がここに来た理由を知りたいと思った。自分の記憶のことを……。この世界は明らか俺の世界と無関係とは思えない……。

「どうかしましたか?あ、ごめんなさい。答えれないような質問してしまって……」

 雛井が慌てて頭を下げて謝りだした。

「すまん。ちょっと考え事してただけだ。俺もこのギルドを作ったりしてるのは楽しいと思ってる。むしろ俺の世界じゃ絶対にありえないことばっかりでスリルもあってこの世界に来てよかった――まではいかないけどそんなに嫌じゃない。まあ昨日の犬みたいな化け物とかと戦うのはもうごめんだけどな」

「そうですか……そうですよね。良かったです。私のせいで無理やりこんなことに巻き込んでしまって、本当は自分の元いた世界に早く帰りたいはずなのに……私を一緒に高校に通うことになってしまって……」

「確かに早く俺の元いた世界に帰りたいけど、それよりも自分の今の状況をもっと知りたい。なんでこの世界に来て記憶がなくなったのか。それに魔法も自分で一回くらい使ってみたいしな」

 俺は自分の思ったことを素直に言葉にした。

「神山君ならすぐ魔法使えるようになりますよ!校長先生もそう言ってましたし」

「あの校長が言っててもあんまり当てにならないけどな」

「そ、そんなことないですよ。校長先生は凄いんですよ!人前じゃ魔法使わないらしいんですけど」

「それって信用できるのかよ。案外魔法使えなかったりしてな」

「だってみんな知ってるんですよ。きっと凄い魔法使いですよ。って話しそれちゃいましたね。そろそろ掃除頑張りましょ!」

「そうだな。これからこの部屋には世話になるし、しっかり掃除するか」

「はい!」

 こうして俺らは再び掃除に戻る。今度は二人で他愛のない会話をしながら日が暮れるまで二人きりで掃除をする。こうしていると自分が別の世界に来て記憶がなくなったことを忘れてしまいそうになる……。

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