幸福
私は嬉しかった。
高月君が私に告白してくれた事も、私を『また』助けてくれた事も。
高月君は覚えていないみたいだけれど、私は覚えてるよ?
小学生の時、私に男の子が意地悪してからかったのを怒ってくれた事。
私はどこか抜けてたから−−今ではもうマシになったって信じてるけど−−あんないたずらに引っかかるんだよね。
扉の上に黒板消しを挟んで落とすあれ。私はびっくりして泣てしまった。
今回もそう。高月君が私をかばってくれて、今度は落ちてくるものから護ってくれて、私はまた泣いてしまった。
だって高月君頭から血、流して動かなくなるんだから。私が応急処置ですぐに止血したけど、中々血が止まらないし。
誰かが救急車を呼んでくれたみたいで、高月君は病院に運ばれて行った。私は救急車を見送って、その時初めて周りに人だかりが出来てる事に気づいた。
その中にいた。私が今でも苦手なあの人が。
高月君達が追い払ってくれた、私に意地悪したグループのリーダー。
それで私もどうして高月君が、私をあんなにすぐかばう事が出来たのかが分かった。
彼を見て嫌な事、高月君も思い出したんだね。それで反射的に私の名前、呼んだんだと思う。本当に私にタイルが落ちてくるかどうかなんて、多分高月君、分かってなかった。
根拠はないけど、偶然過ぎるけど、何故だかそれで納得出来てしまう。
だってそれ以外説明出来ないから。それ以外の説明も、きっと偶然に頼ってしまうだろうから。
だったら一番素敵なこの説明でいい、と私は思う。
その方が私、嬉しいから。
感想など頂けると嬉しいです。
特に辛口の批評など大好物です(笑)




