住宅ボーン
「そうかい、よかったよー。
ホントよかったね、大将とジュニちゃん」
「おうよ」
「ありがとうございます。ボニーさん」
「んだんだ」
ボニーの家。
パックスとナグル族の問題は無事解決した。
パックスとナグル族はクライド傘下という形になった。
そのことをボニーとザインに報告しているのだが
「で、なんで大将がずっと家にいるんだよ?」
「なんでってパックスはオメーの傘下になったんだ
ボスのそばに傘下の代表者がいるべきだろーがよ」
あれからシックスはずっとクライド達の家に住んでいる。
「それは魔王様流の不問にするという表現であって
ガチで俺の傘下に入れってことじゃないだろー」
「バカヤロウ、そんなわけねーだろ。
傘下に入れという命令がくだったら本当に
傘下に入るんだよ」
「えー」
「えー、じゃねーだろ」
「でも、パックスを留守にして良いのかよ」
「あっちはワンが立派に代理をつとめとるわい」
確かにここ最近はワンが大将の代理を務めることが
多かったし、たぶん立派に勤めてるんだろうけどさ
「いや、ジュニちゃんみたいに代理のほうが来ても
良いんじゃないか?」
ナグル族からは、ナグル族当主ワズム・ナグルではなく
その息子のジュニ・ナグルが来ている。
「それは、おめーその組織の方針次第じゃねーかよ」
「それはそれとして何でずっと住んでんだよ」
「ジュニだっているじゃねーかよ」
シックスとクライドの会話を聞いていたボニーが
思い出したように
「そうだ、ジュニちゃんは、いつまでいるのさ?
食事の準備とかあるから、教えてよ」
ジュニはニコニコと笑いながら
「クライドさんのお屋敷にずっと、お邪魔するわけでは
ありませんよ?最初の立ち上げがごたつくので常駐
してただけです。もう何か重要事項が無い限り
ナグルの屋敷へちゃんと戻ります」
「みろよ大将!ジュニちゃん用事が済んだら帰るってよ!
大将も用事が済めば帰るんだろうな!」
クライドを無視しシックスはボニーへ
「あ、ワシはずっといるから食事は常にな。
ボニーちゃんの飯はうまいから楽しみだなー」
「あいよ、大将!うれしいこと言ってくれるねー。
骨どもなんか食事だしても何もいわないから
そんなこと言ってくれる大将は歓迎だよ!」
何なじんでんだよヒゲゴリラ。
■
「ってことでさ、大将ずっと家にいるんだよ。
手狭になってさー」
クライドはシェイと魔王城近くの酒場で飲んでいる。
「一人増えて手狭とか言ってる場合じゃねーぜ。
自分で作ったわけではないとはいえ、お前さんも
手勢を持ったわけだから、その手勢を抱えられるくらいの
屋敷を持たなきゃまずいぞ」
「はぁ!?何だよソレ!ナグル族は1000、パックスに
いたっては2000いるんだぜ!
3000も抱える屋敷ってどこの城だよ!
それにパックスもナグル族も自前の砦を持ってるから
良いんです」
シェイは手と首をブンブンとふり
「かーっわかってないねー。
全部をそろえられる広さはいらねーんだよ。
そうだなー、今のお前さんの状況なら
300くらいがそろえられる屋敷が必要なんだよ」
「なんで300で済むんだよ、全部で3000だぜ」
「総勢が常に一か所にそろう必要なんかねーだろ。
一定数が顔そろえやら、訓練やら出来れば良いんだよ。
お前さんがいるところが本体、本部という体裁になれば
良いんだよ。そうすりゃ構成員達は本部であるお前さんの
屋敷に来ることがある種のステータスになるんだよ。
まぁ魔王様の受け売りだけどよ」
へぇー、なるほどなー。
あれ、ふと気になったけど、魔王軍のお歴々のお屋敷は
どうなってんだろう?
「シェイさぁ、教えてくれよ、魔王軍4侯爵達の屋敷は
どうなってんだ?教えてくれよ」
「そうだな俺が知る限りで良いなら。
まずはオヤジ殿は、魔王城からちょっと離れた山一個
まるごと要塞にしてる」
カーツはドラゴニュート族らしく山岳地帯に巣を構えてる
わけね。
「ジュード・アーク様は魔王城からほど近い草原に宮殿を
構えてるよな」
宮殿。
なんだか貴族趣味っぽいクソアンデット野郎らしい
チョイスだよな。
「ジーク様は、魔王城の中に魔法的に空間を広げて
そこに村を作ってる。お前さん行ったことなかったか?」
ないなー、4侯爵の本部に呼ばれたことないもん。
魔王軍の他の魔物とあうのって魔王城だもん。
なんてったって、ラ・モンドさんの屋敷も知らない
んだからさ。
「ラ・モンド様はお前さんも知ってるだろうけど
常に魔王城を守る位置に動く城を構えてるな」
へぇー知らなかったー。
にしてもラ・モンドさんすげー忠誠心だな。
動く城で常に魔王城を守る位置にいるって。
そこでふと疑問に思う。
「あれ?シェイは?」
「俺?俺は先祖代々この近くに獣人族の村があるだろう?
あそこが俺のテリトリーさ」
あぁシェイも自前の軍隊もってんのね。
「シェイは自分の屋敷もあるし自前の軍勢もあるのに
なんでわざわざ魔王城の相部屋にいるんだよ?」
「そりゃ、たまには一人になりてーじゃん」
あ、それちょっとわかる。
「だけどさ、そんな莫大な費用どうすりゃ良いんだよ」
「え?位階持ちなら経理に申請すりゃ本部を構える
費用はもらえるぜ?」
ぜ、全然知らなかった・・・




