Episode 1
おはようございます。
こちらもどうぞ…良しなに
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陽が落ちる
朝食を終え、歯を磨きながら目の前の鏡に映る
カレンダーを見て白兎は呟く。
「5月9日…。今年は何にしようか。」
- 母の日 -
その日は日頃の母の苦労をねぎらい、
母への感謝を表す日
ここで少し、昔話しよう。
白兎には実の両親はいない。
幼きころから白髪の赤い瞳だったことから
両親は抱いてしまった。
普通の子供ではない…みんなと違う…
"恐怖" と " 怨み "
そうして、捨てられた。
文字通り、自宅からかなり離れたゴミ捨て場に…。
なんとも腹立たしい。
白兎を人として見れなくなってしまった両親は
なんの躊躇もなく自分の子を捨てたのだ。
者としてではなく、物として。
白兎は僅か3才だった。
そして数時間後にゴミを捨てにきた
皐月に白兎は無事に保護された。
警察等への連絡を済ませ
皐月のもとに白兎が家族として迎えられたのは
その一年後。
色々なことが起きていたが
それは割愛しよう。
その後、小学校へ入学し
白髪の赤い目、幼い子供が標的するのは
言うまでもない " いじめ " だ
人間は他と違う事を極端に嫌う生き物である
しかし、白兎は他の有象無象を気にしていなかった。
皐月のおかげである
皐月は出会った時から優しかったから…
「僕?こんなところでどうしたの?」
「綺麗な白い髪〜、撫でてもいいかしら!」
「きゃ〜!!さらさらだわ!
お持ち帰りしてもよろしい!?」
自分に楽しそうに話しかける
母とは顔も…声も…香りも…
まるで違う女性
次第に頭を撫でられた時…不思議と涙が溢れた。
怒られているわけではないのに
止まらない涙に白兎は怖くなりそれ以上の
大粒の涙を溢し泣き出してしまい
そんな白兎を見て皐月が慌て出してしまったが
まぁそこはご愛嬌ということで。
そうして少しずつ心開いていった白兎
しかし、一度として名を名乗る事はなかった。
実の両親につけられた、
今は記憶にすら残っていない昔の名。
皐月に兎ちゃんと呼ばれて
嬉しくなっていた白兎は名を変えた。
自分の大事になった人から
初めて褒められた白い髪、そして大切なあだ名。
こうして、赫月 皐月の元に
赫月 白兎がやってきた。
だから、白兎にとっては母の日は
親代わりとなってくれている皐月に
いつも以上の感謝を伝える大事な日なのだ
「取り敢えず、いつものケーキ屋の
新作ケーキは必須かな」
(あぁ…楽しみだな。)
歯磨きを終え、口を水で濯ぎ
鏡を見た白兎の顔はご機嫌だ
身支度を終え靴を履く。
「気をつけてね!学校頑張って!」
皐月は笑顔で見送る
「いってきます」
白兎もまた皐月に笑顔を返し、扉を開けた
「いってらっしゃ〜い!!」
皐月の声を聞き白兎は出てから
困り気味の笑みを溢しながら
(朝から声が元気だなぁ…)
と、道を歩く。
ふと、あることに気付き足を止める
「あ、やべ。スマホ忘れたぁ、仕方ない、戻るか」
振り返り、歩みもうとした途端、クラッと立ちくらむ
そうして次第に5月にしては有り得ない
気温の変化を感じ取った。
「まだ梅雨も来てねぇぞ」
と、太陽を睨みつけようと向けた瞬間に
以上な光景が目に映った。
(太陽がデカい?いや、デカくなり続けてる?)
太陽が少しずつ少しずつ、大きくなってるよう見えた
直接日差しを見ることが出来ない為、
疑問に思いながらも自宅の方へ歩みを進めた
次第にどんどん気温が上昇してきている為
白兎は自宅へと走り出す。
(なんか、やばい。
なんか、わからないが兎に角、やばい)
そして、勢いよく扉開けると
「白兎!帰ってきたのね!ちょっとこれ見て!」
リビングから皐月の焦った声が聞こえてくる
いつもの間延びした兎ちゃん(笑)ではなく
白兎と呼んだのだ。
「ただいま!いまいく!」
靴を雑に脱ぎ、リビングへと早足で向かう
扉を開け
「ニュース見て!!」
皐月に目を向けた後、テレビの画面へと目を向け
驚愕した。
「もう一度、繰り返しニュースをお送りします」
「現在、太陽が地球に向かい
迫っているとの事です。
近づいてくるに連れて速度を増し
時期に地球への衝突は避けられないとのことです。」
「現在、外への外出は不可能となっていて…」
プツンッ。とテレビを消す
「地球滅亡…てか?」
地球の崩壊
そんな事を突然突きつけられて放心していたところ
皐月が立ち上がり白兎を抱きしめた
「白兎…。最後に一緒に居てもいい?」
(皐月さん…?)
皐月の変わりように驚きながらも
温かさは変わらない皐月を抱きしめ返す。
「皐月さん…。
いつもありがとうございました」
「大好きです」
「こちらこそ、ありがとう…
大…好きだ…よ」
お互いに泣きながら抱きしめ愛し合う姿は
幸せな家族の形だった
そうして、その数秒後
人類の生命活動を続けられる気温を超え
次第に人々は倒れていった。
この時白兎の頭の中に文字が浮かび出す
" この物語は終わりを見て始まる。"
" そして、これで全てを終えた "
" さぁ、ここから始まりだ "
" 赫月 白兎 "
" 太陽は、ある人物の手によって引き寄せられた "
" 赫月 皐月は殺されたのだよ "
" 太陽の気紛れで…な "
(アァ…何ダヨ…コレハ…太ヨウを引き…ヨセル?
無理ダロ…訳分かんネェ)
しかし、白兎は言葉と裏腹に
ふつふつと、湧き上がってきた感情が理解出来ない。
" 復讐したくはないか? "
" そいつは必ず生きてる "
(復シュウ…アァ…コノ感情ハ怒リダ…)
(チカラを寄越…せよ)
そして、太陽が地球を飲み込む寸前に
生命活動を停止していたはずの身体が
不思議なチカラによって治っていく。
青色のオーラに包まれていき
白兎は目を開く。
「お前が俺を焚きつけたんだ!
なら、お前にだって目的があるんだろう!!」
「だったら、
それに乗ってやる!太陽だって堕としてやる!
だから俺にチカラを寄越せ!」
" ハハハッハ、良いだろう。 "
" 見せてくれ、兎が烏を喰らうさまを!"
"玉兎のチカラを持って太陽を堕とせ "
そして、青いオーラのようなものが消え
地球は太陽に飲み込まれた。
" 楽しみにしているよ。兎ちゃん "
いかがだったでしょうか?
兎が烏を喰らう
勿論、そのままの意味ではありませんが…
出来るんでしょうかね…
白兎にはこれから頑張って頂きましょう!




