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52 修行の成果

 予想外過ぎるグラントの連続攻撃。

 それでも私のステータス的に、普通にやっても勝てるだろう。

 しかしそれでは修行の意味がない。

 エレヌスさんも、そのつもりだろうしね。

 まずは、こいつのステータスを確認しておこう。



〔LV:75〕

〔名前:グラント〕

〔種族:輝岩大亀〕



〔グラントは鑑定に対して抵抗(レジスト)しました〕



 おや?

 以前は鑑定できたはずだけど。

 鑑定妨害のスキルでも獲得したかな?

 妨害したところで関係ないけどね。

 スキル魔眼発動。



〔LV:75〕

〔名前:グラント〕

〔種族:輝岩大亀〕

〔HP:40000〕

〔MP:35000〕

〔SP:18000〕

〔攻撃力:19000〕

〔守備力:35000〕

〔魔力:31000〕

〔魔法耐性:21000〕

〔素早さ:10000〕

〔鑑定妨害〕〔輝岩大亀〕〔輝岩の甲羅〕〔剛撃〕〔堅牢〕〔ブレス攻撃〕〔魔素探知〕〔魔力操作〕〔魔力精密操作〕〔星天魔法7〕〔闇天魔法7〕〔不屈の魂〕



 あの時と比べて、全ステータスが跳ね上がってる。

 グラントは真面目に、エレヌスさんの修行を受けてたんだろうね。

 何となく二匹の性格が分かった気がするよ。

 それから鑑定。

 表示されるスキルとされないスキルがあるね。

 カークの話だと、不屈の魂は最初から持ってたみたいだ。

 でも、あの時グラントを鑑定した際には、スキルが表示されなかった。

 鑑定で見破れるものには限界があると。


 修行の成果その1は、この魔眼のスキル。

 看破の目、そして洞観の複合スキルだ。

 どちらも、物事の根幹を見抜くスキルだけど、それらを複合させた魔眼はとんでもなかった。

 まずは、魔素と魔力の可視化。

 鑑定妨害、鑑定不能の突破。

 透視能力などなど。

 軽くチート級のスキルなのだ。

 さらに、スキルの獲得条件の詳細まで知ることができるようになった。

 それによると、看破の目の獲得条件はこんな感じだ。



〔看破の目:物事の根幹を知る為のスキル。獲得には数年の月日を要するが、システム外の生物は無条件で獲得可能〕



 システム外、つまり私のような転生者や、カグラのような転移者が当てはまるらしい。

 カンナさんは恐らく、看破の目か洞観を持っている。

 そして、カグラが転移者だと知っていたんだろう。

 だからカンナさんは、カグラにあんな問題を出したんだろうね。

 ちなみに私は、この魔眼のスキルに中二心をくすぐられたから取っただけなんだよね。


 さて、目の前の問題に戻ろう。

 グラントは私の行動から、二手、三手先を読んで攻撃してくる。

 それでいて私を近付かせないんだから、さすがとしか言えないよ。

 さて、どう突破してやろうか。


 よし、ここは新技で様子を見よう。

 修行の成果その2は新技だ。

 と言っても、アナスタシオスの技を自分流にアレンジしたものばかりだけどね。

 私がアナスタシアに教えたかったのは、この自分流にアレンジすると言うこと。

 お兄さんの技をエストックに合わせれば良いのに、アナスタシアはそれができていない。

 アナスタシアの武器はエストックだから、自分の武器に合わせて自分流にアレンジすれば、それで良かったのだ。

 そうすればアナスタシアの技は、アナスタシアだけのオリジナル技となり、お兄さんにも対抗できるはずなのだ。


 話を戻して、私はグラントに新技を披露した。

 アナスタシオスの技を自分流にアレンジしても、私のオリジナル技として認識されるようだ。

 おかげで良いダメージが入ったけど、さすがに堅かった。



「まさかこれ程とは、我を忘れて戦いに勤しみたくなるぞ!」



 勝手に楽しみやがって。

 グラントは三方向に、それぞれ火、氷、風の玉を吐き出した。

 私を狙ったわけではないみたいだけど、油断できないな。

 何て思ってたら、なかなか厄介なことをしてきた。

 着弾した玉は弾けず、その場に漂っていた。

 玉からは大小様々な下級魔法が発射されている。

 なるほど、固定砲台か。

 何とか避けていくけど、発射される魔法の量が凄まじく、某弾幕ゲーみたいなことになってきた。

 早々にグラントを止めないと、小ダメージでじわじわとやられてしまう。


 私は発射される魔法の隙間をかいくぐり、一気に距離を詰めた。

 さすがにグラントも読んでいたようで、魔法をくぐり抜けた私を踏みつぶそうとしていた。

 それなら大丈夫、ダメージを0にできる。


 踏みつぶそうとする前足目掛けて、私はアッパーをかました。

 互いの攻撃が衝突し、凄まじい音が辺りに響いた。

 うむ、ダメージは食らってないね。


 修行の成果その3は攻撃の相殺だ。

 相手の攻撃に対して、こちらも攻撃をする。

 例えば、攻撃力10の人物が守備力5の人物に攻撃すると、攻撃力から守備力を差し引いた5のダメージが入る計算だ。

 しかし、攻撃力10の人物の攻撃に対して、攻撃力10の攻撃を当てると、攻撃が相殺されるのだ。

 ベルンハルトお兄様がレイロフ君に教えたかったのが、この相殺する方法だ。

 これはあくまでも例えばの話であり、実際にはそこにダメージ倍率や乱数が入るから、完全にダメージを0にするのは難しいけどね。



「攻撃を相殺したか、さすがだな」



 簡単に見破るなよ。

 これをモノにするまで、かなり時間が掛かったんだぞ?



「よし、ここまでにしよう。これ以上は、どちらかが死ぬまで続ける事になりそうだ」



 それには賛成だ。

 私はエレヌスさんに会いに来ただけだからね。


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