File70 惑星ルニールへの貨客輸送④ 同じ身分でも対極の者・違う身分でも同一の者
急に寒くなってきました。
加藤備前守さんからレビューをいただきました。
ありがとうございます!
視点変換 ◇クロネーラ・エーリカ・ギルテンス◇
「ちぇいっさあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「「「「「「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!」」」」」」
私は防御障壁をまとったまま、帝国貴族を名乗る海賊の1人に、念動力で自身を空中で突進させての飛び蹴りを食らわせた。
「他国に無断侵入しての海賊行為だけではなく、婦女子に対していやらしい暴行を行うなど、帝国貴族の恥さらしどころか人間のクズ共が!覚悟せよ!」
軍人として己を鍛え上げ、超能力に頼らずともこの程度の連中を叩きのめす事は出来たが、女性が乱暴をされそうだったこともあり、超能力を使って帝国貴族を蹴り飛ばしたのだ。
被害者の女性は、私の超能力の被害が及ばないように防御障壁を先に張っておいた。
そうして残りの帝国貴族共を叩きのめしてやろうと構えをとる。
が、誰も立っていなかった。
「御嬢様、全員吹き飛ばされて気絶しております」
「あれ?防御障壁が大きかったかしら…。まあいい。捕縛を」
「かしこまりました」
アルフレッドに指示して、帝国貴族共を捕縛する。
この連中は、このまま共和国政府に引き渡す事が決定している。
他国で罪を犯したのだから、その国の裁きを受けるべし。
もちろん抵抗著しい場合は殺害もやむ無しと言うのが、今回海賊に落ちぶれた貴族共に対する皇帝陛下のお考えだ。
それに帝国に連れて帰った場合、この連中のお仲間が無実を訴えたり、逃がしたりする可能性もある
「あなた方はいったい?」
私の防御障壁に保護されていた女性が、唖然とした表情で声をかけてきた。
「私は銀河帝国軍主力艦隊・第五部隊所属軽巡洋艦『ゴルトフォックス』艦長・クロネーラ・エーリカ・ギルテンス少佐。皇帝陛下の命を受け、我が帝国の恥さらし共を退治にきたものだ!」
私は帝国式の敬礼をした後、女性を覆っていた防御障壁を解除し、手を差しのべる。
そこにアルフレッドがチャチャを入れてきた。
「御嬢様は現在休暇中のはずでは?」
「仕方ないじゃない!作戦が発表されたのは私が此方に到着する寸前。おまけに海賊共に気付かれないように、一部の将官以外には作戦が秘匿にされていたんだから!そうじゃなかったら休暇なんか取ってないわよ!」
アルフレッドは、私が産まれる前から我が家に仕えていることもあり、私には色々容赦がない。
「あなた方は帝国の海賊じゃないんですね?」
私達のやり取りをみていた女性が、怯えた様子で私に話しかけてきた。
「もちろんだ!確かに私は帝国軍人で貴族だが、このような連中とは違うことを約束しよう!」
私は改めて手を差しのべ、自分が海賊とは違う事を告げた。
まずは何よりも、彼女を安全なところに移動させなければ。
「この連中は共和国側に引き渡すことに致しましょう」
「うむ。それにはこの宇宙港の警官隊か駐留軍に合流しないとな、合流が難しいなら私の船で…」
「お、下民がいたぞ♪」
「女だ!献上させようぜ!」
アルフレッドと、このあとの動きをどうしようかと話し合っていた時に、帝国貴族共が現れた。
私は即座に連中に向かって、防御障壁を展開し、念動力で自身を空中で突進させてのストレートを帝国貴族の1人に食らわせた。
「とおりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「「「「「うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」」
「恥さらしどもめ!この私が成敗してくれる!」
「御嬢様、全員気絶しております」
視点返還 ◇ショウン・ライアット◇
俺の『ホワイトカーゴⅡ』の停泊してある、北の1番のDライン・No.147までは、ありがたいことに海賊と出くわすことはなかった。
さらには、この近くにはまだ帝国貴族が接近していないのか、隔壁が閉じられていなかった。
『選別式透過フィールド』は、緊急発進には有用だが、逆にいえば簡単に侵入できるということになる。
そのため、緊急時には隔壁が閉じられるようになっているわけだ。
「軽トラは出航の邪魔にならないように端に寄せておいてくれ。あと、妊婦さんと怪我人と爺さん婆さんと赤ん坊を連れた人はこっちにきてくれ」
俺はタラップを登って船に乗り、貨物室の扉をあけた。
『妊婦さん・赤ん坊のいる人・怪我人・病人・爺さん婆さん達はタラップから、それ以外の元気な人達は貨物室にたのむ』
外部スピーカーで指示を出した後、ラウンジに入ってきた人達を案内していると、
「うわっ!すげっ!」
レイリアがこっちにやってきた。
幸い、商店街の人達は協力的で、わがままを言うような奴はいなかった。
しかも爺さん婆さんが元気で、妊婦や怪我人の世話をかってでてくれた。
シスターラウバは子供達を見るために、貨物室にいる。
だから間違いなく、元気なレイリアは貨物室行きだ。
「なんでこっちにいる?」
「いやーちょっと見て見たくってさー。貨客船なのは資料に書いてたからわかってたけど、なかなかすごいねー」
レイリアは嬉しそうに中を見渡す。
そこに、スピーカーから、貨物室にいる青果店のおっちゃんの声が響いた。
『こっちは全員乗り込んだぞー!』
「了解ー!」
それならばと、貨物室の扉を閉めようと動いた瞬間、
「まてー!俺も乗せろ!」
と、バッグをもった太めの男がタラップを登って船内に入ってきた。
その男の顔を見た瞬間、船内にいた人達の顔が一斉に歪んだ。
「なんであんたがこんなところにいるのよラキドニス!」
レイリアが即座に噛みつく。
どうやらこいつは招かれざる客らしい。
「たまたまだよ!にしてもけっこう快適そうな船だな。よし。これは俺が使う。お前ら全員降りろ」
ラキドニスはそういって、ソファーにどっかりと座る。
その瞬間に、こいつがマジのゴミなのが理解できた。
それにしても、ジェームス・ハンズクリット現受刑者といい、ラキドニスといい、思考が似かよる奴は、発言や行動まで似かよるものだというのが改めてよく理解できた。
「あんたふざけるんじゃないわよ!なんで降りなきゃいけないのよ!」
「うるせえ!俺様が降りろって命令したんだから降りればいいんだよ!」
ラキドニス、テーブル蹴りやがった。
「まあ、レイリアだけは乗せてやってもいいぞ?俺様の情婦にしてくださいって、全裸でどげうぶえっ!」
あまりにムカついたんで、思わず顔面に前蹴りを入れてやった。
俺の船をなに自分のものみたいにいってんだテメエ!
用語説明
超能力について:この作品において、超能力は実在しています。
しかし、その確率は全人類の0.5%程度で、その内訳も、95%が同一種族(後述)というもので、その種族を除外すると、0.05%という確率になる。
しかもその種族でない能力者には、矮小な能力なものだったりすることが多いが
まれに強大な力を持っているものもいる。
ただし、種族特徴による特殊能力は別とする。
アルドル人:見た目は基本的にはヒューマンとかわらないが、種族的特徴として、長く尖った耳・ドラコニアル人並みの長寿・成人(17~22歳)してからは老化が停止する・超能力を使用できる。というものがある。
主星は星域連邦にあり、あまり星からはでたがらない。
混血児は、耳はヒューマンと同じに。
長寿は約半分。
成人してからの老化はゆるやか
今回の軍人お嬢様は普通のヒューマンです。
ご意見・ご感想・誤字報告よろしくお願いいたします。
読みきりの連載を準備中
https://ncode.syosetu.com/n2702gq/




