ハギザ32
よろしくお願いします
教室内に入り込むオレンジ色を感じている。もう誰もいないから、当たり前にも誰の声も、誰の匂いもしない。ただ僕だけの呼吸が小さく動いてる。
『おい、起きろ。もう誰もいねーぞ、がはは』
「うそだぁ…うそだよ…」
僕は何を期待していたのだろう。
本当なら、直ぐに家へと帰って夜までゆっくりと自分の部屋で過ごすつもりだったんだ。
なのに、僕は君からの声を待っていたんだ。
『一緒に帰ろう?ってか?がっはは!』
「ハギザ、ほんとにぶっ飛ばすぞ?」
未だ机に顔を伏せている理由は、誰もいない教室を見て、期待した自分自身を傷つけない為だ。
しかし、ハギザのせいで台無しだ。
『なぁ帰って散歩しよーぜ』
「うー…そーだなっ。お酒とか飲んだら楽になれるかな?」
『そうだな、楽しみだ!楽しみだぜ!早く帰ろう!』
うざいハギザの機嫌とは裏腹に、すっかり静かになっている学校内から出て、寂しく思える夕日に目を眩ませて帰った。
「あれ、母さん帰ってないのか。残業か」
「ただいま」そう言って家に入るが母親の姿はなかった。そんなことをどう思うこともなく、ハギザを部屋に置いていく。
『なぁ?体を流すのはどうしてだ?』
「あ?なんかお前、偶に馬鹿になるよな」
『お前も馬鹿だ、がはっ』
なんだか、最近ハギザと口喧嘩をするようになった。それは些細なことであり、ほんの小さな出来事だ。しかし、そうなっている原因は、この化け物に慣れてしまっている故なのだろうか。
ハギザを無視してシャワーを浴びに行った。
ありがとうございます




