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第40話 黒衣再び

 森林エリアヴァーホルツを探索し終え、帰還命令を受け取りほっと息を吐く。

 目の前には調査不可能とされた遺跡がある。

 白い岩のような素材で出来ているらしく、ひび割れた表面は苔や蔦で覆われ森と同化しかけている。

 少しの衝撃で壊れそうな入り口であろう扉には、細やかな彫刻が施されているようながそれが何だったのかは、全体像がみてとれないため分からない。

 その扉も割れており、人間が通れそうなほどの空間が開いている。

 覗き込んでもただ暗闇が広がっているだけだった。

「……何の遺跡なんだろ」

 扉の前にそびえていたであろう柱の残骸に手を置く。

 帰還命令が与えられたからと言ってすぐに帰れと言うわけではない。帰ってきていいという許可が下りただけなのだ。

 それを逆手にとってなのか、正しい使い方なのか、ここ最近は余裕がある限り周辺を探索して帰っている。

 最初は遺跡と聞いてもほとんど興味がわかなかったが、実際に目の前にしてほんの少し興味がわいてきていた。

 だからだろうか。

 目の前のものに夢中になるあまり、その人影がいつからそこにいたのか分からなかった。

 後ろから聞こえたため息に驚き振り返ると、立っていたのだ。

 あの、黒衣の人物が。

 VR空間で出会った時と同じように仮面と目深にかぶったフードで顔を隠したその人物は武器を手に持つこともなくたたずんでいた。

「……やはり、来たか」

 どこか気だるげな声はどこかひずんで聞こえる。

「……来るなと、あれほど言ったにも関わらず、か」

「誰なの?ボクに何の用?」

 はっきりと感じる気配はトルムアやラークとも違えば、人間の物でもない。それでもどちらかと問われれば、その気配はラークを思わせる。

「……私は《使徒》。……貴様ら大旅団の敵だ。私は忠告したな、計画から離れろと。それなのに貴様は来た。ならば」

「!」

 クレアレアで武器をつくりだすときと同じようにどこからともなく現れた剣はあの時と同じ黒ずんだ色。

 感じた痛みを思い出し手が震える。

「……死ね」

 打ち合わせた剣から骨に響くような衝撃が伝わってくる。

 この攻撃に備えて訓練を積んではいたがそれでも何発も耐えられるものではないことは明らかだ。

「……っく!」

「……なんだ、防戦一方か?その程度だと……?くだらん!」

 手からグライアオスが弾きあげられ宙を舞う。

 とっさにグライロスで追撃を防ぐが利き手でない左手では動きが鈍い。それでも防ぎ切れていたのは奇跡だろう。

 だがそれもいつまでも続くわけがなかった。

 無防備になった体に蹴りが命中し木の根元まで吹き飛ばされる。

「……ここで、死ぬべきだ。……アルマ、貴様は死ぬべきなんだ」

「……どう、して」

 うまく手足に力が入らない。

 振り上げられた剣を茫然と見ていた。



 

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