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早田音さよの超絶物語  作者: 中二病少女
第三章 私達の魔法
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休日4

「つまりそれって――いや、やっぱりいいや。そうね、神山君の言う通りかも。あんたはいずれ帰らないといけないのよね。まあ私はその方が嬉しいけどね。お姉さまを独り占めできるしね」

 人がいなくなることを嬉しいとか目の前で言われるとさすがに傷つく。

「お前って結構思ったこと言うタイプだよな?俺とか生徒会長に結構言いまくってるし」

「大丈夫よ。ちゃんと人を選んで言ってるから大丈夫よ」

「ん、美穂さん……どうして……」

 俺達が喋っているとようやく雛井が目を覚ます。良かった。顔色もさっきよりはだいぶマシになっている。

「お姉さまもう大丈夫ですか?」

「ごめんなさい、迷惑をかけてしまって。せっかくお出かけする約束をしていたのに……」

 体調が悪いせいかいつもよりも落ち込んでいるように見える。

「そんな気を落とさないでください。私は全然気にしてませんから。遊びに行くのなんていつでもできますよ。あははは」

 雛井に気を使っているのか美穂は笑いながら言った。

「そ、そのお詫びに何かできないでしょか?何でもさせてください!」

「だからそんなに気にしないでくださいって、何でもしてくれるなら……そうですねー」

 その瞬間、ゾッと悪寒が走る。こいつに何でもするって言って大丈夫なのか?

「おい――」

「早く体調を治してください。私はそれが一番うれしいですよ」

 美穂は笑顔でそう言った。…………なんかすごく恥ずかしい気持ちになってしまう。雛井のこと大切に思ってるやつがこんな状態の時に変なこと言うわけないか。

「わ、分かりました。頑張って早く治します」

「神山君。さっき作ったおかゆをお姉さまにあげて」

「お、おう」

 俺は慌てて机の上に置いてある冷めきったおかゆを渡す。

「結構作ってから時間経ってるけどいいか?温め直すか?」

「大丈夫です。神山君が作ってくれるものは全部美味しいですから」

 いつものように雛井は俺の作った料理を褒めてくれる。

「なんでこいつがお姉さまと……なんで……なんで……私だって料理くらい作ろうと思えば作れるし……」

 後ろから俺にしか聞こえないような小さな声で呪いの言葉のように囁いてくる。

「あれ?私っていつの間に着替えたんですか?」

 今頃自分が着替えさせられてることに気が付いたのか、自分の服を見ながら雛井が言った。勿論、俺は雛井を着替えさせる時は俺は部屋から出ていた。もしのぞき見なんてしたら美穂にどんな目にあわされるか。

「汗がひどかったので私が着替えさたんですけど、覚えてないですか?」

「ご、ごめんなさい。迷惑をかけました」

「神山君がお姉さまの部屋から着替えを持ってきてくれたんですよ。あ、下着は私が持ってきたから安心してください」

 結局、俺が持ってきたのはパジャマだけだ。美穂は俺に下着を持って来れるかどうか試したらしい。

「普通女の子の着替えを持ってきてなんて頼むわけないでしょ?ほんとは私がお姉さまの服や下着を見たかったけど、我慢したのよ!」

 とわけわからないこと言ってたし……。ちなみにもし下着をなんのためらいもなく持ってきていたら、ギルドのやつにあることないこと言うつもりだったと言っていた。本当かどうか分からないが、こいつマジで怖い。こんな奴にいじられる生徒会長がほんとに不憫だ。

「うぅ~~恥ずかしいです。その、二人とも私の部屋に入ったんですか?」

 雛井は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしてしまう。はぁ~こいつもっと考えて物を言えないのかよ。同性でも他人に部屋とか下着を覗かれるのって嫌だろう。

「入ったって言ってもすぐ出たぞ?ぱっとした感じ俺の部屋とあんまり変わらないと思うけどな」

 俺はつい言い訳っぽく言ってしまう。俺の部屋と違ってタンスの中は全然違ったけどな。

「私はじっくり見ました!隅から隅までしっかりと」

 そう言われて雛井はさらに顔を真っ赤にしてしまう。

「お前デリカシーなさすぎるだろ」

「そ、その……変じゃありませんでしたか?」

 もじもじしながら雛井が言った。

「大丈夫です。お姉さま、部屋に異常はありませんでしたよ!」

 異常って何の異常だよ。ツッコミどころ満載すぎるだろ。

「そうですか……良かったです」

 何が良かったか分からないが雛井も安心している。

「そ、その、美穂さん、お詫びにはならないと思うんですけど、もし良かったら夜ご飯も一緒に食べていきませんか?私が作るんじゃないですけど……」

「ぜひお願いします!こちらこそお願いしたいです!」

 美穂そう言いながら雛井に飛びつく。

「うぅ……その神山君勝手に言ってしまったけど、ご飯は大丈夫ですか?」

「ああ、今日くらいなら何とかなるぞ」

 今日明日はもう雛井には休んでてもらいたいし、俺はそう言う。明日一人でコンビニに行って適当に買い足しとくか。ご飯のことだけじゃなくて、他にも生活に必要なもの全部見たかったんだけどな。

「そろそろ飯の時間だから準備してくるな」

「もう昼ごはんですか?」

 ぽけーっとしながら雛井が言った。

「違いますよ、お姉さま。今はもう夕方ですよ」

「私そんなに寝てたんですか?全然気が付きませんでした……」

「まあ、気にするなよ。せっかくの休みなんだからしっかり休めよ」

「は、はい。そうさせてもらいます」

「じゃあ、俺はご飯作ってくるな」

「はい、楽しみにしてます」

「やったーお姉さまと二人っきりだー!大好きですー」

 そう言いがら美穂が雛井に抱きつく。

「うー苦しいですよー」

 まあ、これなら大丈夫そうだろう。こうしている二人を見てると少し心がほっとする。

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