暗闇の中で
惑星が消えたその日。
異空間に突如、一人の青年がいた。
片翼の天使の姿に戻って……
漂って…
異空間の中、エンは目を閉じて漂っていた。
姿は元に戻る事は無く…とうに一週間は過ぎただろうか?
あの空間の裂け目はすでに閉じており、二度と戻る事は出来ないという事が、薄々わかっていた。
だから、こうして眠ろうとして漂っているのだ。
……そう簡単に眠れたら苦労はしないのだが…。
ただ、ここにはいない筈の“もう一人の自分”と対話していた。
エン『………またか;』
??『…悪いか?』
エン『眠いんだ…;;寝せて;』
??『それは…無理だな。何せ“何年も”話せてないんだ。』
エン『だからそれは人違いだって;』
??『いや;人違いじゃなくて;』
……何度繰り返すんだろうか;
※この時はまだ、EDの名前はありませんでした。
更に数日。
エンは対話しながら、のんびりと浮いていた。
だがそろそろ体力の限界も近く、意識はとぎれとぎれだった。
その数時間後。
とうとう、意識を完全に失った時…異空間は、終わりを告げた。
代わりに……ザァザァと雨の降る世界に、エンは横たわっていた。
周りに、何かの影が集まり始める。
??1「…人間だ。」
??3「天使じゃねぇのか?」
??2「てか何でここにこれたんだ!?」
??3「知るか。」
??2「…とりあえず…あの洞窟に運ぼうぜ。」
??4「そうだな…アイツに相談しよう。後の事は……」
たった一人の提案によって、エンは洞窟へと運ばれていった。
惑星が消えた場所。
そこでは、まさに“奇跡”と呼ぶべき姿があった。
塵の様に細かくなり、漂っていた星達のカケラが、一つに集まり始めた。
そして、その場所に現れたのは…
消えた筈の“惑星”だった。
地上では、みずみずしい、草花で溢れ…聖戦の跡など、どこにも無かった。
かつて聖戦があった場所では、命を無くした筈の人々が起き上がりはじめていた。
OP「…一体…どうなってるんだ…??」
OPも、命が戻っていた。
皆、信じられない“奇跡”に歓喜の声を上げていた。
それを見ていた二人は言った。
ミズガ「…聖戦は…終わり。」
ホヅキ「…うん。終わりだよ。全部……」
数日後、決まった事。
そう…そこの国王は、その年
二人になった。
滅んだ惑星は、再生した。
エンが詠ったのは呪歌であった。
………祝歌の、一番の。
エンは…どうなる?




