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クズが異世界を通ります  作者: 山崎トシムネ
第2章「魔王と王国」
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「集う者達」

「ラーランラーン、ラーランラーン私は元気〜!歩くの〜…」




利央のテンションは非常に高いらしく、鼻歌混じりに道を行く。
















それは何故かと言うと、城を出る際にシャーリーが



「私…貴方の力になりたいの!!」




と真剣な表情を浮かべて言ってきたからだ。














あれはなんだったのだろうか?…








まさか…愛の告白?













やはりダメな男というのは一定の需要があるに違いない。




昔、元カノの真利奈に俺のどこに惚れたの?と聞いてみた事があったが、真利奈は迷わずに「ダメ人間なところ」と言っていた。




なんでも面倒を見てあげたくなるのだとか…。



そんな事言われて傷付かないのかと思う人もいるかもしれない…だが俺は、もうそのレベルを超越してしまっているのだ。




恥でもなんでも楽な方へと進んで行く…。




それが俺の人生だ…。














まあ、クズな事をカッコいい風に言うのは置いておいて、とにかく早く帰ってシャーリーと話をしたいのだ!




気になるなー、あのボディ…じゃなくてシャーリーの気持ちが!!















とそんなこんなで利央は上機嫌で道を行く。









そして、そんな利央たち一行が道で人とすれ違うたびに、すれ違った人々はあんぐりと口を開け、言葉を失った様子でただただこちらを眺めてくる。






それも必ず全員が。






理由はなんとなくわかる…。



つい最近仲間にした"こいつ"…今俺が乗っているこいつのせいだろう。













利央が跨がっているのは、巨大な"蜥蜴"だ。ケル吉やスネ夫の倍はあるだろう巨大な身体には、鋼のように硬い鱗があり、背中には小さな羽が生えている。





出会った時は全身緑色をしていたのだが…俺が例の魔法を使った後には、ゴブ一郎たち同様に全身黒っぽくなってしまった。





まあ、こっちの方がカッコいいと思うよ!…うん。







こいつとの出会いだが、たまたま城の近くを散歩していた時に小さな洞窟を発見したので、そのまま探検してみると奥で眠っていたのがこいつだったという訳だ。






ドラゴンみたいでかっこよかったので出会った瞬間に仲間にしようと決めた。



要は一目惚れってやつだね。






それで名前とか色々決めようとジーバ君にこいつの事を聞いてみたのだが…





なんとこいつ、ただのドラゴンっぽい蜥蜴かと思っていたら本当にドラゴンらしい!







しかもその存在すらほとんど知られていない超希少種だとかなんとか!






名前は確か、"緑龍"とか言ってた様な…。







なんでも遥か昔に魔王から逃れる為に森の奥へ逃げ込んだとかなんとか。




それで森での生活によって翼も退化して失っちゃったらしいんだよね。








まったく、昔の魔王はとんでもない奴だな!お前のせいでこいつは翼が無くなっちゃったんだからな!!そのせいで俺がこいつに乗って空を飛ぶという、誰しも一度は夢にみた事が出来ないではないか!!クソっ!!













あ!そうそう、さっきからこいつこいつ言ってるけど名前を付けたんだった!!









緑龍って名前さ、なんか緑茶っぽいじゃん?







だから茶カテキン!!




















って付けよう思ったけど、流石になんか可哀想だと思って茶カテキンの茶カの部分だけ取って"チャカ"って名付けた!!









「な!チャカ!!」





チャカは無視してのしのしと歩く。











まあ、基本的にチャカはシャイな奴っぽいからな!それにドラゴンってなんか誇り高いイメージあるし…よく無視されるのはそういうキャラだからだろう!






ジーバ君が言うには龍は非常に頭が良いので人間や亜人の話す言葉を解すると言っていたのだが…まあ、チャカは馬鹿そうな顔してるし無理っぽいな。うん。そうに違いない。









そして、ここに来て道を行き交う人の数がかなり増えてきた。




相変わらずめちゃくちゃ注目されて少し恥ずかしいが…。





こんなに人通りが激しいとなると、そろそろ王都とやらが近いのか?






先程から馬に乗った騎馬隊みたいなのが前後に貼り付いているんだけど…道案内的なあれだよね?





それか俺の安全の為の警護とか?












あ!!でっかい城が見えてきた…




なんかあれが王都っぽいな!!



































「ありがとう!ローザにミツェル!!本当に助かったわ!また近いうちに会いましょう」


「いいのよ!!…リア、頑張りなさい!!」


「そうよ!いい報告待っているわ」



「いや、だから違うって…」



「ではまたね!」


「楽しみにしているわー!」




誤解は解けぬまま、2人の馬車は行ってしまった。




「はあ、それにしても久しぶりの王都ね…」





前にリアが王都に来たのは3年ほど前に両親に連れられて遊びに来た時だった。




騎士見習いになってまだ数ヶ月だっていうのに…すごく時間が過ぎた気がするわね。




「よお!騎士のお姉さん!一杯どうだい?!」



「何かしら?…!!」



リアに声をかけてきたのは安いナンパなどでは無く、昔両親と来た時に飲んだフルーツジュース売りのおじさんだった。





思わず昔を思い出したリアは



「そうね…一杯頂くわ」


「毎度ありー!!」






それにしても王都に来たのは良いのだけれど、あの男の情報なんてそう簡単には…。





「おーーーい!!南門にとんでもない魔獣を連れた魔獣使いが来てるらしいぞー!!!!」



「ブフッーーーー!!!」












リアは思わずジュースを吹き出した。


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