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ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第六章 最後の闘いです!

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第77話 ここが、お友だちの眠る地ですか?

 これだけの大人数では、キエフまで飛べない。貨物用の馬車に忍び込んでキエフまで向かう。隣町だから、すぐだ。


「ソランジュさん、ケガの方は大丈夫ですか?」


「心配ない。こんな傷程度で音を上げるほど、ヤワじゃないさ」

 隣で休むソランジュは元気そうだ。


「無茶するニャ。グシオンなんて大物と戦って、五体無事なわけないニャ」


 マセッティ……キエフ王子の膝に乗るチヨメが、ソランジュを気遣う。


「チヨメさん、変身を解いてもいいのでは?」


「解いてるニャ。ワイはこれが本来の姿ニャ」

 同じ獣人族でも、チヨメは本体はネコなのだとか。

「人間でいた方が、生活に便利ニャから、人の形をしているだけニャ」

 人がネコになったのではなく、ネコが人に化けているだけらしい。


「そんなに強いんですね、将軍って」


「別に強くはないニャが、ソランジュが本気になるには、クテイを犠牲にする必要があったニャ」


 その気になれば、特大魔法で一発なのだという。

 クテイの街をも灰にしてしまうが。


「いつからそんな、博愛主義者になったニャ? 昔のお前なら、容赦なく街を吹っ飛ばしていたニャが?」


「さてね」

 なぜか、ソランジュはリッコを見た。


「ジョーイちゃんは、クテイの歴史に、随分と詳しいんですね?」


「母親の実家がクテイだったらしくて。流しの吟遊詩人だったそうです」


 ワーンスまでの道中でケガをして、看病してくれた武器屋に居座った。何もあげるものがなかったので、自分を捧げたらしい。


「で、産まれたのがあたしです。なので、クテイやキエフの歴史には多少心得がありまして」


「クテイは、第二の故郷なんですね?」


「そうなりますかね。全然実感が湧かないけど」

 言いながら、ジョーイが伸びをする。


「キエフには、いつ到着するんだ?」

 じれた様子で、ソランジュがジョーイに尋ねた。


 もう数時間は、馬車に揺られている。リッコもさすがに限界が来ていた。


 見渡す限り、廃墟と荒野しかない。いつになったら目的地が見えてくるのか。





「どこって、ここですよキエフは」

 馬車が止まる。ここが目的地というのだ。






「バカな。ガレキだけじゃないか!」

「ソランジュ様、信じられないかも知れませんが、ここがキエフの首都だった場所なのです」


 かつて、キエフの首都にシングニアと魔族が攻め込んだとき、禁断の秘術を発動させたという。それによって、この荒れ果てた土地と化したらしい。



 魔族でさえ、荒れ果てたキエフを見捨てた。キエフの文明こそを求めていたから。

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