表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/135

日影で休むヒーローたち


 賢一たちは、収納ボックスから武器を取り出して、色々と調べていた。



「シグP220か? 自衛隊でも使っているし、使い慣れている…………十四年式と交換しようっ! 威力と貫通力は上だし」


 賢一は、武器を取り替えると、暴発しないかと、シグP220の安全装置を確かめる。



「このピンク色の変なリボルバーと黒い拳銃は? あと、ライフルも?」


「ピンク色リボルバーの名前は、アンダーカバーと言う警察の囮捜捜査用を意味する奴だ? 38口径だから、エリーゼのスカンジウムと弾の互換性がある」


 メイスーは、アンダーカバーとマカロフを持ち上げて、二丁拳銃の構えを取る。


 それを橫から見ていた賢一は、彼女に武器の説明をして、近づいていくと、彼女は顔を紅くさせる。



「拳銃の方は、マカロフだ…………トカレフに代わって、ヤクザが使い出した旧ソ連製の小型拳銃だな? ライフルは、SKSと言って、ダニエルのAKと弾は同じだ」


「じゃあ? エリーゼさんのとも、弾は同じですね?」


 マカロフの事を教えながら、賢一は次に収納ボックスからSKSを取り出す。


 そして、ボルトを引くと、クリップに挟まれたライフル弾を、メイスーに見せる。



「エリーゼのは、同じAKでも弾の大きさが違うから使えないんだ」


「AK47、AK74の弾はサイズが違うのよ? ほら?」


「あ、本当ですね?」


 賢一の言葉を聞いて、エリーゼは口からポテチ袋を離して、丸めるとポケットに突っ込んだ。


 それから、彼女はAK74の弾倉を抜いて、メイスーに弾を見せた。



「小さい弾の方が、命中率が良いから、74年から大きさを変えたんだ? だから、47と74と言う…………ただ、大きい弾も威力や射程距離では優れるから、どちらが悪いかは言えない」


「な、なるほど…………」


 賢一の説明を聞いて、メイスーは納得しながらSKSを構えてみる。



「メイスー、今までの武器より威力もあるし? 旧式武器と取り替えたら、どうだ? 射撃の反動にも慣れただろうし? あと、他の連中は?」


「そうですねっ! 私も射撃技能が上がっている気がしますし? 名残惜しいですが、これからの戦いには強力な武器が必要ですし」


 賢一のアドバイスを聞いて、メイスーはM1カービンを収納ボックスに仕舞う。


 26年式拳銃、九四式拳銃なども、ホルスターから抜いて、見つめながら呟く。



「こっちの散弾銃は? 既に持っているが? 軽いな? 次からは、これも取り替えるか」


「イサカM37だな…………陸自じゃ、使わないから、余り分からないな?」


「海兵隊でもね? 使うと言ったら、レミントン870、モスバーグ500、ベネリM4くらいだし」


 ジャンが両手で持ち上げたイサカM37を見て、賢一とモイラ達は呟く。



「グアムやハワイの射撃場で使ったのは、ウィンチェスターライフルくらいだしね? 他は仕事で使う奴? それから、ショットガンやリボルバーは適当に撃っただけだからね? それらを連射している人も居たけど…………インストラクターに聞いとけば良かったわ」


「俺たちも、仕事で使うだけで、武器の専門家じゃないからなあ」


「そうか? でも、これは良い銃だ…………マシンガンが重い分、ショットガンが軽いと持ち運びが楽になる」


 モイラと賢一たちの話を聞きながら、ジャンはイサカM37を構えた。



「それより、これは私が貰おうかしら?」


「コイツは俺のだ」


 エリーゼは、アイスピックを右手に握りしめ、鋭い突きを繰り出す。


 ダニエルは、やたら目ったらに、ツルハシを振り回して、重さを確かめる。



「まあ、みんなに新しい武器が行き渡ったから、飯でも食って休もう?」


「そうね? 今は昼休みにしましょうかっ!」


 賢一とモイラ達は、腹が減ってきたため、そろそろ昼食の時間だと、二人とも思った。


 こうして、ギャング達から奪った食糧の内、簡単に食べられる物から口に運んだ。



 そうやって、のんびり過ごしていると、やがて彼らは暑さに嫌気が差してきた。


 海から吹く浜風は、生温く日影に居ても涼しさを感じられないのだ。



「しかし? 最初は、軍隊の捜索から始まり、ボートの回収に向かうことになった…………俺たちが貴重なサンプルだと言うが、その割には最前線に出されてるな」


「きっと、どこも人手不足なのよ? それに、刑務所で採血した分があるから、甘は私たちが死んでも平気なんだわ」


 白いテクニカルの屋根に座り、M1919を眺めながら、賢一は額から汗を垂らす。


 青いテクニカルの後部に、背中を預けるモイラも、空を眺めながら愚痴を吐く。



「確かにな? 兵隊なんて、使いすての駒だからな? だが、困っている人々を放置するために、抗体持ちだからって、後ろに下がる気はないぞっ? …………その甘からだ」


『賢一、漁港には軍の部隊が向かうことになったっ! 君たちは下がってもいい』


 賢一が、渋い顔で自らの決意を語っていると、無線機から甘の声が聞こえた。


 さらに、今話している内容と関係していることを、聞かされたため、みんな驚いた。



「…………そうは言っても、漁港は近い? 行くも戻るも同じ地獄の道を通らねば成らない」


「甘、予備の血液サンプルは抽出しているんだろう? だったら、私たちが死んでも困らないはずだわっ! だから、今まで戦闘に参加させてたんでしょう? これからも海兵隊員は戦うわよ」


 賢一は、戻るよりも前進して、漁港に救援に向かうことを選び、真剣な表情で話す。


 モイラも、一軍人として、飽くまでも戦い続けると闘志を燃やし、撤退を拒否する。



「ああ、だが? 生きている方が研究はしやすい…………それに、君たちが無事なら私も安心する…………あと、ようやく内陸部から大規模な軍の増援が到着するんだ? 治安も回復傾向にあるし、ワザワザ死にに行く必要は無いだろう? 飛行部隊も間も無く到着するはずだ」


 甘は、賢一たちの身を心配して、なおも退却してくるように促す。



「今までは、人手不足を理由に君たちにも無理をさせていたが、その必要は無くなったんだ? ゾンビ・ウイルスにも、ある程度の耐性を持つ人々も見つかったしな」


「甘、俺たちはスーパーヒーローじゃない…………だが、困っている人々は見捨てないっ! と、さっき話していたんだ」


「私たちは、引き続き救援部隊として、漁港に向かうわよっ! それに、こっちはまだ治安が悪いからねっ!」


「窮地に陥る人々が存在する限り、俺は決して見捨てないぞ」


 説得を続ける甘に対して、賢一とモイラ達は、すでに覚悟を決めていると話す。


 すると、近くで話を聞いていたジャンも、無線機に向かって、大声で答えた。



「…………分かった、だが気をつけてくれよ? 軍隊が来る前に市街地には、プロケト・イスラム解放戦線の車両部隊が到着したからな? 絶対に死ぬなよ」


「ああ、生き残って、そっちに必ず戻るっ! じゃあな」


 甘は、固い意思を持つ賢一たちの声を聞いて、説得を諦めざる終えなかった。



「甘との話しは終わったわね? そろそろ、出発しましょう? カメラのレンズには、人影が映る…………しかし、よろけるのも見えれば? 武器を手にする集団も見えるわ」


「やべぇな、おい? ゾンビか? 人間か分からないからな? 何だったっけ…………武器持ちゾンビだって、存在するんだしよっ!」


 エリーゼは、カメラを右から左へと向けて、砂浜を歩く集団を見かける。


 ダニエルは、さっと赤いテクニカルに乗って、ハンドルを握った。



「賢一さん? 私も怖いけど、人助けには付き合います…………私より弱い年寄りや子供のためならばっ!」


「メイスー、そうだな? 自衛隊を辞めるまでは、戦わなくちゃなっ! 機関銃手を頼んだぞっ!」


 SKSを抱えるメイスーが、真剣な顔つきを見せると、賢一は急いで、白いテクニカルに乗った。



「よし、みんな行くぞっ!」


 こうして、賢一が白いテクニカルを走らせると、残りの二台も、後に続いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ