表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/188

55 冒険者ギルド

 キルナス迷宮、カークの居た広間から、少しだけ戻った場所。

 図書館から戻った私は、この場所で新たに覚えた魔法の練習を行っていた。

 インフェルノとコキュートスは、広範囲殲滅魔法だ。

 カークの居た広間なら練習できるけど、ここは狭いから練習することができない。

 もし成功したとして、その威力にダンジョン崩壊でもしたら笑えないからね。

 ここで練習するのは、リザレクションとシャドウサーヴァント、それから図書館で覚えた魔法と魔術を少々だ。

 本腰を入れるのはシャドウサーヴァント、それ以外は時間をかけても良いだろう。



 あれから3日が過ぎだ。

 魔法と魔術は、すぐに使いこなせるようになった。

 でも、リザレクションとシャドウサーヴァントは一筋縄ではいかないね。

 ……少し、気分転換でもしようかな?



 私はアナスタシアに頼み込んで、城下町への外出許可を勝ち取った。

 もちろん、魔王シリーズや貴族っぽい服は着れないから目立たない服を着て、さらには魔法衣で作ったフード付きローブも着ている。

 これなら魔王だってバレないでしょ。


 大通りをぶらぶらしていくと、冒険者と思われる集団とすれ違った。

 その集団は、今回のクエストがどうだとか、あの洞窟のモンスターがどうだとか話していた。

 そう言えば、この国にも冒険者ギルドがあるんだよね。

 今後のことを考えて、少し覗いてみようかな?

 私は集団の後を、こっそりとつけていった。


 大通りから少し外れたところには大きな酒場があり、集団はその中へ入っていった。

 ここかな?

 実は、冒険者ギルドの存在は知っていても、その場所は知らなかったりする。

 仮にここじゃなくても、酒場なんだから情報は仕入れられるでしょ。

 私は集団の後に続いて酒場に入った。


 酒場に入った瞬間、強いお酒の匂いが鼻孔をくすぐる。

 酒場だから当たり前か。

 転生前も転生後もお酒は好きだ。

 そして、この雰囲気も大好きだ。

 一杯やりたくなってしまう。


 ……今は我慢しておこう。

 中の様子は、さすが酒場といったところだ。

 食事をしている者が居れば、静かにお酒を呑んでる者も居る。

 ある者はテーブルの上に立ち、大きな声で歌を歌い始め、それを冷ややかな目で眺める者も居る。

 カウンター内では、マスターと思しき中年のおじさんが、歌っている者を見て困った顔をしている。

 この雰囲気、大好きだ。

 さて、さっきの集団は……居た。

 マスターの奥にもう一人、耳の長い少女が居る。

 その少女に、集団はモンスターの素材を渡していた。

 あの少女はまさか。



「受付さん、依頼品を調達したぜ」

「スリープシープの羊毛に、フレイムゴートの巻き角、それからサンダーベアの爪……はい、確認しました。クエスト達成、おめでとうございます」



 受付さんと呼ばれた少女は、モンスターの素材を引き取り、集団に硬貨の入った袋を渡した。

 ここがギルドで間違いないようだが、あの少女の長い耳。

 ……間違いない、あの少女はRPGの定番、エルフだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ