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骨OJT

「クライドぉ!よく来たなー!」


シックスは笑顔でクライドを自分の

部屋へ迎える。



「どうした?今日は?オメーは

懐かしいなんてセンチメンタルな慕情で

わざわざ来る奴じゃねーもんな」


「なんすか、その遠回しな薄情者扱い」


「わははは!!本当のことじゃねーか!

で、どうしたんだ?」


先ほどまでの豪快な笑う表情を消して

シックスは心配そうにクライドを見る。


「今回来たのは、仕事の話です」


クライドは自分の立場を説明した。


パックスから万全の手助けを受けたい。

知っている集団である。


ということから、自分の隠し諜報員

という立場も説明した。



こんだけ、実は隠し諜報員だって

言いまくってたら全然隠しじゃないな。

なんて思いながら。



「ほぅ、形はどうあれ

とうとう魔王軍に入ったか・・・」


「そうです。そして今回パックスへ

来た理由は任務の依頼です。

通常任務ならばラ・モンド軍から

来るのでしょうが、今回はやや

特殊なため、魔王様から直接の

依頼です」


あごひげを触りながらシックスが

話を聞く。


「で、どういう特殊なんだ?」


「ハイ、今回の任務はナグル族と

連絡を密に取りながら同期をとって

実施するという特殊な任務です。

それゆえに、ナグル族から連絡係として

ワズム氏の息子であるジュニ氏が

来ました」



「なるほど、仕事の話なんだな・・・

ならば・・・」


急激に険しい顔になるシックス。


何を言われるのか・・・

とクライドは身構えていた。



「ならば、お祝いだーーーー!!!」


シックスが両手を広げ大声で叫ぶ。


「クライド!別れの際に何て約束した

か覚えてるか?」



はて?何か約束したっけ??



「俺はオメーに

次会うときは魔王軍として仕事の依頼

にこい!と言ったんだよ!

約束通りじゃねーか!」



「そういえば。そんな話した気が」



「なんだ、つれねぇなー

まぁ良い、ついでにいくつか

確認したいことがある」


シックスは、再び真面目な顔をする。



「まず、報酬だがどうなってる?」


「え?」


「任務完了後の支払いだと思うが

その金額と支払期限は?」


「え?」


「じゃあ、任務の際の連絡役は誰だ?

オメーで良いのか?」


「え?」


「バカターーーレ!

細かい話は何も聞いてないのかよ!」


「だって魔王様がナグル族とパックスに

任務依頼してこいって言われたから」



「バカターーレ!

ガキの使いじゃねーんだからよ」


「だいたい連絡役って何だよ!大将!」


あきれ顔のシックスがクライドへ

諭すように説明をする。


「あのな、クライド、パックスの任務を

思い出せ。

ラ・モンド軍から仕事の依頼が来たら

デグさんが連絡係としてくるだろう?」


大将に負けず劣らずでっかい

デグ・ノボーさん。


「デグさんの仕事は細かい話をする

という仕事以外にも、もし任務上

何かあった場合

例えば、俺たちがしくじった。

例えば、魔王軍側の事情が変わった。

そんな場合の連絡パイプ役も

勤めるんだよ」


「その役割を俺がするっすか?」


「そうだよ」


「でも魔王様、細かい話してくれ

なかったけど」



「バカターーレ!

そこらへんの細かい話は自分で考え

たりするんだよ!」


「でも魔王様、勝手なことしたら

すげー怒るよ?」


「だったら細かい話は、魔王様を

お前がつついて引き出すんだよ!」


「でも魔王様、すげー怖いし」



「バカターーーレ!

怖いで済む話か!」



「じゃあ、戻って魔王様に細かい

話聞いてくるよ」



「バカターーーレ!

魔王様にそう簡単に謁見できるか!」



「え?できるよ?魔王様の庭に行けば

必ずあってくれるよ?俺だけかも

しれないけど」



「お、おう。。。

それはすげーポジションなんだな・・・。

そ、それはともかく

こちらからの連携役、案内役は

せめて決めておかねばいかんだろうが!」


「あ、そうか・・・」



「あー、もう心配になってきたわ。

ワン!オメー今回俺たちの連絡役を

たのむわ!クライドを

支えてやってくれ!」


ワンがニイッと笑い


「ギヒヒヒ、旦那ぁ

久々に大将に怒られちゃったなー。

ギヒッ、今回の連絡任務しっかり

勤めるからよろしくな!」



「もしかしたら魔王様は

オメーにここら辺を学ばせるために

最初の任務を俺たちに

投げたのかもな。

ならばその深謀遠慮は恐れ入るな」


シックスは何かブツブツ言っている。



なんだよ、魔王様に怒られ、大将にも

怒られ、俺怒られてばっかりじゃん!


クライドもブツブツと文句を言っていた。



シックスは顔を上げ


「何はともあれ、

今夜は宴会じゃーー!!」





パックスの砦、夜。


シックスやワンはもちろん

砦にいるパックスの面々も全員出席で

大宴会が開かれている。


もちろんクライドとジュニも参加だ。

というか主賓だ。


宴もたけなわ、どんちゃん騒ぎの中


クライドは、シックスにジュニを

紹介する。

正式な紹介し忘れてたというのもあるが

こういった場で紹介したほうが

お互い打ち解けやすいという理由もある。


「大将!こっちにいるのが

今回のナグル族側の連絡役を勤める

ジュニ・ナグル。

ワズムさんの息子だってよ!

優秀みたいだわ」


シックスへとジュニを紹介する。

紹介されたジュニはシックスの前に

出て


「ジュニ・ナグルです。

シックスさんのご高名はかねがね父や

クライドさんから聞いてます。

ご一緒できて身に余る光栄です」


と頭を下げた。


ジュニちゃん、やっぱ良い奴やーん。



「おー!ワズム爺さんの倅か!

クライドから学べることは

たくさんあると思うが

コイツちょっと抜けたとこがあるから

そこらへん支えてやってくれや!

頼むぜ!」


とジュニの背中をバンバンたたく

シックス。



なんだよ、俺をよろしくって


ジュニは、りりしい顔で、ハイ!と

返事をしてシックスの飲み始める。






「でよぉ、クライドよぉ

オメーは、今回の任務はもちろんだが

先々俺たちにこうしてほしいって

ことあんのか?」


べろべろになったシックスが

クライドへ絡んでくる。



「今後のビジョンっすか?

ありますよ

言うまでもないでしょうが

伝言役と言って軽んじることは

できません。むしろ重要です。

なので

できれば、ナグル族、パックス各々

組織化してもらいたいんだ。

情報部隊として

情報伝達手段として

魔法という手段ももちろん用いるけど

魔法も万能じゃないっしょ?

検知、改ざんができちゃう。

だから、できれば組織化した

人海戦術もとりたいんだよ」



途中からであるがクライドの話を

真面目に聞いていたパックスは


「「うぉーーーークライドさん!

その通りっすーーーー!」」


と声をあげ


シックスも酔いがさめたように


「ふうむ」


と感心した声を上げた。


ジュニも、感心したような顔をしている。





魔物だから人海戦術じゃなくって

魔海戦術と言うべきかな?


なんて考えるクライドであった。



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