第73話 不正を暴きます!
「ソランジュさん、ボロボロじゃないですか!」
「ちょっと、旧友と戯れていた」
ソランジュは平然という。
だが、服の損傷や汚れから見て、ちょっとどころではない。
おそらく、グシオンというオーガ型の侍は、強かったのではなかろうか。
「それより、彼らを」
傷だらけの一団に、目を向ける。
「騎士団の皆さん、ご無事ですか?」
リッコは、騎士団に治癒を施す。
「傷は治しましたが、体力までは。どうか無理をせずに」
「ありがとう。またあなた方に助けられました」
いえいえと、リッコは手を振った。
「あっちも、大変らしいな」
冒険者ギルドのマスターが、ジョーイに詰め寄られていた。
「騒動の発端はあなたです。しめて、大金貨八六〇〇枚いただきます」
「な……」
ギルドマスターが、一瞬で青ざめる。
「当然ですよね? あなた方が拾ってきたアイテムの尻拭いを、我々が行ったんです。ちなみに、六割は被害者や遺族への給付金ですので。これでも安い方です」
「そ、そんな……冗談じゃない!」
「冗談じゃないのはこっちだっつーのバカヤローッ! 危険性を分かってて、浄化しねーで売ったあんたらが悪いんだろうが!」
ジョーイの口調が変わった。
「ほら、あんたらがセコセコ稼いだ金だ。たんまりあるだろ? 調べはついてるんだ! 商業ギルドが総力を挙げて調べ尽くしたんだ! こっちが何もしてねーと思っていたのかコノヤローッ!」
「ぐっ……」
「おかしいと思っていたんだ。普通、領主様の指示なら従うよなぁ? 国の代理人なんだから。それなのに、小さい戦に勤しんでいた。訳ありなのかなと思って調べたらこれだ」
リーダー剣士が姿を現し、ジョーイが道を譲る。
剣士の側には傷だらけの仲間が。助かったようだ。
「助かった」
「危うく、殺される直前だったぜ」
「お前のお仲間は、全部吐いてくれたわよっ」
剣士の仲間たちが、口々に言葉を投げつけた。
更に商業ギルドのマスターまで現れる。
冒険者ギルドマスターに、商業ギルド長が紙面を差し出した。
「あんたら、シングニアと繋がってたんだよな? 何割で取り引きしようとした?」
「そ、それは……」
ギルドマスターが歯をガチガチ言わせる。
「クテイを売って、亡命しようとしていたんだよな? なんでニンジャがこんな小さな国にいたと思う? あんたらを調べるためだよ!」
なおも、ジョーイは畳み掛けた。
「こっちだって、あんたを叩き潰すつもりで尋問している。仲間を失いかけたんだ! 引き下がれるか!」
怒り狂うジョーイに向かって、ギルドマスターは剣を抜く。




