表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/264

File76 惑星ミンツトレニスへの貨物輸送② 衝撃映像番組でよく扱われる緊急事態

ほとんどの方が予測できた展開です♪


2/11 最後の部分が、次話の冒頭と重複していたことが発覚。

修正したしました



その頭を悩ませる案件と言うのはただ1つ、食事だ。

はっきりいって、妊婦であるレシアさんに何を出したらいいかなんて解るわけがない。

軽く調べはしたが、取り敢えずは昼に仕込んだやつを食べてもらうしかないだろう。

そうして俺が、その日の夕食にだしたのは、

バターロール

チキンとほうれん草のクリームシチュー

ミネストローネ

生野菜のサラダ

というメニューだ。

幸い、牛乳なんかはいいらしくてよかったのと、鉄分なんかもいいらしいので、ほうれん草は茹でた奴を後入れしてみた。

「えっと…無理そうなら別になんか用意しますので」

「ありがとうございます。大丈夫ですよ」

レシアさんに確認してもらったところ何とかOKをもらった。

あとの3人にも好評で、

「「わーい!クリームシチューだー!」」

特に()()()には好評だった。

ナアナちゃんはともかく、大人で医者のアキラ・パルケストス嬢がはしゃぐのはいかがなものだろう。

とにかく一番注意しないといけないのは、レシアさんに対する食事だな。

ちなみに、デザートに出した、ミックスベリーのジャムとホイップクリームをそえたシフォンケーキは物凄く評判がよかった。

ソイグさんには全体的に申し訳ないメニューなのだが、熊獣人なだけあるのか、シフォンケーキをじつに美味しそうに食べていた。

明日の朝食はフレンチトーストにしておこう。


やっぱり問題を起こす人間がいないというのは、ありがたいものだ。

とはいえ退屈なのはどうしようもない。

そのせいか、ナアナちゃんやレシアさんやドクターは後片付けや風呂掃除を手伝ってくれたり、ソイグさんが船の点検をしてくれたりと、こちらが申し訳なく思ってしまうぐらいに、色々と手伝いをしてくれた。

とはいえ頭を悩ますことが無いわけではない。

ナアナちゃんの存在だ。

もちろん、悪戯をしたり、わがままを言ったりという事ではない。

幸いドクターが子供っぽいのもあって遊び相手をしてくれているが、貨物船とはいえ宇宙船なので、俺に対して船乗りの話を聞きたがるのだ。

例えばこんな話。

「ねえ、星喰い鯨(スターイートホエール)を見たことある?」

星喰い鯨(スターイートホエール)というのは、船乗りに伝わる伝説の怪物で、惑星上のおとぎ話的なものでいうところの、クラーケンだのリヴァイアサンだのというものと同じものだ。

伝説によると、星喰い鯨(スターイートホエール)は体長が1光年・体高が0.5光年もある巨大な鯨のような生物で、恒星・惑星・衛星・ガス星雲・ブラックホールなんかをエサにしていると言われている。

もちろん実在はしていないし、もし実在していたら大事(おおごと)だ。

「悪いがみたことないな。もし実在していたとしても、出くわしていたらここにはいないよ」

そう返答すると、

「なんだあ」

と、実に残念そうな表情をする。

ほかにも、船の墓場の話や、幽霊船といった古代の文献クラスのヨタ話まで尋ねてきたりもする。

正直、そういう話の引き出しは全くないので、途方にくれてしまう。

とはいえ、それ以外は実に平穏に過ぎていった。


だが、道程も終わりにさしかかった時、あってほしくはなかった最大級の問題が発生した。


その日の夕食も終り、明日の昼には目的地に到着するという時に、妊婦であるレシアさんが急に苦しみはじめた。

「おかーさん?!おかーさん?!」

すぐさまドクターがかけよって診察をはじめる。

「もしかして始まった?やばっ!破水してる!?」

「2週間は先だからまだ日はあるはずなんじゃないのか?」

「出産はこういうことがあるのよ!寝室使うわ!あとタオルとお湯とタライ!あと、私の部屋の鞄持ってきて!」

普段子供っぽいだけに、診察・医療行為となってガラリと雰囲気が変わると、なんとなく信じられない感じだ。

ともかく、ドクターと俺で、レシアさんを寝室にはこび、タオルとドクターの鞄を取るために寝室からでると、ソイグさんがナアナちゃんと一緒にタオルをテーブルの上に積み上げていた。

「すみません。目についたのだけでもとおもいまして」

「こうなった時は慌てちゃダメ。自分にできることをしなさいってお父さんから教えてもらったの!」

子供が3人、一番上と2番目は結婚し、孫もいるおじいちゃんのソイグさんはともかく、ナアナちゃんは子供とは思えないくらいにしっかりしている。

俺のガキのころはあんなにしっかりしてなかったと思う…。

「ありがとうございます!助かります!」

俺は礼を言った後に、ドクターの部屋から鞄を取り、タオルを抱えると、女の姿になってからレシアさんの部屋に入った。

医者ではないし、旦那さんでもないのだから、女でいた方が多少はましだろう。

「タオルと鞄だ。お湯はもう少し待ってくれ。あとタライはないから風呂を沸かしたんでいいか?」

「了解。ないのは仕方ない。というか積んでるわけはないよね」

ハンドサインで汚れたタオルを持っていけといってきたので、ささっと持ち出した。

汚れたタオルを洗濯機(ランドリー)にいれてスイッチを入れたあと、用意してあるタオルを取り出してテーブルに置く。

それから浴室に向かい、水をはり、風呂を沸かす。

その間、部屋からはレシアさんとドクターの声がうっすら聞こえてくる。

ナアナちゃんは、ソイグさんと一緒になにかのゲームをしていたが、やっぱり母親の事が気になるのか、ドアの方をちらちらと見つめていた。

俺は風呂が沸くか、洗濯が終わるか、ドクターからの指示があるまではすることがないので、茶菓子の作り置きをする準備をすることにした。

取り敢えず、日持ちするクッキーをつくるために、バターやらミルクやら薄力粉やらを出しているうちに、洗濯が終了した。

が、問題が起こった。

洗剤が切れてしまったのだ。

そういえば大容量のやつを買ってから補充してなかったな…。

たぶんまだまだタオルは必要だろうし、赤ちゃんをくるむために、綺麗なやつはとっておかないといけない。

どうしようと思いながら、ナアナちゃん・ソイグさんと一緒にタオルを畳んでいると、ふと自分が運んでいる積荷がなんなのかを思い出した。

あの中には、今まさに必要な物が入っている。

しかし、どうにも二の足を踏んでしまう理由がある。

それは、怪我や病気の場合の医薬品なら躊躇はないが、必要なのが洗剤やタオルなため、拝借してよいのかどうかということだ。

そしてなにより、ソンブレロ社の製品だということだ。

確かに怪しい話は全く聞かないし、出してある依頼も真っ当で、何一つ問題はない。

だがなぜか怪しいと思ってしまう。

幸いなのは、今のところは緊急事態ではないため許可を申請できる時間があることだ。

もちろん、いつ事態が急変するかはわからない。

ダメでもともとだし、俺が勝手に怪しいと思っているだけで、使えるものを使わない手はないはずだ。

なので俺はタオルを畳み終わると、操縦室コックピットにはいり、積み荷の依頼主である惑星ルニールにあるソンブレロ社と、積荷の受け取り先である、惑星ミンツトレニスにある、ナイトデイル市立総合病院に電話をかけた。

なにかあったときのために、依頼者と発送先の連絡先は確認してあるので、後はアドレスを打ち込むだけだ。

妊婦さんの食事を調べたのですが、なかなか大変なようです


ご意見・ご感想・誤字報告よろしくお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] キモオタ傭兵から来ました 読んでて楽しいのでこれからも(ほどほどに)頑張ってください [気になる点] ジョン・ウーゾス氏と出会いがあったりしない? [一言] 人物表が欲しい!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ