第12話 畑作業と外での昼食
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宜しくお願い致します~!!
「それじゃあ、今日も頑張りますか」
俺はクワを持って気合を入れる。
昨日は鎌で雑草をある程度刈ったから、今日は刈った箇所の土を耕す作業。
小さなゴールではあるが、目標が目の前にあるのは気持ち頑張れる。
ちなみに昨晩もシルフィさんと長く熱い夜を過ごした。
時間と身体を重ねるごとにシルフィさんは俺の弱いところを明確に狙っていく。
やればやられるだけ、より敏感になっていくから少し困るが少しだけ期待している自分もいる。
内心、少し複雑である。
まぁ、今はその話は忘れておいて、
「せいっ!」
昨日、雑草を刈った場所にギザギザしたクワを振り下ろしていく。
イメージとしては、土に埋まった根っこも耕していくように。
「せいっ! せいっ! せいっ!」
サクッ! サクッ! サクッ! とリズミカルにギザギザしたクワを入れていく。
雑草を刈るのと比べて、つっかかえる事がないから、想像以上に楽しく感じた。
かといって……毎晩腰を酷使しているような気がする。
……ちゃんと労わってあげるか。
「おぉ〜! 思ったよりも早くできたな」
クワの幅が広いお陰で、昨日雑草を刈った範囲の土を耕すことができた。
「本当に良い汗かいた気がするわ」
耕した大地を眺める。
達成感に満ちた心地良い汗。
全身は程よく疲れていながらも、精神的にはまったく苦しくない。
ひょっとしたら、俺はこういう生活を望んでいたかもしれない。
「お疲れ様でございます。杏輔様」
声をかけられるなんて思っていなかったから『びくっ!』と少し驚いてしまった。
「シルフィさん?」
「少し落ち着いたご様子。一度お食事にされてはいかがでしょう?」
「おっ、是非いただきます」
ちょうど一段落ついたから地味にお腹が空いていたんだよな。
シルフィさんのご飯は美味しいからちょっと楽しみ。
「その前に手を洗うのはいかがでしょう? 僭越ながらこのシルフィが魔法で水を出させていただければと」
「魔法!?」
「さようでございます。それでは……『ホーリーウォーター』」
シルフィさんは右手に青色の魔法陣を展開させて透明で綺麗な水を出す。
「おぉ〜!」
「そ、そんなすごいものではございません……いずれ杏輔様にもできますので」
「ははは……頑張ります」
そう言いながら、俺はちゃっちゃっと手を洗う。
シルフィさんが魔法で出す水は、手を洗うにはちょうどいい水温だった。
「すいません。ありがとうございます。そういえば、魔法って疲れたりしないんですか?」
「とんでもございません。毎日は魔力をたくさん頂いておりますので……ご心配には及びませんわ」
「そういえば今更で申し訳ないんだけど魔力ってなに?」
実は今まで気になっていたけれど、聞けなかったこと。
じいちゃんから譲り受けた別荘は、ひとまず住むのに十分なほど改修した。
今のところ、目下の問題はない。
だとしたら聞くなら今のうち。
「あー、そうですよね。杏輔様がお住まいでは一般的ではないのですよね?」
「まぁ……そうだね」
一般的どころか普通の人は使えない。
実は魔法少女とかいたりして、こっそり使っている可能性あるのかもしれないけれど、
俺が知っている日本では少なくとも見たことはない。
「魔力とは魔法を使うために必要なエネルギーでございます」
「え? 魔法って普通に使えるの?」
「さようでございます。魔法とはこの世界で理でございます。正しく原理を理解すれば火もおこせますし、あらゆる想像も具現化できます。原理は違うかもしれませんが、杏輔様の世界でいうところの《《科学》》に近いかもしれません」
「へぇ……練習すれば俺でも使えるかな?」
十分に発達した科学技術も魔法に近いっていうし、
もしかしたら魔法も極めたら科学知識と同じくらい便利になるかもしれないしな。
「もちろんでございます。お望みとあれば教えて差し上げましょう」
「本当に? すげぇ楽しみだわ」
魔法なんてゲームや漫画に触れていれば、誰もが夢見る憧れの概念。
右手を掲げて、ビームとか出たらかっこいいしな。
「それでは、今日は魔法の練習を致しましょう」
「あー、できたら今日も農場を耕したいんだけど、その後でもいいかな? こういうのは毎日やっておきたいからさ」
キリが良いところまでやっておきたい。
じゃないと、次に農作をする時に何をしていたか忘れてしまうから。
「承知致しました。それではキリが良いところでお声かけ下さいまし」
「ありがとう。そうするよ」
だったら、今日は気持ち急ぎ目に終わらそう。
あんまりシルフィさんを待たせても申し訳ないし。
「ちなみに、ご飯は外で食べる感じ?」
「はい。良い天気でございますので、折角であればと……なので簡単にサンドイッチを作って参りました」
「おぉ~。いいね」
そう言いながら、俺とシルフィさんは綺麗に改修した三段ほどの階段に腰を掛ける。
綺麗に改修した階段には汚れないようにタオルがひいてあった。
きっと最初から外で食べる心づもりだったのだろう。
そういう気遣いもちょっと嬉しい。
距離はほぼほぼゼロ距離で甘くて良い匂いがする。
「召し上がる前に……お汗失礼致しますわ」
「いやいや、悪いよ。ほら……匂いとか気になるし」
「とんでもございません。むしろ頑張った証拠ではありませんか。私としてはむしろ《《ここ》》が疼いてしまいますので……」
シルフィさんは頬を赤らめながら、自分のお腹をさする。
シルフィさんがサキュバスだと意識してから、意味深な言葉がエロく感じてしまう。
……これは俺の考え過ぎなのかもしれない。
「というわけで、失礼いたしますわ」
普通にシルフィさんが近くきて、タオルで汗をふく。
なんか……子供みたいだな、俺。
それとシルフィさんは甘くて良い匂いが濃くなった。
吐息が首筋にかかって、くすぐったい。
ところどころ、柔らかいおっぱいも当たって昨晩のことが頭をよぎる。
気が付いたら引き返せないところまで堕ちてしまったような、
そんな感覚がする。
「お待たせいたしました。それではお食事に致しましょう」
「すいません。いただきます」
そうして俺は茶色のバスケットからサンドイッチを取り出す。
パッと見、黄色の卵ときゅうりに似た植物。
たぶん、これも異世界産なのだろう。
でも食べられないものじゃない。むしろきっと美味しい。
そう思って、俺はサンドイッチをかぶりつく。
「うまっ! こんな美味しいサンドイッチ初めて食べましたよ!
シンプルながらオーソドックス。
普通にコンビニで買って食べるよりも美味しかった。
卵はふんわりとして柔らかく、きゅうり(?)のシャキシャキと食感が良いアクセントになっていた。
気が付けばパクパクと食べ進め、サンドイッチは手元からなくなっていた。
「いやぁ……マジで美味かった。ご馳走様です」
「ふふふっ……おかわりもございますが、いかがですか?」
「本当ですか!? それではお言葉に甘えて――」
俺が再びサンドイッチに手を伸ばしたその時、
「――あ、あの! 妹を……妹を助けてほしいにゃ!」
ボロボロの恰好をした短い黒髪をしたケモミミの生えた女の子が、
俺とシルフィさんに必死な顔で話な顔で懇願していた。
「はぁ……はぁ……」
背におぶる銀髪の小さな女の子は明らかに衰弱していた。
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