File72 惑星ルニールへの貨客輸送⑥ 御嬢様無双
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更新再開です
軍人御嬢様とその執事と失恋受付嬢を伴って、海賊が突入してきた停泊地にやってきた。
そこで繰り広げられていたのは、まさに戦争だった。
共和国の駐留軍がいたらしく、彼等が先陣を押さえ、警察や一部市民がその援護をしていた。
帝国貴族にも宇宙港の人達にも、怪我人死人がでていた。
ちなみにディックス達は海賊の収監が終了しだい、半数はこちらへ、半数は宇宙港内の哨戒をするらしい。
「帝国の恥さらしどもめ!成敗してやるっ!」
その様子を見た軍人御嬢様は、軽トラを飛び降りると、一目散に敵陣に突貫していった。
あんなのは格好の的じゃないか!
と、思ったのだが、相手の撃ったレーザーガンやブラスターが彼女に当たる前に四散していった。
「「「「「「え?」」」」」」
俺はもちろん、レイリアやその場にいた全員が驚いた。
ただ1人、アルフレッド氏だけが冷静に、
「御嬢様は超能力者、念動力を使う事がお出来になります」
軍人御嬢様が何者かを、自慢気に説明してくれた。
「ちぇすとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
「「「「「「「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」」」」」」
彼女が飛び蹴りやパンチを食らわせると、その周囲の帝国貴族達が面白いように吹き飛んでいく。
「防御障壁を展開し、念動力で加速しての飛び蹴りやナックルアローが御嬢様の得意技でございます。その時の衝撃波は凄まじく、あのように何人も同時に吹き飛ばしてしまいます♪」
アルフレッド氏は本当に嬉しそうに説明をしている。
アルフレッド氏の年齢を考えると、孫娘ぐらいになるだろうから、感慨もひとしおなのだろう。
それにしても、突進して相手を吹き飛ばす様は、まるで格闘ゲームのキャラクターだ。
防衛してた連中も唖然としてやがる。
本当に軍人御嬢様1人で制圧できそうな勢いだ。
その時、近くにいたホスト崩れみたいなやつが、軍人御嬢様に向かって声をかけた。。
「お前、帝国軍人だな!俺はゴモテア子爵子息のウリサット・ザガアス・ゴモテアだぞ!命令を聞かないか!」
どうやら、攻め込んできた貴族の身内らしい。
しかし、帝国国内ならその戯言に怯んだかも知れないが、共和国では通用しないし、今の戯言が通用しない人がここにいた。
「私は銀河帝国軍主力艦隊・第五部隊所属軽巡洋艦『ゴルトフォックス』艦長・クロネーラ・エーリカ・ギルテンス少佐!そしてギルテンス侯爵家当主、カストゥール・エルベルト・ギルテンスの次女だ!」
「こっ侯爵家っ!」
ホスト崩れは、軍人御嬢様の身分を聞いて、身体を硬直させた。
「覚悟しろ!この恥さらしが!」
軍人御嬢様は指を鳴らしながら、ホスト崩れに近寄っていく。
もちろん油断はなく、防御障壁は展開したままだ。
「しっ仕方ないんだっ!下民共がうちの領地からどんどん流出して、税収が減っていったんだ!だから帝国領地だったくせに税金を献上してない共和国に徴税にきただけだ!」
「領民の流出は貴様達の圧政が原因だ!それに、共和国は約300年。星域連邦は約400年。帝国より建国が早いのだから、帝国の領地であったことなどない!」
ホスト崩れが身勝手な反論をするが、簡単に論破されてしまったらしい。
しかし、それに反論する者が現れた。
「それは下民出身の学者がいいだしたことですよ、ギルテンス侯爵令嬢殿」
「父上!」
ホスト崩れは必死にその足元にすがり付いた。
彫りの深い端正な顔立ちに、綺麗なロマンスグレーな髪。
口髭に自信に満ち溢れた表情をした中年男が子爵らしい。
軍人御嬢様は子爵に鋭い視線をむけると、
「イルシッツ・ビンダルト・ゴモテア子爵だな!他国に対して海賊行為を行った罪により逮捕する!」
軍人として毅然とした態度で勧告を突きつけた。
「なにをおっしゃいます。我々貴族が豪奢な屋敷に住み、贅を尽くした食事をし、様々な遊興に興じる。それを行うために、元々領地であった所から徴税すること。これは貴族にとっての当然の権利なのですよ?」
しかし子爵は、平然と貴族としての権利だと主張する。
「なにが権利だ!その主張の根底にある歴史改竄を改めたのは4代前のドルトン皇帝陛下だ。
そしてそれ以降、今代の皇帝陛下にいたるまでの全員が、『歴史改竄は悪行である』と支持しておられる!
それを無視するということは、皇帝陛下に逆らうということ同義!
圧政を強いて領民を苦しめ、結果領民が逃げ出し、税収が減って贅沢ができなくなったからと、500年前の愚帝によって発布された歴史改竄を掲げて、侵略行為をした奸物めが!
それに、もし改竄が真実であったとしても、既に別の国として独立している国への徴税など、侵略以外のなにものでもないわ!」
依頼を受けるときに、アルフレッド氏が言っていたのはこれの事だ。
共和国や連邦の学校の授業でも習う内容で、改竄をした皇帝は暗愚・それを元に戻した皇帝は賢明。というのがざっくりした印象だ。
「話にならんな。真の帝国貴族の誇りを理解せぬ小娘が」
子爵が合図をすると、高さ250cm程の人形のドロイド達がわらわらと突入してきた。
「人間は吹き飛ばせても、ドロイドはできんだろう?」
子爵はしてやったりという笑みを浮かべ、
「父上。あの侯爵令嬢をわが領地での収穫品にしてよろしいですか?」
ホスト崩れの息子は、さっきまでの情けない姿から一転、傲慢そうな笑いを浮かべていた。
「無論だ。帝国貴族なら下民を庇ったりはしない。下民を庇うのは下民だからな♪」
いままさに馬鹿笑いをしようとした子爵の真横にいたドロイドの胴体に、棒状の光が突き刺さる。
そしてそのドロイドは小さな爆発をなんども起こしてから、完全に破壊された。
「あれは御嬢様の得意技の一つで念動投槍にございます。防衛障壁を投げ槍の形に展開し、念動力で加速をつけて放てば、戦艦の装甲板すら簡単に貫通いたしますので、あのようなドロイドの装甲など紙のようなものです」
アルフレッド氏は愉快そうに笑い、軍人御嬢様は、その光の槍を無数に作り出し、射撃準備に入った。
それをみた子爵親子は、驚愕の表情のまま固まっていた。
「穿て!」
そして、軍人御嬢様の檄と共に、光の槍はドロイド達の胴体に吸い込まれて、ドロイド達は一瞬で沈黙した。
もう彼女に任せとけばいいなこれは。
本年度から、事情もあり、多少更新が遅くなるとおもいます。
申し訳ございません。
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