第131話 『東京へ戻った朝』
第131話 『東京へ戻った朝』
2026年8月3日(月)——午前7時45分。
羽田空港·第1ターミナル——到着エリア。
福岡からの便は定刻より十分早く着陸した。樹は小さなバッグを手に、今朝から羽織っている薄手のコートを着て、ボーディングブリッジを降りた。東京の朝の気温は福岡より低く、滑走路からの風がアスファルトと航空燃料の匂いを運んでくる。
隣では、志織が飛行機が着陸してからずっとスマホを開き、フライト中に届いたメッセージを確認している。冴は少し後ろをタブレットを持って歩き、実乃里——いくつかの社内用事のために一緒に東京へ戻ってきた——は、朝の移動にもかかわらずまだ元気な足取りでショルダーバッグを提げている。
「如月さん」と志織がスマホから顔を上げずに言った。「オフィスに着く前に、お伝えすべきことがいくつかあります。」
樹は歩調を合わせた。「どのくらい重要だ?」
「今お伝えするべきだが、スケジュールを変えるほどではない、という程度です。」志織はようやく顔を上げ、何か不快なことを伝えるときにいつも浮かべる表情で樹を見た。「リュミエール・アーツで内部問題が起きています。」
樹は一歩、ほんの一瞬だけ止まり、そして再び歩き出した。「橘さんか?」
「はい。」志織はスマホを差し出し、昨夜配信された芸能業界ニュースサイトの短い記事を見せた。見出しはシンプルだが、樹の眉をひそめさせるには十分だった。
「若手モデル橘莉々香——才能か、それともコネか?」
樹は歩きながら記事を読んだ。直接的な告発ではないが、トーンは明らかだった。記事は、莉々香がここ数ヶ月で「彼女の年齢にしては異例の」大型プロジェクトをいくつか獲得していること、そして彼女の名前が「特定のビジネス界としばしば結びつけられている」ことに言及していた——業界用語で、それは一つのことしか意味しない。
冴が追いつき、タブレットを開いた。「記事の著者の背景を調べました。彼は普通の記者ではありません——普段はエージェンシー内部から情報を得ている媒体の一つに所属しています。情報源はリュミエール・アーツ内部の可能性が高いです。」
樹は数歩の間、答えなかった。彼らがターミナルの出口を抜け、東京の外気が彼らを迎えた時、ようやく口を開いた。「この件はオフィスで話し合う。志織さん、橘さんに連絡して、今日の午後に来られるか聞いてくれ。」
「承知しました、如月さん。」
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午前9時20分——丸の内·キサラギ・アセット・マネジメント本社ビル——十階·社長室。
十階のオフィスは、樹とチームが到着した時には既に活気づいていた。数人の総務スタッフが午前の会議用の書類を準備し、階の受付では、先月採用したばかりの新人社員——中村——がケータリング業者からの電話を受けている。
樹はバッグを椅子に置き、コートを脱ぎ、すぐに机に座った。冴は既に机の右側でノートパソコンを開き、志織は窓のそばに立ってスマホでリュミエール・アーツに連絡を取っている。
「如月さん」と冴がノートパソコンの画面を見ながら言った。「関連データを集めました。過去半年間に莉々香さんが手がけた大型プロジェクトは三件です。第一に、化粧品ブランド「白花」の全国キャンペーン——約一億八千万円。第二に、雑誌「ヴァン」の編集ページ撮影——約四千五百万円。第三に、スポーツウェアブランド「リッジウォーク」との契約——約一億二千万円です。」
樹は自分のノートパソコンを開きながら聞いていた。「これらのプロジェクトが我々との関係で得られたという兆候は?」
冴は静かに首を振った。「契約面ではありません。公開されている全ての文書を確認しました。全てのプロジェクトは通常の選考過程——キャスティング、オーディション、エージェンシーとの交渉——を経て獲得されています。縁故の証拠はありません。」
「なら問題は契約ではない」と樹は言った。「問題は認識だ。」
「その通りです。」冴は樹を見た。「そして認識は、ご存知の通り、契約よりも制御が難しいものです。」
志織が近づき、スマホを閉じた。「如月さん、橘さんのマネージャーと話しました。橘さんは午後三時に来られるとのことです。ただし、もう一つ——マネージャーは、この会合にキサラギ・アセット・マネジメントの関係者が正式に出席しないことを求めています。」
樹は眉を上げた。「どういう意味だ?」
「彼らはこの会合を個人的なものにしたいのです——エージェンシーと企業の会合ではなく。リュミエール・アーツがキサラギ・アセット・マネジメントと交渉しているという印象を与えたくないのです。」
冴が静かに口を挟んだ。「妥当な要求です。我々が企業として出席すれば、我々とリュミエール・アーツの間にビジネス関係があるという認識を強めるだけです——莉々香さんの立場をさらに悪化させるでしょう。」
樹はしばらく考え、そして頷いた。「わかった。一人で行く。志織さん、車で送ってくれ。中には入らなくていい。冴さん、ここに残ってニュースの動向を監視してくれ。」
冴は頷いた。「承知しました、如月さん。」
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午前10時0分——社長室——レイナとの電話会議。
午後の会合の前に、樹は大手町のオフィスにいるレイナと電話会議を行った。ノートパソコンの画面には、朝からきちんとした装いのレイナ——長い黒髪を半分結わえ、濃いグレーのブレザー、そして深刻な問題を議論するときにいつも見せる落ち着いた表情——が映っている。
「如月さん、記事を読みました」とレイナは前置きなしに言った。「これは直接的な攻撃ではありません。釣り針です。誰かがあなたの反応を見たいのです。」
樹は椅子にもたれた。「誰だと思う?」
「いくつか可能性があります。」レイナは画面の文書を開き、いくつかの名前を表示した。「第一に、リュミエール・アーツの主要モデルを攻撃することで同社の立場を弱めたい芸能業界の競合。第二に、莉々香さんの力が強まることを快く思わないリュミエール・アーツ内部の誰か。第三に——そしてこれが最も興味深いのですが——あなたが身近な人を守るためにどこまで介入するかを試したい誰か。」
樹はすぐには答えなかった。彼は数秒間画面を見つめ、それから言った。「会社の金を使ってこれを解決するつもりはない。」
レイナは眉を上げた——わずかに、しかし見えるほどに。「それは興味深い決断ですね。」
「莉々香さんは自分の力でキャリアを築いてきた。もし私が介入して何かを買う——事務所を買う、契約を買う、メディアを買う——私は告発を証明するだけだ。」樹は落ち着いた目でレイナを見た。「そんなことはしない。」
レイナはかすかに微笑んだ——同意を示す微笑みだが、その裏に何か別のものもあった。「では、どうなさいますか?」
「今日の午後、彼女に会う。そして彼女がどうしたいのかを聞く。」
レイナはゆっくりと頷いた。「それが私の期待していた答えです、如月さん。」
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午後1時0分——十階·食堂——昼食。
樹は十階の食堂で一人で昼食をとった——志織が近くの店から注文したシンプルな弁当。机の上では、数分前に届いた莉々香からのメッセージがスマホに表示されている。
「樹、福岡から戻ったって聞いた。今日の午後会える?話したいことがあるの。」
樹は短く返信した。
「いいよ。三時に青山のいつものカフェで。」
莉々香からの返信はすぐに来た。
「わかった。またあとで。」
樹はスマホを置き、しばらく食事を見つめ、そして静かに食べ続けた。彼は、いくつかのことは急いで解決できないことを学んでいた——そしてこれはその一つだった。
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午後3時0分——青山のカフェ、港区——隅の席。
カフェはいつも訪れるのと同じだった——小さく、静かで、木製のテーブルと青山の並木道に面した大きな窓。樹は早めに着き、入り口から少し離れた隅の席を選び、ブラックコーヒーを注文した。
莉々香は五分後に来た。彼女はシンプルな白いブラウスとグレーのパンツを着ていた——モデルの服ではなく、普通に見えたい人の服だ。髪はゆるく後ろで結ばれ、いつものような厚化粧はしていない。その目には隠しきれない疲れがあったが、それでも樹を見ると微笑んだ。
「ごめん、ちょっと遅れちゃった」と彼女は向かいに座りながら言った。
「遅れてないよ。」樹は彼女のために注文しておいた茶を差し出した。「俺も今来たところだ。」
莉々香はその茶を受け取り、ゆっくりと一口すすると、慎重にカップを置いた。数秒間、誰も話さなかった。二人の間の雰囲気はいつもとは違っていた——気まずいのではないが、空気に何か重いものがあった。
「記事を読んだ」と樹がようやく言った。
莉々香は頷いた。「知ってる。だから会いたかったの。」
「何を話したいんだ?」
莉々香は正直な目で樹を見た——何も隠していない目だ。「あなたの意見を聞きたいの。会社のオーナーとしてじゃなく。お金を持っている人としてじゃなく。ただ……あなたとして。」
樹はコーヒーを一口すし、莉々香が続けるための空間を作った。
「あの記事は、私があなたとのコネで大きなプロジェクトを獲得したって言ってる」と莉々香はより静かな声で言った。「そしてそれが……怖いの。」
「仕事を失うのが怖い?」
莉々香は首を振った。「違う。私が達成した全て——努力の全て、練習に費やした夜の全て、疲れていてもこなした撮影の全て——が、あなたと近いからだと思われるのが怖いの。」彼女は涙ぐんだ目で樹を見たが、涙は落ちなかった。「『金持ちと付き合っているモデル』になりたくない。私は橘莉々香になりたい。それだけ。」
樹は遮らずに聞いていた。彼はカップを置き、静かだが真剣な目で莉々香を見た。
「なら、どうしたい?」
莉々香はしばらく沈黙した。「わからない。だからあなたに聞いたの。」
樹は静かに首を振った。「君が何をすべきかは言えない、莉々香。これは君のキャリアだ。君の人生だ。もし私が決めたら、記事が非難しているのと同じことをすることになる——自分の立場を使って君を操ることになる。」
莉々香は長い間彼を見つめた。「じゃあ、考えるのを手伝って。決めるんじゃなくて。」
樹は頷いた。「それはできる。」
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午後3時30分——青山のカフェ——会話は続く。
樹は店員を呼び、水を二つ注文し、再び莉々香を見た。
「三つの選択肢があると思う」と彼は言った。「第一に、君が黙って記事をやり過ごす。芸能メディアはすぐに飽きる——一週間でこのニュースは別のニュースに取って代わられる。」
莉々香は首を振った。「それでは問題は解決しない。黙っているということは、他人に物語を操らせることになる。」
「その通り。」樹は頷いた。「第二の選択肢は、君がリュミエール・アーツを辞めて別の事務所を探す。しかしそれも根本的な問題は解決しない——君が私と結びつけられている限り、同じ告発がつきまとう。」
「第三の選択肢は?」
樹は正直な目で莉々香を見た。「君が彼らと向き合う。お金でじゃない。私の力でじゃない。君自身の力で。リュミエール・アーツの経営陣と座り、君の立場を説明し、彼らに彼らの立場を説明させる。もし彼らが君を支持できないなら、君は去る。もしできるなら、明確な条件でそこに残る。」
莉々香は考え込んだ。「それは……勇敢に聞こえる。」
「本当に勇敢だ。」樹はコーヒーを一口すした。「でも君は勇敢でない人じゃない、莉々香。もし勇敢でない人なら、この業界で今まで生き残っていない。」
莉々香はかすかに微笑んだ——来てから初めての心からの微笑みだ。「時々、あなたもかつて難しい立場にいたことを忘れちゃう。クビになって、全てを失って、それでも立ち上がった。崖の端に立つのがどんな気持ちか、あなたは知ってる。」
樹は答えなかった。ただ莉々香を見つめ、沈黙に語らせた。
「リュミエール・アーツの経営陣と話す」と莉々香はようやく言った。「全てを説明する。私の仕事、私の契約、あなたとの関係——それは私的なことで、仕事とは何の関係もないって。」
樹は頷いた。「もし私が同席する必要があれば——」
「いいえ。」莉々香は優しく、しかし断固として遮った。「これは私が一人でやらなきゃ。もしあなたがいたら、彼らの告発を強めるだけ。」
樹は小さく微笑んだ。「それが正しい決断だ。」
莉々香はしばらく彼を見つめ、そしてより静かな声で言った。「解決してくれなくてありがとう。」
「君の人生を解決することはできない、莉々香。君が誰かと話す必要があるとき、そばにいることしかできない。」
莉々香は微笑んだ——心からの温かい微笑みだが、その裏に少しの寂しさがあった。「それで十分すぎる。」
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午後5時0分——青山のカフェの外——別れ。
彼らは一緒にカフェを出た。午後の日差しは西に傾き始め、青山の空はオレンジがかった金色に変わり始めている。莉々香は樹の前に立ち、以前より落ち着いた目で彼を見た。
「樹。」
「うん?」
「結果がどうなるかまだわからない。経営陣が支持してくれるかもしれない。辞めろと言われるかもしれない。でも何があっても……」莉々香は一瞬言葉を止め、適切な言葉を探した。「……後悔はしない。」
樹は頷いた。「それがいい。後悔する必要はない。」
莉々香は微笑み、振り返って待っているタクシーへ歩いていった。樹はカフェの前に立ち、彼女の後ろ姿を見送り、説明できない何かを感じていた——心配でも、安堵でもなく、その間の何か。
志織が通りの角から現れた——ずっとそこで待っていたのだ。「如月さん、全て大丈夫ですか?」
樹は頷いた。「大丈夫だ。今のところは。」
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午後6時30分——丸の内ビル——十階·社長室。
樹はオフィスに戻り、直接社長室へ向かった。冴は既にタブレットに最新の報告を用意して待っていた。
「如月さん、進展がありました。数分前、リュミエール・アーツが莉々香さんに関する公式声明を発表しました。」
樹はバッグを置いた。「内容は?」
冴はタブレットにその声明を表示した。「彼らは、莉々香さんが彼らが抱える最もプロフェッショナルなモデルの一人であり、彼女が手がけた全てのプロジェクトは通常の選考過程を経て獲得されたと述べています。また、『各モデルのプライバシーを尊重する』とも述べており——これは、プライベートな関係は彼らの関与するところではないという確認と取れます。」
樹はその声明を注意深く読んだ。「良い声明だ。中立だが、支持的だ。」
「これは、莉々香さんが今日の午後に経営陣と会った結果だと思います」と冴が言った。「おそらく彼女が先に話し、彼らが間違った声明を出す前に。」
樹はタブレットを置いた。「よし。動向を監視し続けてくれ。」
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午後8時0分——成城·キサラギ・プライベート・レジデンス——家族での夕食。
樹が成城のマンションに着くと、夕食はほぼ準備ができていた。千春がエプロン姿で玄関で迎え、温かい笑顔を浮かべた。
「遅かったわね、樹。会社で何かあったの?」
樹はコートを脱いだ。「少しね。もう片付いたよ。」
千春はそれ以上は聞かなかった。「早く着替えて、食べなさい。留奈が新しいプロジェクトの話をしたくて待ちきれないの。」
樹は微笑んだ。「すぐ行くよ、母さん。」
食卓では、キサラギ家が既に集まっていた。正則はテーブルの端で新聞を手にし、留奈は開いたままのノートパソコンの前に座り(樹を見るとすぐに閉じた)、美咲は皿を並べ、小春はいつもの席に本を置いて座っている。
「お兄ちゃん、やっと帰ってきた!」留奈が樹を見るとすぐに叫んだ。「新しいプロジェクトがあるの!クラス用のアプリを作る勉強をしてるんだ!」
樹は席に座った。「どんなアプリ?」
「時間割!友達のスケジュール管理を手伝うアプリを作りたいの。新しいプログラミング言語も勉強し始めたんだ!」
美咲が茶を注ぎながら口を挟んだ。「彼女は三日ごとに新しい言語を学んでるの。昨日はPythonをやるって言って、今日はSwiftをやるって。」
「だって一番合うのを探してるんだもん!」留奈は弁解した。「それも学習の一部だよ!」
樹は微笑んだ。「いいぞ、留奈。まずは基礎をしっかり学べ。もっとわかるようになったら、会社の開発者を何人か紹介できる。」
留奈は熱心に頷いた。「約束だよ、お兄ちゃん?」
「約束だ。」
ずっと黙っていた小春が、落ち着いた目で樹を見た。「お兄ちゃん、今日は疲れてるみたい。」
樹は末っ子の妹の方を向いた。「ちょっと忙しかっただけだよ、小春。大丈夫。」
小春はそれ以上何も言わなかったが、心配そうな目で兄を見つめ続けた——いつも口に出さない何かを読み取る目で。
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午後9時30分——樹の部屋の中——夜。
樹は部屋の窓際の椅子に座り、静かな成城の夜景を眺めていた。手には自分で入れた緑茶のカップがあり、机の上ではスマホが時折震えてメッセージの着信を知らせる。
志織からのメッセージ:
「如月さん、今週のスケジュールをまとめました。特に福岡プロジェクトと進行中の大阪ホテルプロジェクトについて、ご確認いただく点がいくつかあります。詳細は明日の朝お送りします。」
冴からのメッセージ:
「月次財務報告書が完成しました。今週プレゼンします。全体として、会社の財務状況は非常に健全です。」
そして莉々香からのメッセージ:
「経営陣と話した。結果は思っていたより良かった。今日聞いてくれてありがとう。仕事に集中する。また後で話そう。」
樹は最後のメッセージをしばらく見つめ、そしてスマホを置いた。
彼は茶を一口すすり、喉から全身に広がる温かさを感じた。今日は長い一日だった——そしておそらく最後の長い日ではないだろう。まだ多くのことを処理し、多くの決断を下し、多くの人が彼に依存している。
しかし今夜だけは、休むことができた。
「……明日も忙しくなりそうだ。」
彼はカップを置き、机の灯りを消し、ベッドに横たわった。窓の外では、成城の灯りが静かに瞬き、月が夜空に低く掛かっている。
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【次話 第132話——『助けてほしい、でも救ってほしくない』】
莉々香は樹に自分の問題をより深く説明する——あるクライアントが、自分とキサラギ・アセット・マネジメントの関係について明確な説明を求めているのだ。莉々香はあくまで自分の力で仕事を続けたいと考え、樹も表に出ないことに同意する——莉々香が本当に助けを必要としたときだけ、陰で支えるつもりだ。青山のカフェで、莉々香は自分の達成が全て樹に買われたものだと思われる恐怖を打ち明ける。莉々香は、樹を救世主として持ち出すことなく、自分自身でマネジメントとの内部会議を行うことを決意する。しかし、リュミエール・アーツは莉々香に大規模なブランドキャンペーンへの参加を求める。そしてそのスポンサーの一つが、キサラギ・アセット・マネジメントとビジネス関係を持っていることが判明する。
【第132話へ続く……】




