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おじゃる骨

「なんだよ、こんなに近いなら

自分で行けよ」


クライドはブツブツ言いながら

リュウ位貴人皇団の一つ

ノア家の屋敷へと向かっていた。



ノア家と顔をつなぐためになるだろう

というケイ・ウラーの半ば脅しに

近い依頼を受けてお金を持っての

お使いだ。




目的地であるノア家の屋敷は

ザンビエの外れにあるという。


ケイ・ウラーの屋敷から歩いて

行ける距離だ。

だったら自分で行けば良いのにと

思うのだが

金の無心がひどくてムカつくという

理由で、クライドに依頼したわけだ。




教えられたノア家の屋敷は

このあたりのはず。


しかし、見渡す限りボロボロの

あばら家ばかりである。


リュウ位貴人皇団。

貴人というくらいだから良い屋敷に

住んでると思うのだが無い。

ぶっちゃけて言ってしまえば

この地域はおそらく貧民街だ。



表札なんか出てるわけでも無し。

悩んでても埒が明かないので

薄汚れた服装ながら妙に奇妙なデザイン

の服だなぁと目についた

あばら家の前で水を撒いている男に

声をかけてみる。



「すいません、この辺にノア家

ガーチェ・ノアさんの家があると

伺ったんですがどこですかね?」



「なんでおじゃ?」


おじゃ????



「貴公は誰でおじゃ?」



おじゃ????



「ノア家に何の用があるでおじゃ?」



奇妙な服装の男は怪訝そうな顔を

してこちらを見ている。



「あ、あ、すいません。

ケイ・ウラーの使いで来まして

ガーチェさんにお渡しする物が

ありまして・・・」



「おー!ケイからの使いの者かの!

それはご苦労でおじゃ

さ、さっ、こっちへ」



奇妙な服の男は、あばら家へ

クライドを招き入れようとする。


「あ、あのガーチェさんの家へ・・・」



「何をわからんことを言っておる

我が家は、ここじゃ」


「え?え?もしかしてガーチェさん?」


「そうじゃ。なんじゃ貴公は

尋ねる相手の顔も知らんとな?

なんともな、お使いじゃの」


見るところ嘘をついているわけでもない

ようなので、クライドは

奇妙な服の男に誘導されて

あばら家に入った。



「さ、さ、汚いトコであるが

すわってくつろいでたもれ」


こういう場合の汚いトコ、狭いトコって

謙遜で使うんだけど

ガチで汚い、狭いんだよなぁ・・・。


没落貴族なんて言葉があるが

没落するにもほどがあるだろう・・・。



奇妙な服の男はクライドの前に座ると


「よう参った。麿がノア家当主

ガーチェ・ノアでおじゃ。

要件は何じゃ?」


奇妙な服の男は

風貌に似合わずと言えば失礼になるが

威風堂々とした態度でクライドに応じる。



「ケイ・ウラーさんから定例の資金を

持ってまいりました」


と、金がつまった袋を差し出すや否や

ガーチェはその袋をガバッと

取り、袋の中身を数えだした。


「ひー、ふー、みー、よー・・・」


嘗め回すかのように袋の中身を数える

ガーチェ。


全てを数え終わると


「なんだおじゃ、いつも通りではないか

少ないでおじゃるぞ?

お主、ケイから何も聞いておらんのか?」



「概要は伺っておりますが、今回は

これで、とのことです」



いやらしい値踏みするような目を

ガーチェはクライドへ向けてくる。


「そんなはずは無いでおじゃ。

ケイとは話がついてるでおじゃ。

ちゃんと確認したでおじゃか?」


「はい、間違いなく確認しましたよ」


値上げ要求があったけど絶対嫌だって

そーとー嫌な顔されながらな。


心底嫌そうな顔をしたケイの顔が

クライドの頭に浮かぶ。



「貴公は、先ほど麿のことを

貧民街に住む物乞いか何かだと

思っておったの?」


確かに。


「貴公は、麿の家を汚い家だと

思っておったであろう?」


確かに。



「貴公は、麿の顔を知らなかった

であろう?」



「ま、まぁ確かにお顔を存じ上げません

でした」


「で、あろう?ケイから

きちんと話が聞けておらんじゃろう?

そんな貴公がケイと麿の何を

知っておるのじゃ?

金額が足らんのは事実じゃ」


「え?いやしかし・・・」


「まぁ何度もお使いするのは面倒

であろう?

そうじゃ、貴公、立替ておくが良い。

そちの失態は黙っててやるでおじゃ。

いくら財布に持っておる?」



うわぁ・・・。

こいつも濃いなー。。。。


ザンビエに、リュウ。

濃い奴ばっかりやんけ・・・。


さわやかな奴でてこーい。




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