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早田音さよの超絶物語  作者: 中二病少女
第三章 私達の魔法
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魔法の練習2

 待ちに待った本格的な魔法の練習が始まる。

「じゃあ、まずは魔法の基礎から教えるわね。基礎ができてないことには魔法なんて使えないからそのつもりでしっかり覚えてね、神山君」

「おう」

「それといい機会だから雛井さん達も私の話聞いといてね」

「「はい!」」

 この二人返事だけはいいんだよな。

「ねえーやる気満々なとこ申し訳ないんだけどさ……」

 やる気に満ち溢れている生徒会長に対して、美穂はなんかやる気があまり感じられない。こいつは生徒会長のことあまり好きじゃなさそうだし、教えてもらうのが嫌なのだろうか?

「何よ?私に教えてもらうのが不安なの?」

「そんなことありませんよ。さよ先輩は人に教えるのは物凄く上手いと思ってるんで」

 こいつがこんなこと言うなんて以外すぎる。確かに気に入らないだけで、仲良くなりたいって言ってたし、本気で嫌ってる様子はない。案外のこの二人は相性がいいのかもしれない。

「じゃあ、何よ?早く練習始めたいんだけど?」

「私、少し寝ますね……実はもうさっきから睡魔がやばくて……ふぁ~」

 そう言うと美穂はかばんから枕を取り出して草原に横になり始めた。いつも無駄にでかいかばんだなとは思っていたけど……まさか枕が入ってたからだったのか?てか、こんな場所で本気で寝るつもりなのだろうか?

「……は?ちょっとあんたなに言ってんのよ?起きなさいよ」

 生徒会長が必死に体を揺らすがすでに眠っているのか完全に無反応だ。

「先輩、美穂はそのままにしといてあげるってことはできませんか?」

「え?何言ってるの?そんなことできるわけ――」

「その……美穂からはあんまり言うなって言われてるんですけど……美穂は病気なんです」

 こいつが病気!?美穂のやつが病気って……今までの言動を見てきてそう簡単に「はいそうですか」なんて信じれない。

「は!?こいつが病気?嘘でしょ?」

 さすがの生徒会長でも直也の言うことがどうにも信じれないらしい。

「嘘じゃないですよ。原因はわけってないんですけど……」

「直也、どういうことだよ?いきなり寝だす病気ってことか?」

「本人もそう言ってたしそうだと思うよ」

「なあそれって大丈夫なのか?一人の時に道端で寝始めたらどうするんだよ?下手したら怪我したりするレベルだぞ?」

「昔一回だけあったけど、今はないよ。今は美穂が寝る時は人がいる時に寝ることが多いかな。ほとんど家とかだけど……なんでいきなりこんなことになったんだろ……いつもは人前では寝ないようにしてるはずなのに……」

 ところ構わず寝るけど寝る時はほとんど人の確率で周りに人がいて自分が寝ても大丈夫のようになっている。一体どれだけ都合のいい病気なのだろうか。でも、さすがに嘘をついてるように見えない。

「そ、その……私も一回だけ見たことあります。中学校の時のことなんですけど、公園で遊んでた時に公園のベンチで座っていたら美穂さんがいきなり寝てしまって……それから三時間くらい起きませんでした。その時は寝不足って言ってたんですけど……あれってその病気だったんですね……全然知りませんでした」

 こいつら同じ中学だったのか。まあ、これだけ仲いいし昔からの付き合いなんだろう。

「雛井さんが知らなくても無理ないよ。美穂ってよくわからないけど、あんまりこの病気については言いたがらないから。多分周りに迷惑かけたくないんだと思うよ。美穂って普段はあんなんだけど以外にしっかりしてるしね」

「……ねぇ、美穂の魔法ってどんなの使うの?あなたと一緒で水の魔法?」

「え?どうしたんですか急に?」

「え?あー……ちょっと気になたって言うか……そう!今から練習するのに必要なことなのよ」

 生徒会長は心なしかどこか慌てているように見える。

「俺と一緒で水の魔法を使いますよ」

「そうなの……とくには変なところはなさそうね……」

「後は魔力を共有してるってとこくらいですかね」

「……はい?共有?」

「共有って言っても俺の魔力が一方的に使われるだけなんですけどね。わかりやすく言うと俺が魔法を使うと自分の魔力を使って、美穂が魔法を使っても俺の魔力が使われるってことです」

「つまり美穂の魔力はないってこと?」

「その辺はよくわかんないですけど……多分そうなんじゃいですか」

 生徒会長は難しそうな表情をして考え込んでしまう。正直今の俺にはこの話を聞いてもまるで理解できない。

「なあ、長い時はどれくらい寝てるんだ?すぐに起きるのか?」

「一番長かった時はね……丸一日くらいかな」

「そんなに寝るのかよ!」

 人って寝ようと思ってそんなに寝れるものなか?顧問の先生は寝る時間が一時間未満に対してこいつは長い時で丸一日以上って……。

「そんなに寝てたら学校とか大変だろ?クエストやる時とか問題にならないか?」

「どうなんだろ……それは美穂に聞かないことにはわからないかな」

 それって本人に聞いてどうにかなる問題なか?そうは思えないけど……。

「こう言ったわけのわからない病気って魔法で治せたりしないのかよ?俺の中じゃ魔法ってそういうイメージなんだけど?」

「回復魔法とかならあるけどどうなんだろ。いきなり眠たくなって寝始めるなんて聞いたことないし、それに魔法で治せるのなんて傷が精一杯よ。なんでも病気が治ったら医者なんていらなくなっちゃでしょ?」

 確かに生徒会長の言う通りだ。でも、魔法って言うくらいなんだから仕事とか医療とかも全部魔法でできるのかと思っていた。言われてみたら今までに生活していてほとんど魔法なんて見たことがない。

「それでも傷は魔法で治せるのか。それでも十分凄いと思うぞ」

「そうなの?私達の世界では傷は魔法で治すって決まってるからね。優香、今の話聞いてたわよね。何かわかることない?」

 神奈月は相変わらず本を読み続けている。

「本で見たことある病気の内容ならわかるけど、いきなり寝始める病気はさすがにわからないわ。さっき言ってた魔力の共有の方もさっぱり分からない。それよりも早く魔法の練習しないの?」

「一番やる気のないあんたには言われたくないわよ!ずっと本読んでるくせに!」

 これだけ見ているとこの先の練習が思いやられる。

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