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そして悪役令嬢は最愛の義弟と幸せに暮らしました

その日は雲一つ無く晴れ渡り、清々しい風が気持ちの良い日だった。


刺繍とレースが美しい純白のウェディングドレスを纏い、お義父様にエスコートされながら入場したのはリザローズ。

乙女ゲームの悪役令嬢。


その彼女をバージンロードの先で優しい眼差しを向けながら待っているのはラルク。

乙女ゲームの攻略対象者にして、元義弟、前世の記憶持ち。


お義父様から頼むぞとリザローズのエスコートを託され、階段を一歩一歩上がり神父の前に進み出た。


「生涯愛すると誓います。」二人はお互いの目を見つめて誓い合い、口付けを交わした。


拍手が沸き起こり、歓声が上がった。

学園で共に過ごした友人たちも二人の幸せそうな姿に涙を流して喜んだ。

公爵家の跡取りの結婚式だ。この国の主要な貴族がほとんど出席して、集まっている。二人に面識も無いものも沢山いたが、皆結婚を喜び、心からの祝辞を賛辞を贈った。

ラルクも学園で学びながら後継者としてたゆまぬ努力を続け、皇太子の側近としての実力も認めさせた。

リザローズもラルクを支えるために社交界で名を馳せ、人脈を広げた。学園で共に過ごした友人らと女性の活躍の場を広げるべく、今度の議会で法案の提案をする予定だ。

宴は夜まで続いたが、新婚初夜の二人は早々に退去を促された。


***


二人は寝室に着くと、ふはっと大きく息をついた。

そのまま二人でベッドに腰を下ろす。


リザちゃんは思い出したように、くすくすと笑い出した。

「ラルクの提案した、余興って面白いわね!

まさかハロルド様とマーロン様があんな芸をお持ちとは…ふふふ」

本当に愉快そうにリザちゃんは笑う。

前世の結婚式定番の余興を宴会では提案して、友人代表としてハロルド、マーロンには手品をさせた。

胡散臭い紫のスーツを着こんだハロルドが、うさみみに全身タイツという恥ずかしい姿の助手のマーロンと拙い手品をして、失敗したりしながら笑いを誘った。


「それにエリックとフィルにも驚いたな。」と

エリックには音楽に合わせて剣技の披露を俺のプロデュースでやらせた。…が剣技が凄すぎて、拍手喝采だった。もう少し辱しめてやろうと思っていたから、残念だ!


余興に王子も乱入してきて、まさかのギターの弾き語りてオリジナルソングを贈ってくれた。

隣には卒業パーティーで婚約を発表したミリアもいて、二人のハーモニーが素晴らしかった。

不覚にも感動して涙が出てしまった!

「ミリアも!二人でこっそり練習していたのかしら?

王子妃教育も大変でしょうに。

でも本当に素敵だったわね!」


二人でいい式だったねと微笑みあう。


いつもリザちゃんからのアプローチでキスをしていたのが、不甲斐なく感じていたので今回こそはと思っていたのたけど。


ふと会話がなくなったときだった。

リザちゃんの美しい顔がすっと近づき、俺の唇に触れた。


はっと気づいたときには、リザちゃんはもう胸に顔を埋めていた。

その時妹のからかう声が聞こえた。

「本当に女心がわかってないんだから!」

苦笑いする妹の顔すら見えるようだ。


本当にいつも不甲斐ない男でごめんね。

と心で謝ってみる。


そっとリザちゃんの顎を持ち上げて、瞳を見つめた。

潤み恥ずかしそうに反らす仕草に、喉がなってしまう。


「これからもリザのことを幸せにするから」

ありきたりな言葉しか出てこなかった。


その瞬間リザちゃんはホロリと涙を一粒落とし、

「私もラルクを幸せにするからね」

と返してくれた。

また二人でふふふと笑いあう。


そして今度は俺からリザちゃんの柔らかい唇をふさいだ。


***


ラルク・ウィルウッド 28歳

先日沢山の法律を立案し、この国を発展させた功績を讃えられて宰相の任をを義父より譲り受けた。

同じく国王もフィルが受け継ぎ、二人で国のトップの座を任せられることになった。

とは言っても、まだまだ先王も前宰相も元気に公務に励んでいるのでゆっくり隠居してもらえるように頑張っているところだ。

学園での仲間のエリックはフィルを守る近衛騎士団長として活躍しており、ハロルドとマーロンは改革立案を主にサポートするためフィルの側近、王国の頭脳と呼ばれる働きをしている。


テレスはレベッカ、マーガレットとその他数人の女性をメンバーとした女性議会を立ち上げ、今では女性の地位向上のための政策を立案し国のため頑張っている。

ホーウェンは妻テレスの補佐として、影に日向にと頑張ってくれている。

テレスが疲れすぎると前世のチートだ!とか、モブパワー!とか意味不明なことを言い出すらしい。前世の記憶持ちなの隠す気があるのか?と思うが、そういったときフォローするのもホーウェンだ。

女性議会の力が大きくなったのにはホーウェンのサポートがあったからだと女性からの信頼がすごい。


エリックの妻ルミエールは、俺のリザちゃんと一緒に若き王妃ミリアの教育係として働いている。

二人の教育の成果か、ミリアは王妃とても他国より信頼されるようになった。


リザちゃんは社交会では銀の薔薇と言われ、女性の憧れだ。

因みに俺は氷のような対応をするので(氷の宰相)と呼ばれるようになった。


氷の宰相は銀の薔薇の前では氷の魔法が溶けるという噂がたつほど妻を溺愛していて、いつも二人は幸せな笑みを浮かべていた。

美しい銀の髪を持った二男二女の子宝にも恵まれ、王国一のおしどり夫婦として幸せに暮らしました。







最後まで読んでくださりありがとうございます。

楽しんでいただければ幸いです。


気が向いたら、その他キャラのお話など書いてみようかなとも思ってます。

気を長くお待ちいただければ嬉しいです!


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