表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第五章 敵の総大将が動き出しました!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/93

第72話 これが私の……全力だ!

「やはり、気づいていたか」


「貴公が負傷していることは、盗賊団壊滅のときに知った。貴公の周辺に漂う魔力量を見ていれば分かる。アガリアレプトとの戦が、どれだけの死闘だったか」


 騙し通せるはずもないか。


「あの小娘に加勢してもらえばよかろう」

「リッコか。確かにあの子なら、お前など一撃で葬り去ろう」


 誇張ではない。リッコなら、本当にできる。


「それほどかあの娘。シトリーに指一本触れさせなかっただけはある。あの娘、どこで拾ってきた?」


「気づけば側にいた。正体は、私も知らん」



 確かに、リッコは不思議な子だった。それでも。



「キエフ伝統の紋章を持っていた。秘法のカギを蘇らせたほどだ。何か重大な秘密があるに違いない」

「あれこれ詮索するつもりはないよ」

「ならば、我々が調査するとしよう」

「だったら、止めるしかあるまいね」


 リッコに危害を加えるというなら、こちらも全力でいかせてもらう。


 キャンディケインに雷を纏わせ、斬りかかる。

 二度打ち込み、相手の防御を崩す。

 ガードが開いた箇所に、ステッキの先端を向けて、火炎の弾を発砲した。


 刀の鞘で、グシオンは受け止める。


 それでも、飛び散った火炎がグシオンの頬をかすめた。


「太刀筋に熱が籠もってきたではないか。それだけあの娘が大事か?」

 頬から流れる血を、グシオンは手の甲で拭う。


「私は、お前たちを始末するだけさ」


「生き返った貴様に、こちらも応えるとしよう」

 刀を上段に構え、グシオンが力を込める。


 隙だらけのはずなのに、ソランジュは踏み込めない。

 不用意に近づけば、こちらがやられてしまう。


「誠の忠義、ご覧にいれよう」

 グシオンが、刀に黒い気迫を纏わせる。


 いよいよ、最大級の攻撃が来る、とソランジュは身構えた。


「そうだ。貴公も本気を出すがよい。でなければ、張り合いがないというもの」


 さすがに、魔力障壁では防ぎきれない。それでも、被害を最小限に抑えねば。


 ありったけの魔力を、キャンディケインに圧縮する。


 衝撃波で、建物は多少崩れるかも知れない。

 が、人的被害は防がねばならぬ。


 住む人々こそ、国の財産だ。


 クテイの繁栄は、人あってこそ。


 被害を食い止めるには、グシオンそのものを消滅させる必要があった。


 しかし、そんなことを許す相手か? 

 手加減して勝てる相手でもなく、こちらも万全ではない。

 身を挺してかばうだけで手一杯だ。


 敵は待ってくれない。



 やるか。



 全て魔力を防御へ回し、キャンディケインを横へ持つ。広範囲に、障壁を形成した。



「無駄なことを!」

 怨念の籠もった黒い刃が、障壁に衝突する。


 周りの商品や人々が、衝撃によって軽く吹っ飛ぶ。


 焼き付く程の邪念を、ソランジュはその身一つで受け止めた。

 少しでも気を抜くと、押し戻されてしまう。



 障壁に、ヒビが入った。ニワカ仕込みでは、これが限界か。



「がああああ!」


 グシオンの袈裟斬りを、まともに浴びる。


 致命傷とはいかなかったが、ダメージは大きい。

 地面に叩き付けられ、ソランジュは起き上がれない。


「まだ息があるか。せめて介錯をしてやるが情けか」


 地に降りたグシオンが、ソランジュの首に照準を合わせ、刀を振り上げた。


 しかし、ソランジュは諦めていない。



 聞こえるのだ。大地の響きが。


 こちらに向かってくる。


 オオカミの疾走が。









「ソランジュさんから、離れなさぁい!」

 リッコが、聖剣を構える。











「今だ、リッコ! 横に撃て!」



「はい!」

 地面と水平に、リッコが衝撃波を放った。







「ぬう、これは!」


「聖剣の一撃だ! 受け止められまい!」


 さしものグシオンも、避けざるを得ない。跳躍してかわす。



 ソランジュのチャンスは、そこだった。

 キャンディケインに、残りの魔力を全て注ぎ込む。


「貴公、こうなることも全て読んで!」


「切り札は見せぬモノだ!  紅焔波プロミネンス・ブラスト!」


 ソランジュは、上空へ跳んだグシオンに向けて、朱い煉獄を撃ち放った。


「ごおおおおあああああ!」


 灰になるまで、グシオンを焼き尽くす。


 暗雲が立ちこめていたクテイに、一瞬光が差し込む。

 それほどまで、朱い火柱は空高く突き抜けていった。


「どうにか、勝ったな」


 グシオンが消滅したのを確認し、ソランジュは立ち上がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ