表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第一章 ボッチ聖騎士です。魔女さん、友達になりませんか?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/93

第16話 どこに宿を取ってるんです!?

 宿に戻ってからも、リッコはソランジュと話し込んだ。

 人とこんなに長く話すなんて、本当にいつ振りだろうか。


「おっ。内湯ではないか」


 部屋に、露天風呂があった。


 空に浮かぶ月が、朱砂のようにキレイである。まるでソランジュのために作られたような宿だった。





……妙に艶っぽい声さえ聞こえてこなければ。




「なんですか? えらくお盛んな、ってぇええええ!?」



 隣室の露天風呂で、中年の男と若い女が「いたして」いた。



「はわーっ!」というリッコの声に女が気づく。

 女性を抱えたまま、カップルが室内に引っ込んだ。


 どの部屋からも、外から丸聞こえなほどの大合唱である。


 リッコは顔が熱くなった。




「ていうかここ、ラブホじゃないですか!?」




 裏手にある上に、遊郭も近いから、おかしいとは思っていたのだ。いい値段もしたから。


「失敬だな。ちゃんとしたホテルだぞ。貴族が不倫に使っているだけだ」

「一緒じゃないですか! わたしまだ一六ですよ! なんてところに連れてきたんですか!」

「こんな宿、一五歳から入れるよ」

「入れますけどね!?」


 ツッコミが追いつかない。


 かといって荷物をまとめてまだ空いている宿を探すわけにも行かず。疲労がたまっているからら野宿も嫌だ。

 なにより、風呂の湯加減が最高で。



「大浴場では人が多くてゆったりできん。どうだろう、入浴は一緒に」


 ソランジュが脱ぎ出すと、リッコは自分の身体を抱きしめて拒絶した。


「お風呂は別々です!」

「よいではないか」

「おっさんですか! まったく油断もスキもありませんね!」

「東洋には裸の付き合いなるモノがあるではないか」


 確かに、あるにはある。


「それは殿方です! あなたには何をされるか」

「何を言うか。純潔を失うと聖職を失うなどの迷信を信じているネンネでもあるまいて」

「そうですよ! ヒラクちゃんを手籠めにしようとした司教をぶっ飛ばしてやりましたよ!」


 上位の僧侶が、生娘に貞淑を守らせる方便であると。

 純粋に信じた少女は、哀れ老獪なる高僧に身体を許すのだ。

「神に認められた」とかそそのかされて。


「ソランジュさんからどうぞ!」

「残念」


 ソランジュは行水で終了、リッコは長湯を楽しんだ。


 湯浴みで眠気が出はじめ、リッコの瞼が開閉を続ける。


 なんだか、凄く眠い。面倒な女性を相手にしたせいだろう。


「じゃあ、おやすみ。明日が楽しみだ」

「わたしもです。ソランジュさんは、まだ寝ないんですか?」

「少し飲んでから、眠ることにするよ」

「あっ、変なことはしないでください」

「分かっているよ。同意なき夜這いをするほど、飢えちゃいないよ」


 寝間着に着替えたリッコは、横になるとすぐ眠りについた。



 新しい友人が、幻ではないことを祈りつつ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ