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椿と奏5


「奏、いい?」


「うん」


優が岬ちゃんの家のインターホンを鳴らす。程なくして岬ちゃんが出た。


「いらっしゃーい!あんまりあたしの家には来させたくなかったけど今日はしょうがないから入ってください!」


そんな岬ちゃんの横には椿ちゃんもいた。とても申し訳なさそうにらちょこんとしていた。


「あ、あのね、岬ちゃん。今日は…」


「こんなとこで話すつもりですか?中入ってからにしてくださいよ!」


「あ、うん」


岬ちゃんに言葉を遮られ「夜分遅くにすみません、お邪魔します」と優と一緒に岬ちゃんのご両親に挨拶をした。


そして岬ちゃんのお部屋に連れていかれた。


「奏先輩、椿ちゃんとちゃんと話してくださいね。あたしと優先輩はお邪魔なんでどこかに行くんで2人でゆっくりと話してくださいね!あはッ、優先輩、久し振りに2人きりですねぇ!」


「おい、これ以上こじらせるようなこと言うな!」


「じゃああたしら退散します、ね!優先輩」


バタンとドアが閉められ私と椿ちゃんだけが残された。


「…………」


「…………」


私も椿ちゃんも気まずいのか変な沈黙が支配する。って謝らないと!


「椿ちゃん、今日の事は…」


「あの!……奏…お姉ちゃん、すみませんでした。私の事妹だって思ってくれたのにとっても大事にしてもらったのに優さんからのネックレス壊して…

ネックレスは私なんかが弁償したってどうにもならないかもしれないけど私が優さんに謝ります……

でも優さんの事は誤解なんです。…私どれだけ奏お姉ちゃんが優さんの事好きか知ってます。だから、だからそれだけは信じてください!」


そうして椿ちゃんは土下座をして私に謝る。

……こんなに…こんなに思い詰めさせてしまった、妹なのにこんな事をさせてしまった…



「椿ちゃん、そんな事やめて!私が悪かった、ネックレスの事だってもう別にいいの…本当は優に謝ってそれで終わりにするつもりだったから」


「私がバカだったの…私は椿ちゃんが優に手を出すはずないってわかってたのに椿ちゃんは優に相談しに行ったって少し考えればわかる事だったのに…

変な意地張っちゃって椿ちゃんに手まで上げようとして…謝るのは私の方…」


一向に頭を上げない椿ちゃんを抱き起こし私は椿ちゃんを抱きしめた。

…震えてる。怖かったよね?今までどうしてたの? 涙が止めどなく溢れてくる。私は椿ちゃんの目をしっかり見つめる。

ちゃんと気持ちを伝えなきゃ…


「だから…ごめんなさい。うちに戻ってきて。…お願い」


椿ちゃんが目を丸くして途端に顔がぐしゃりと歪み…


「うあぁぁぁん、奏お姉ちゃん、ごめんなさい、ごめんなさい!たくさん迷惑ばっかりかけて…私、私怖かったよぉ、不安だったよ、悲しかったよ!」


こんなに感情的な椿ちゃんは初めてだった。でも私のせいでここまで椿ちゃんを追い詰めてしまったんだ……


「椿ちゃん、ごめんね、ごめんね…

顔も見たくないなんてひどい事言って本当にごめんなさい」


「まだ……まだ私のお姉ちゃんでいてくれますか?」


「当たり前だよ、椿ちゃんが私をお姉ちゃんだと思ってくれてるならずっと私は椿ちゃんのお姉ちゃんだよ!」


「…ぅう…奏お姉ちゃん、ごめんなさい」


そして私たちはお互い謝って謝ってようやく仲直り出来た。椿ちゃんはそれでも悪いと思ってるから私の方が大人気なかった、ごめんなさいと言ってもうこれでお終いにした。


だから椿ちゃんに悪いって思わせないように遠慮なんかさせないように私が椿ちゃんを支えるんだ。椿ちゃんに心から私たちの家が居場所だって思ってもらえるために…








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