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エピローグ これが始まり。ここからが始まり

 咲き乱れる木々の花々が風に舞い上げられる。


 雪のように白い花びらが舞う様はまるで冬の吹雪みたいだけど気候は良好。温かい空気だ。


 旅立つには打って付け。


 僕とカガリは今日旅立つ。


 トンテンカンテン。


 遠くで今日も元気な槌の音がする。


「いいのかよ?誰にも見送りさせなくて」


「……うん。みんなの悲しい顔は、あんまり見たくないからさ」


 カガリの問いに静かに答えた。風に乱された髪を耳にかける。願掛けに伸ばしてた髪は小ざっぱり切った。


 だって一族全員の悲願が叶ったんだ。切らない訳にはいかないだろ。


 カガリは僕の髪を編むのが相当気に入ってたようで駄々を捏ねて嫌がった。それで結局また伸ばす約束をさせられてしまった。やれやれだ。一時は時の力を使って伸ばせとまで言ってきてた。相変わらずわがままな竜人だなあ。


 ま、これからも彼とは長い時間付き合ってくんだ。仕方ないて済ませてあげるよ。


「それじゃ……行こっか」


 カガリに声をかけて砦に背を向け歩き出す。しばらく黙ったまま歩いてると、いきなりクンッとリュックを引っ張られて僕はひっくり返る羽目になった。


「何てことするんだ、よ……」


 カガリに文句を言ってやろうと振り仰いだその瞬間。僕は目を見開いた。


 さっきまで誰の姿もなかった砦が大勢の人で溢れ返ってる。いつの間にか槌の音も止んでて、砦の前にもずらりと。そして更にその前に大臣職に就いた幹部達が、ジーク団長を先頭に綺麗に並んで立ってた。


「ばあか。誰が悲しむだって?」


 カガリの声を聞きながら僕は呆然として立ち上がった。

 誰も彼もがみんな笑顔で手を振ってる。


「リゼルト様ー! 」

「ゼル様! ありがとう!! 」

「リゼルト様! 行ってらっしゃい! 」

「リゼルト様!! お気をつけてー! 」


 砦から砦の前から国民たちが口々に叫ぶ。「行ってらっしゃい」の言葉に何故だか胸がジンとして、僕の目にじわりと涙が浮かんだ。


「悲しいこたねえだろ、ひとつも。お前が名残惜しくて寂しいから勝手に出てこうとしたんだろうがこの阿呆め」


 カガリが隣でケラケラ笑う。


「リゼルト……ゼル」


 団長改めジーク首相が前に進み出てきた。抱きしめられる。


「黙って行く奴がいるかこの親不孝者」


 僕も第二のお父さんに抱きついた。涙が一粒零れ落ちる。


「ごめん」


 カガリの言う通りだ。僕が寂しかったからお別れを言わずに去ろうとした。


「何度でも帰ってくりゃいいだろが。いつでも飛んで連れて帰ってやる」


「うん……うん……!! 」


 カガリの言葉に何度も頷く。

 ジークお父さんが抱擁を解き、肩に手を置いた。


「道中気をつけて、変な食べ物や水は飲むなよ。食あたりには気をつけろ。暑さや寒さはちゃんと防いで、雨は凌ぐんだぞ」


「あははっ! うん、わかったよ」


 心配性の父親に笑って頷く。


「じゃ、行くか」


「うん! 」


 カガリの元に駆け寄るとジーク首相がみんなに声を掛けた。


「一同! 礼!! 」


 幹部から国民、子供までもがアルメリア流の最敬礼を取る。


「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」


 一言一句。一人たりともズレることなく、ピッタリと息を合わせた大声で感謝を告げられて僕は目を瞬いた。


「ゼル、お前はよく頑張った」


「リゼルト王子、カガリ殿、あなた方はこの世界の英雄だ」


「誇りを持って、自由に」


「楽しく旅をしてください」


「ありがとう、我々を支えてくれて」


「ありがとうございます、この国の希望となってくれて」


「あなたはこの国の誇りそのものだ」


「忘れません、いつまでも……」


 ジークお父さんや幹部達がそれぞれ別れと感謝の言葉を口にする。


「ありがとう! 行ってきます!!」


 その言葉を胸に抱いて、冬に旅立った時とは打って変わった明るい声で「行ってきます」を告げる。僕はみんなに手を振り返してカガリと共に歩き出した。

 何度も何度も振り返りながら。


「さようなら、アルメリア! 僕の愛する国!! さようなら、みんな! 今までありがとう!! さようなら! さようなら! ……いや、……」


 これは永遠の別れじゃない。


()()()!! 」


 ワッと歓声が上がる。


 会いに来るよ何度でも。世界中を旅しながら何度だって足を運ぶ。だってここは僕の故郷だ。


 花びらが舞う中。純銀の僕の髪と真紅のカガリの髪を風が揺らす。


 これが始まり。ここからが始まりだ。


 さあ、これから何処に行こうか。


 青く、澄んだ空の下、明るい太陽に照らされて、緑の大地を踏み、風に吹かれながら、小川の側の道を。自由にのんびりとした時を過ごしながら歩いてく。



 ……この後、カガリに襲われて結局、正式に番にされてしまったり。海に行って水人族に、北の山脈の向こうに移ることにした獣人族に、風の国に行って霊人族に会いに行ったりした。そして五種族以外の人とも顔を合わせることにもなったり……。

 ちょっと困ったこともあったけど、僕の隣にはいつだって助けてくれるカガリが。カガリの隣にはいつだって彼を助ける僕がいた。


 人が好きで、青く澄んだ空が好きで、温かいところやものが大好きで、ちょっと好奇心旺盛な僕は自由に世界をこの目で見れて、カガリに愛されてる世界一の幸せ者だ。

 カガリもそう思ってくれてるといいけど、竜人族は番が側に居ればそれだけで幸せに満たされるんだってさ。




————これにて僕達の物語は一旦お終い。

 時の鍵は閉まらなかったけど、世界は再び、いや前よりも。ずっと平和になりました。ちゃんちゃん。

ここまでお読み下さり誠にありがとうございました(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”

これにて物語は一旦お終い。カガリゼを応援して下さりありがとうございました❀.(*´▽`*)❀.

独りで世界を背に国や国民を支えて立ち続けてきたゼルと、独りて世界を、アルメリアを救うため南の世界を駆け回ってきたカガリはこれからはゆっくりと二人で並んで歩いていきます。

彼らの行先は何処でどうなっていくのか……ここではナイショです。




ただ、物語の続きや、二人か新しい目的のために世界を旅する物語をムーンさんに置いてたりします。Rシーン抜きではカクヨムさんにも置いてたり…とこっそりお伝え致します|กω`*)...



もし面白かったな、また読みたいなと思って頂けますと是非評価やブックマーク、レビューなどを頂けますととても幸せますのてどうぞよろしくお願いします❀.(*´▽`*)❀.


それではまたいずれどこかの作品でお会いしましょう!ᐕ)ノ

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