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市子さんは流浪する  作者: FRIDAY
弐:遠く遠く、遠くまで
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01.森中

 

 

 茜色に染まりつつある空がある。

 夕暮れだ。

 深緑の一面が、一様に夕紅ゆうぐれないに色変わりしていく。

 深い、深い森だ。人が主人となることは適わない、人以外の生命に満ち満ちた世界。

 草木と、鳥と、獣と、蟲とが生きる空間。

 しかし、それが今は、奇妙に静かだった。鳥獣の息遣いも、蟲の声もない。

 じっと、息をひそめている。

 侵入者だ。

 自分たちとは相容れない異質な存在が、それも数多くこの森奥に侵入しているために、彼らは警戒しているのだ。

 人間だ。

 人間がいる――と。

 明らかに組織立った動きで広域に散らばり、沈黙している。

 そして、その森の中で、偶然わずかに開けた場所に、一際大きな存在感を放つ人間が数人集まっている。

 

 


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