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29話 罪

 次の日しばらく待っていると2人が起き上がってきた。


「へ、変な感じです………」


 ベッドから起き上がるとフラフラするエルを支える。


「大丈夫か?」

「ディラン………私もちょっと………」


 レイもフラフラしているので肩を貸すことにした。そうしてベッドに座らせた。


「落ち着けよ。何でそんなフラフラなんだ?」


 2人が顔を見合わせて顔を赤くしている。

 何なんだろう。


「お、乙女には色々とあるんです!」

「そ、そうだから」


 焦っている感じでそう口にしている。


「朝に弱いんだな俺もそうだから気持ち分かるよ」


 そう言うと2人はまた顔を見合わせて困ったような顔をした。


「何で気付かないんでしょうか………」

「分からない」

「?」


 何やらよく分からない会話をしていた。



 王城に向かうとルクスブルクの処刑が決まっていた。


「ふふふふ………ここまでですが………しかし私に悔いはない。シド王。貴方が来ることを先にあの世で待っていますよ」

「たわけ、俺が向かうのはもっと後だ。それこそ貴様があの世でも処刑された後だろうよ」

「その強気どこまでもつかあの世で見ていますよ」


 ルクスブルクは先に各区を近衛兵に連れ回されることになった。

 この男が犯した罪は決して許されるものでは無い。

 だから国民の罵声や暴力などを受けさせた後に処刑だ。

 

「クソ野郎が………」


 俺もぶん殴っておいた。


「貴方もでしょう。ディラン人を殺し自身の望みを叶えていた。私とあなたの何が違う」

「………」


 舌打ちして下がる。

 返す言葉もない。


「そうそう。私が生み出した黒爪はまだ相当数残っているはずです。お気をつけて」


 最後にそう残して高笑いしながら近衛兵に連れていかれる男。


「本当のクズだよあいつは。お前は生きるために仕方なくやったんだろ?それが許されるかは分からないが同列な訳が無い」


 シドにそうフォローを貰えた。


「………何れ罪は償うつもりだ」

「ディランさん………」


 そう言うとティナが近寄ってきた。


「嫌です嫌ですよ。私の前からいなくなっちゃ」

「そうですよ。いなくならないでください」


 こんな俺にそんな言葉をくれるエルやユミナ。


「そうだよ。いなくなっちゃ許さないから」


 レイもそう言ってくれるが。


「………俺は………」

「お前はまだ人だ」


 シドが俺の肩に手を置いてそう言ってくれた。


「そうやって悩む心がある内は沈みきっていない。それでも自責の念があるならこれまでに不幸にした人以上の数の人を幸せにすればいい」

「でもどうやって。俺には殺す力しかない」


 俺が今まで磨いてきたのは何かを効率的に殺すためだけの力だった。

 そんな俺に誰かを幸せに………だなんて出来るのだろうか


「それはお前が考えることだろ?そうと決まればこんなことしてる場合じゃないだろ?」


 俺の背中を叩くシド。

 たしかに、そうかもしれないな。


「そうだ。俺は桜花病について真実を知りたい」

「ふむ。桜花病か」


 結局桜花病については何も分かっていないままなのだ。


「何なのか解明して俺はエルやレイ達から桜を取り除きたい」

「それはいい目標だな」


 シドは頷いてくれている。


「決めた。俺は桜花病について詳しく調べてみることにするよ。それで誰かを幸せに出来るなら」


 そう口にしてエル達を見た。


「俺がきっと治してみせるから」

「「ディラン………」」


 2人とも俺の名前を呼んだ。


「あぁ。きっと治す」




「ふーん。やはり治療法は確立していない、か」


 ルクスブルクの残した研究成果を漁っているがやはり奴の口にした通り治療法は確立していないようだ。

 そもそも病気なのかもすら疑わしいところだが。

 だって桜の模様が浮かび上がる以外の症状はないように思えるし。


「あ、あのディラン」


 その時エルが声を出した。


「どうしたんだ?」

「この前私が頭を痛めた時の事覚えていますか?あの時私は桜の模様が熱くなるのを感じたんです」

「つまり頭痛と桜が連動していると?」

「そこまではどうかは分かりませんけどでも一応伝えておきました」


 関係あるのだろうか。

 現状分からないが確かに連動していると見ても不思議ではないか。


「そういえばあのドラゴンも桜色だったよね」


 その言葉を聞いてこの島を浮かせる奴の存在を思い出した。

 確かに桜色だったが。


「何か関係があるのだろうか?」

「分からないけど。でも一緒だから何かしらの関係はありそう」

「その辺も調べた方がいいかもしれないな」


 そういった時だった。

 ゴゴゴゴゴ!!!!

 地が鳴いた。

 同時に足場が無くなるのではないかと言うほどの恐怖と絶望。


「はぁ………はぁ………」


 何秒かしてようやく落ち着いた地震。


「最近多くなってきましたね」

「そうだな」


 ティナの声に答える。

 本当に最近は地震が多くなってきた。


「そろそろやばいのかもしれないな」


 あのドラゴンはやせ細っておりギリギリの状態で島を浮かせているような感じだった。


「そちらの対策も急がなくてはな」


 やる事は山積みだ。

 だが1つずつ何とかしていこう。


「アマレウス」

「どうしたんだい?」

「あんたはこの島を浮かせるための研究をしてくれるか?俺は桜花病について調べる」


 幸いユミナは医療関係の知識がある。

 何か分かるかもしれない。

 だが島の方に関しては俺は全然重鎮ではない。それを考えるならアマレウスに任せた方がいいだろうと考えたのだ。


「分かった。こちらで何とか延命の道を探してみよう」


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