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化け物『ハギザ』と僕と君。  作者: 秋乃しん
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人間19

よろしくお願いします


 じゃあ、そろそろ帰るね。


そんな君の言葉の後のことなんかどうでも良くて、勝手に僕の部屋に入ってきた君は、勝手に部屋を出ていく。


 君と手を握っていた感覚、君の匂いももうそこには無くて、ただこれから僕がしなくちゃいけないことに気を取られるまま、ベットに横になり白い天井を見ていた。


※


またこの夢。

何回目だ?そして眠っている現実の僕はいつ眠ってしまっていたのだろう。

夢ということはわかっても、それが何を意味するのかなんてわかるはずも無いけれど、考えたら直ぐにわかることだろう? 


「なあ、お前は誰だよ」


『がはは、わかるわかる!ガハハ!』


「はあ?また会話できなくなったのか?」


ポツンと浮かぶ黒い存在に覚悟もできないまま、声をかけた僕だけど、どうやら今日のこの夢の中の化け物はまた会話ができないようだった。


『だから!わかるんだよなぁ、怖いか?そんなに怖いか?』


「お前はいったい誰なんだよ、いつもふざけやがって」


『そうだよな、俺様に救われたいんだな?知ってる知ってる!ガハハ!』


「きもちわりーな、おまえ」


黒い存在は僕を嘲笑う。

ただそれだけなのに、こいつの言っていることに対して何一つ響いてないのに、どうしてここまで腹が立つのだろうか。


『なあ!ガハハ!なんで腹が立つのか教えてやるよ!それはなぁ!お前が知ってるからだろーよ!』


夢の中じゃ一歩も動けない僕は、いくら化け物に罵られようと何一つ出来ない。だから、ただ冷静に会話の成り立たない化け物の言葉を聞くことだけ。


ただ…。


もう覚める。


この夢のことは、きっと忘れるんだろう。


※

ありがとうございます

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