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ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第二章 魔女さんと二人旅なのに、トラブル続出ですか!?

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19/93

第19話 朱砂の魔女、誕生秘話です!

「とにかく、その後は魔王の元で訓練をして、強くなっていった。二年もしないうちに、上位魔族など相手にならないほどになっていったさ」


 魔王からすれば、ソランジュはタダのいち兵隊候補と認識していたかも知れない。それでも、現状を抜け出せるならば。そんな気持ちで、ソランジュは必死に己を鍛えた。


「そのうち身体まで要求してくるようになってな。いわゆる愛人だ。といっても、相手も女だったが。いわゆる両性具有というヤツだね」


 だから、同性間のヒメゴトに抵抗がなかったのか。

 リッコは身震いした。


「私は、ありとあらゆる魔王の命令に従った。抱くぞと言われれば抱かれ、殺せと言われたら殺した」

「ひょっとして、人も」

「ああ、何人かは手に掛けたと思う。もう覚えていないけどね」


 軍装とサーベルは、魔王の配下になったときに渡されたモノだという。


「当時私は無敵だった。だが、二度目の敗北を味わうことになる」

「それが、ご友人ですか?」


「ああ。彼女は強かった。クテイという国に襲撃に行ったときの話さ。私は楽勝だと思ったんだがね、コテンパンにされたよ。相手は深窓の令嬢だったのにさ」


 そこは魔法よりも、当時珍しかった科学が発展していた。

 天体でさえ、科学で解明していたという。


「銃というのが強くてね。あらゆる魔法より早く打ち出せるから、参ったよ」


 少女の枕元は、科学技術の書籍で埋め尽くされていた。

 深窓の令嬢とは思えないほどアグレッシブに、ソランジュからは映ったのだ。


 クテイの姫には夢があった。

 いつか、クテイの財宝を掘り当て、世界に富を分け与えることである。

 手がかりは掴んであったらしい。


「私は彼女と話しているウチに興味が湧いてね。度々口論となった。科学の方が上だ。いいや魔術が上だとね。そこで、私は彼女の代わりに世界じゅうを旅して、いかに魔術が優れているか教えてやると約束を交わした」


 その後、ソランジュは世界を旅しては、姫に話を聞かせてあげた。

 

 魔王には、クテイは攻め落とすより、協力関係になっておいた方がいいと伝えて。


 だが実際、クテイは魔王と対立し続け、勝手に発展していく。


「どうしてそんなに強気なのか気になって尋ねてみた。『クテイには切り札がある』と言っていたなあ。国一つ滅ぼすほどのお宝があるんだ、とか」

「それが、今回探し出す秘宝でしょうか?」

「かもしれんな。だが、私はあるかどうかわからぬ秘宝伝説には、興味を示さなかった。今の技術の方に関心が向いていたから」


 ソランジュの方は、前時代的な思考の魔王なんかより、新しい物好きな姫との関係の方に興味が映っていた。

 クテイに寝返ろうという考えさえよぎる。


「しかし、私と姫の関係がバレてしまってな。魔王は姫を殺せと言ってきた。それが、縁の切れ目だったのかもね」



 ソランジュはついに、魔王を見限った。

 姫を殺すくらいならと、魔王を殺してしまう。



 その事件こそ、ソランジュが『朱砂(ソーマタージ・)(オブ・)魔女(シナバー)』と呼ばれる所以の出来事である。


 魔王を殺したことで、ソランジュはお尋ね者になってしまった。

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