黒木優香と遭遇②
「お待たせいたしました。カルボナーラになります」
龍太はカルボナーラを優香の前に置いた。
「ありがとうございます。とても美味しそうですね。こちらお写真を撮ってもいいですか?」
「はい。大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
優香は早速スマホでカルボナーラの写真を撮り始めた。
龍太も訪れたカフェの料理とかの写真を撮ったりする。
中には撮った写真をSNSにアップする人たちもいるが、龍太はSNSに写真をアップしたりはしなかった。
『Cafe Lumiere』に訪れた客の中にもSNSに料理の写真をアップしている人がいて、それが集客に繋がったりする。
「それでは季節のフルーツサンドとカフェモカは、また後程お持ちしますね」
「はい。ありがとうございます」
龍太は優香の元から離れて、レジに向かった。
レジで待っていた客の支払いを済ませて、空いた席の片付けをした。
☆☆☆
優香がお店に来てから三十分くらいが経った。
もうそろそろカルボナーラを食べ終えそうだったので「残りの品をお持ちしてもよろしいでしょうか?」と龍太は優香に声をかけた。
「はい。よろしくお願いします」
「かしこまりました」
龍太はキッチンに向かい季節のフルーツとカフェモカをお願いした。
季節のフルーツサンドは毎月変わり、今月の季節のフルーツサンドはメロンと甘夏だった。
完成した季節のフルーツサンドとカフェモカを持って優香の元に戻った。
「お待たせいたしました。季節のフルーツサンドとカフェモカになります。今月に季節のフルーツサンドは甘夏とメロンになります。こちらのお皿はお下げしてもよろしいですか?」
「はい。お願いします」
龍太は空になっていたカルボナーラの入っていた皿を回収した。
「カルボナーラとても美味しかったです」
「ありがとうございます」
こうしてお客様から誉め言葉を聞くと龍太は自分のことのように嬉しくなる。
もちろんお客様から頂いた誉め言葉はちゃんと梨花や香澄に伝えている。
「こちらのフルーツサンドも美味しそうですね。見た目もとても素敵ですね」
「ありがとうございます」
カルボナーラの時と同じように優香はフルーツサンドの写真を様々な角度から撮っていた。
☆☆☆
客足が落ち着いてきて、龍太はレジのところで座っていた。
「ごちそうさまでした」
「ありがとうございました」
食事を終えた優香が支払いにやって来た。
「オススメしていただいたカフェモカとても美味しかったです」
「お口に合ったみたいでよかったです」
優香は支払いをカードで行った。
「仕事でこっちに来た時に、また来させてもらいますね」
「ぜひ、お越しください」
「いつになるか分からないですけどね」
「お仕事は何をされてるですか?」
「CAです」
「えっ、CAさんなんですか?」
「はい」
「そうなんですね」
気品が溢れていると思っていたけど、優香の職業がCAだと聞いて龍太は納得した。
「はい。なので、次にいつ来れるのか分からないんですけどね」
「いつでもお待ちしてますよ」
「ありがとうございます。実は乗継先のカフェに行くのが趣味でして、こちらのお店には前からずっと来てみたいと思っていたんです」
「そうなんですか?」
「はい。SNSで見たこちらのお店の季節のフルーツサンドがどうしても食べてみたくて」
「そうだったんですね」
「はい。なので今日、食べることができてよかったです」
そう言って優香は嬉しそうに笑った。
「それでは私はこの辺で失礼しますね」
「ありがとうございました」
「ごちそうさまでした」
優香は龍太にペコっと頭を下げるとお店から出て行った。
「あの人とはもう会うことはないんだろうな」
システムが美女だと反応していたが、職業がCAなら会う機会はほとんどないだろうから、優香の好感度を上げることは難しいだろうと龍太は思った。
☆☆☆




