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完結編

レインの逆転劇と勇者たちと国王の死後のお話です

指名手配されたカイルたちが盗賊団を結成、悪行の限りを尽くし、国王が魔王の亡霊に悩まされている一方、レインは【カスタム湖塩】の莫大な収益と評判による更なる発展を遂げ、ちいさな村から町へと進化したのである。新たに【カスタム町】と名を変え、レインは【カスタム町】の町長に就任した。移住者からは【カスタム町】は通称【塩湖町(えんこまち)】と呼ばれ、【カスタム塩湖】を周辺に形成された町だそうである。レインの本来の役職は職商人(しょくあきんど)だが村長、そして町長へ出世したのである。レインの今の仕事は税収の管理分配や町の自治行政を行っている。レインは慣れない町政に悪戦苦闘しつつも周囲の助けもあって、何とかやっていた


【レイン(カスタム町長)】

「まさか小さな村の村長から塩湖町(えんこまち)の町長をやるとは思わなかったな。まあ、勇者たちに虐げられたことと比べれば、苦でもないし、むしろやりがいがあるな。」


幸か不幸か勇者たちの酷い扱いによって、レインに忍耐力が備わり、魔王から塩作りの知識&技術と隠し財産を授けられ、職商人の特性を発揮したおかげで今があるということである。話を戻し、【カスタム町】は特産品の【カスタム湖塩】の影響もあって、続々と様々な種族の移住者が増えてきており、僻地が開拓され、人口が増加し、商人や職人たちの手によって市街地が形成され、そこから町大工(まちだいく)町鳶(まちとび)町火消(まちびけし)町警備隊(まちけいびたい)町輸送隊(まちゆそうたい)が組織され、町の周囲は河川の水を引き、【カスタム塩湖】を除き、町一帯を囲む水堀(みずぼり)が整備され、碁盤目状の街路を築き、町の法律や仕組み、市場や相場も整備され、田畑も増え、町役場と町議会場と警備施設と教会と広場と商店と銀行と各種工房と食堂と交易所と病院と図書館と劇場と学校と保育施設と馬車鉄道と備蓄庫と水洗トイレとギルドと温泉場と様々な道路(大通り&小道&馬車鉄道専用の線路等)と出張買取所と牧場と公園と酒場と水商売の店と娯楽施設と宿泊施設等も作られ、塩湖と河川のみの僻地が開拓され、最初は一つの小さな村、そこから徐々に増え、やがては町へと変貌を遂げたのである

もはやかつての僻地の面影が完全に消えていたのである。レインは商人たちから多額の金と品物を献上されたが、レインはそれほど生活に困っておらず、商人たちから献上された多額の金と品物を町民たちに配ったおかげか、町民たちのやる気が向上し、【カスタム町】が更なる繁栄を極めたのである

また【奴隷売買禁止令】を制定し奴隷の売買を禁止し、密かに奴隷売買を行っていた商人を見せしめのために衆人環視の下で処刑したため、今のところは奴隷売買の商人はいない

宗教に関しては特に決めておらず、信教の自由を認めているが特定の宗教の強要と強制と犯罪を禁止している

ギャンブル等の賭け事は原則的に禁止している。理由は治安の維持やレイン自身の苦い思い出も含まれている。その代わりに娯楽料と賭け事禁止と制限時間付きで娯楽施設があり、麻雀、チェス、囲碁、将棋、双六、トランプ、花札、オセロ、モノポリー、ディプロマシー、卓球、ダーツ、ボーリング、テニス、サウナ、温泉等があり、子供も大人も楽しめるようになっている

レインは新しい田畑の開発増産計画と【カスタム町】の名物である【カスタム湖塩】の他にも特産品の生産を行う殖産興業を推し進めた

まず田畑で作られた農作物を使い、様々な酒を生産し、カンショ酒(芋焼酎)、葡萄酒(ワイン)林檎酒(シードル)、米酒(日本酒)、麦酒(ビール)、蒸留酒(ウイスキー&ラム酒等)が製造され、酒の愛好家たちが、こぞって【カスタム町】にやってきた

次に牧場で飼育されている乳牛と山羊の乳で作ったチーズやバター等の乳製品の他に牛乳酒と牛乳石鹸を生産、更に肉牛や豚や鶏や山羊や馬の肉を使いソーセージやハム等を生産、羊の羊毛で作った羊毛製品も作っている。馬は労働力として田畑の整備に使われている

次に紙の原料となるコウゾとミツマタとガンピという植物を栽培し、紙作りにも着手し、試行錯誤の末に【カスタム紙】を作成することに成功し、今は増産に努めている最中である

次に温泉場では温泉水を使った料理が作られ、温泉水を使った【カスタム温泉饅頭】・【カスタム温泉パン】・【カスタム温泉鶏卵】・【カスタム温泉水の焼酎】・【カスタム温泉湯豆腐】等、その料理が【カスタム町】のご当地名物として知られるようになったのである

最後に冬への対策として保存食作りを奨励し、各自、長期保存できる食品を作るようにしている。特産品を産み出した町民には報奨金を与えて、町民たちのやる気を向上させている

これらの特産品は1000年前に、とある帝国の女帝様の発案によって作られた名物を真似て作ったのである。レインは、その女帝様を非常にリスペクトしており、女帝様発案の名物をオマージュして作ったのである。【カスタム町】で不足している物は外から来た商人たちと物々交換によって補っている

現在、レインが行っているのは町民参加の町政を推進し、次の町長は身分や出自に囚われず、町民たちの入れ札の投票によって決まる制度を作っている。いわゆる民主主義の促進と選挙制度「期日前投票&不在者投票&町民投票制度」の整備である


【レイン】

「俺は元々は職商人、やはり有能な者が町長をやるべきだな。俺のやることにも限界があるし、一度やってみるか。」


レインは選挙制度を整備し終わったところで、レインは早速、【第1回カスタム町の町長選挙】を始め、立候補者を募ったが、誰一人、立候補者が現れず、町民たちの熱い要望もあり、再びレインが【カスタム町】の2代目町長をやることになったのである


【レイン】

「なぜだ?」


後にレインは引き続きカスタム町長をやり、その後、相談役として【カスタム町】の町政に関わることになるとは本人は知らずにいたのである。後にレインの下にカイルたち勇者一行が処刑されたことが商人たちの情報ネットワークによって伝えられたのである


【レイン】

「あいつら、死んだのか。元々、危なっかしい連中だったし、まあ自業自得なんだけどな。」


レインはかつての仲間だったカイルたちに対して、恐ろしいほど無関心で、やっと死んだか程度の感情しかなかった。あれだけ憎んでいた相手なのに死ぬと意外とあっさりしていた。俺は勇者パーティーで酷い目に遭いながらも、魔王の手助けで、こうして忙しいながらも充実した毎日を送り、カイルたちは一度は魔王討伐の英雄としての名誉を手に入れたが、持ち前の金遣いの荒さとギャンブル好きが災いし、多額の借金を作り、奴隷になるのを拒み、殺人を犯し、王国から指名手配され、生活に困って盗賊団を結成した後は悪行の限りを尽くし、最後は処刑された。世の中、何が起こるか分からないものだ。次に国王の死去、跡を継いだ新国王も数週間後に死去、そして後継者争いが勃発し後継者候補の王子は全員死亡、最後は王宮が火の海となり、そして王国が滅んだのである


【レイン】

「勇者一行の次は王国が滅んだか、これで死んだ魔王も浮かばれるかな。」


レインがこうして生きていけたのは魔王のおかげであり、レインは恩人である魔王のために木像と供養塔を建て、冥福を祈ったのである


【レイン】

「魔王よ、どうか安らかにお眠りください。」


休憩中に仮眠を取っていたところ、レインはある夢を見ていた。カイルたちと国王の手には手錠と足に鉄球をつけられ、冥界の番人に鞭で叩かれながら、ある場所へ向かうのである。到着した場所に冥界の裁判長の格好をした女帝様が座っていた。その後、冥界の番人がカイルたちと国王の罪状を読み上げた後、カイルたちと国王に判決が下った


【冥界の女帝様】

「被告を永久地獄巡りとする!」


永久地獄巡りというのは罪人に対して、非常に重い刑罰であり、永久に地獄の責め苦を味わう刑罰なのである


【カイルたち&国王】

「どうかお許しください!」


カイルたちと国王は泣きべそをかきながら、必死で許しを乞うていた


【冥界の女帝様】

「我等、さっきから聞いてりゃ、どうかもこうかもあるか、こらぁ!てめえらのしてきたことが、そのまま返ってきたんじゃ!まだ文句あんのかい!そんな卑怯者には永久地獄巡りの他にてめえらが殺したカタギたちの御礼参り(復讐)も追加してやる!連れてけ!」


【カイルたち&国王】

「どうかお許しを!お許しを!」


カイルたちと国王はそのまま冥界の番人に鞭で叩かれながら連れていかれたところで、目が覚めた


【レイン】

「はぁ~、嫌な夢だな。」


レインは仮眠を取った後、町長の仕事を続け終わらせた後、帰りにお土産を購入し、愛する家族の待つ家へと向かった


【レイン】

「ただいま!」


【ユリア】

「貴方、おかえりなさい!お仕事お疲れさま!」


【子供たち】

「父ちゃん、お帰り!」


【レイン】

「ほれ、お土産だぞ!」


【子供たち】

「ありがとう、父ちゃん!」


レインは【カスタム塩湖】からの縁があったユリアと結婚し、子供を儲けた。【カスタム町】の町長(支配者)だが、生活は質素で慎ましいながらも幸せに暮らしていた


【レイン】

「お前たち、いい子にしてたか?」


【息子】

「うん、今日は父ちゃんが大好きなカレー作りの手伝いをしてた!」


【娘】

「馬鈴薯と人参の皮むきしたの!」


【レイン】

「そうか、ええ子だな。」


【ユリア】

「この子達、早くカレーが食べたいから、手伝ってくれたのよ。」


【レイン】

「そうか、まあ、ユリアの作ったカレーは美味いからな♪」


【子供たち】

「うん!」


【ユリア】

「まぁ、口が上手いんだから。さあ、そろそろご飯だから準備して!」


【レイン&子供たち】

「はーい!」


レインは仕事の合間の家族との時間を大切にしつつ、あまり無理をせずに町長と相談役の仕事も務めた。後に【カスタム町】は自由・自治の環濠都市(かんごうとし)へと更なる進化を遂げ、レインは【カスタム町の父】として人々から深く慕われ、町民たちの募金によってレインの銅像が建てられることになるのは、レインが83年の生涯を終えた後の話である

皆様の応援のおかげで無事、完結しました。他の作品も是非ご覧ください

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